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第3回 IFRS担当者が属人化するのには理由がある

第3回 IFRS担当者が属人化するのには理由がある

IFRSの有価証券報告書をいったい誰が作成するのですか?

前回(第2回)のコラムにおいて、IFRSを適用すると、決算の工数(特に開示の工数)が確実に増大すると述べました。IFRSベースの有価証券報告書(有報)は、①分量が多く、②雛形がない、という特徴があるためです。
ここで問題となるのが、「いったい誰がIFRSの有報を作成するのか?」ということです。従前の基準(日本基準)における有報も、経理部の中の特定の者が作成しているという会社は少なくありません。中には、特定の一人が作成しているという上場企業もあります。多くの場合、経理部長や経理課長レベルの「ベテラン」「カリスマ」担当者が開示業務を握っています。このように開示業務が「属人化」している会社は、決算発表が遅いという傾向があります。IFRSを適用するためには、前回(第2回)のコラムで述べたように、開示に意識することが大切ですが、それと同時に、開示業務の「脱属人化」を図らなければなりません。

開示業務が属人化するのはなぜか?

では、なぜ開示業務が属人化するのはなぜでしょうか?
主に、次の3つの理由が挙げられます。
(1)まずひとつ目は、開示担当者の能力・スキル不足(もしくは開示担当者自体の不足・不存在)。部下が開示業務を実施するだけの能力・スキルがないため、「ベテラン」が業務を握ってしまっているケースです。(2)ふたつ目は、会計・開示の難解さ・複雑さ。会計基準や開示基準等の変更が相次いでおり、制度変更に対応できる者が「ベテラン」しかいないというケースです。(3)3つ目は、業務の特殊性・複雑さ。開示業務自体が非常に特殊化・複雑化しており、実務経験が豊富な「ベテラン」しか対応できないというケースです。
IFRSを適用すると、会計・開示はさらに難解・複雑になります。既に開示業務が属人化している会社がIFRSを適用すると、ますます「属人化」していくことが想像できます。しかし、上述のとおり、開示業務が「属人化」している会社は、決算発表が遅いという傾向にあります。開示業務が「属人化」したまま、IFRSを適用すると、さらに決算工数が増大し、開示が遅れるというリスクがあります。そのため、IFRS導入プロジェクトの中で、「脱属人化」についても考えておく必要があります。

開示業務を「脱属人化」させる方法

「脱属人化」をするために、多くの会社が考えるのは、実務経験が豊富な「ベテラン」の中途採用です。部下の能力・スキル不足を補うため、他社で実務経験がある「ベテラン」を採用し、その者に業務の一部を移管しようとするのです。しかし、実際に会社が求める人材が採用できることは極めて稀であり、思うように業務の移管ができず、「脱属人化」を図ることができなかったという会社は枚挙にいとまがありません。そもそも、転職市場には開示業務の経験が豊富という者はほとんどいませんし、ましてや、IFRSの開示実務経験者は皆無です。人材採用による「脱属人化」は期待すべきではありません。
「脱属人化」をするために、まずやるべきことは、複雑化した開示業務を、「誰でもできる」というレベルまでシンプル化、標準化することです。そのためにまず実施すべきことは、開示業務において作成する開示基礎資料のシンプル化、標準化です(資料の見直し)。開示業務が属人化している会社は、必ずといっていいほど、決算資料が属人化しています。第三者が決算資料を見ても分からないため、第三者に業務を引き継ぐことができないのです。

開示基礎資料を「脱属人化」させるための決算資料の作り方

決算資料のシンプル化、標準化をするためのポイントは、すべての決算資料から、①漏れ、②ダブり、③無駄、の3つを完全に排除することです。作成する開示基礎資料が、最終成果物(有報、短信など)と「1対1」の対応をしていなければ、有報作成プロセスが属人化することになります。開示基礎資料にダブりがあれば、当然、決算資料の分量が増え、シンプル化、標準化はできません。「なんとなく作成している」という資料もなくさなければなりません。筆者はこれまで多くの上場企業の決算資料(共有フォルダ)を閲覧してきましたが、決算発表が遅い会社は、必ず決算資料の①漏れ、②ダブり、③無駄があります。
決算資料のシンプル化、標準化をすることができれば、決算業務がシンプル化、標準化することができます。決算業務をシンプル化、標準化することができれば(換言すれば、誰でも決算ができるようにすることができれば)、「ベテラン」が握っていた仕事を部下に振ることも可能になります。部下に仕事を振ることが可能になってはじめて、開示業務担当者の能力・スキル向上を図ることが可能になります。

IFRSを適用するためには、開示が大きなハードルとなります。開示をコンサル会社やアウトソーシング会社に依頼することも選択肢の一つとしてありますが、属人化した業務をシンプル化、標準化する機会として欲しいと思います。そうすれば、単にIFRSの有報を開示できるというだけではなく、強い経理部に進化するのではないかと思います。

≪今回のポイント≫

IFRSは、全員で開示業務ができる仕組みを作れ!

講師紹介

公認会計士 武田雄治氏

公認会計士 武田雄治氏
武田公認会計士事務所代表。中央大学専門職大学院国際会計研究科元兼任講師(IFRS担当)。
IFRSコンサルティングでは第一人者と称される。ブログ「CFOのための最新情報」は月間のべ10万人以上が閲覧し、ブロガーとしても有名。主な著書に「IFRS導入プロジェクトの実務」(共著)、「決算早期化の実務マニュアル〈第2版〉」など多数。

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