2015年以降に予定されているIFRS(国際財務報告基準)の強制適用をにらみ、IFRS適用の検討が始まっています。
IFRSの対応は、企業単体のみならず、企業グループ経営全体に影響を及ぼす重要課題です。
本コラムでは、IFRS適用における注意点や最新情報を、8回にわたりわかりやすくお伝えしてゆきます。
森川公認会計士が、IFRSに関する様々なテーマについてわかりやすく解説します。
しかし、IFRS対応を考えるに当たっては、2015年以降の強制適用をゴールとした計画だけでは十分ではありません。IFRS対応は、将来の強制適用に対しての課題というだけでなく過去から今後も続く大きな流れの中にある現在進行形の課題なのです。(→全文を読む)
IFRSが適用されることとなれば、ほとんどの企業は個別財務諸表を日本基準、連結財務諸表をIFRSに従って作成ということになると思われます。
しかし、一口に日本基準といっても会社によって適用される基準、法令など取扱いが異なることがあります。IFRS対応のためには、IFRS財務諸表の作成プロセスを分析、検討するだけでは足りません。IFRS対応のための経理業務、会計システムの構築のためには、グループ各社がどのような形で個別財務諸表を作成するのかということも考慮すべき重要な事項となります。(→全文を読む)
IFRSでは、連結財務諸表の作成に用いる親会社及びその子会社の財務諸表は、同じ日現在で作成しなければならず、もし親会社の報告期間の末日が子会社と異なる場合には、子会社は(実務上不可能な場合を除いて)親会社の財務諸表と同じ日現在で追加的な財務諸表を作成することとされています。また、連結財務諸表は、類似の状況における同様の取引及び事象に関し、統一された会計方針を用いて作成されなければならないとされています。
このことに対応するためには、会計方針を統一し、決算期変更をするなどして決算日を統一するというだけでは十分ではなく、勘定科目の取扱いを通じたルールの統一や決算の効率化、早期化にも併せて取り組むことを考えなければなりません。(→全文を読む)
IFRSは、「国際財務報告基準」という名前からも明らかな通り企業の財務報告についての基準であって、管理会計について定めるものではありません。
しかし、IFRS導入後は従来と異なった尺度で業績を評価されることとなり、投資家・株主など利害関係者は新たな尺度で評価された情報に従ってそれぞれの行動を決定することとなります。従って、IFRSの導入は財務報告に関するルールの変更であると同時に、企業のマネジメント環境の変化でもあるので、IFRS導入後の環境に即した管理会計制度を構築する必要があります。(→全文を読む)
IFRS対応に当たって大きなテーマの一つとなるのが「収益認識」です。収益認識の対応については、会計処理に関する影響だけでなく、販売業務を含めた業務プロセス、販売システムを含めたITシステムなど広い範囲で大きな影響が生じる可能性があります。
収益認識への対応は、「出荷基準を検収基準に変更すればよい」というような画一的な対応でなく、業務プロセスの検討などを通じて、影響の範囲や企業グループにとって望ましい対応方法は何かをしっかり検討したうえで進めていくことが必要です。(→全文を読む)
IFRS対応にあたって、連結決算業務と並んで大きなインパクトがあると思われるのが固定資産管理業務です。先行対応している企業の事例を見ても、減価償却方法の検討や変更、減損への対応など、固定資産関連の対応のために多くの時間と労力を割いていることがあります。日本基準とIFRSとの間では、固定資産に関する会計処理で少なからぬ差異があるため、大半の企業でシステムの変更や改修を含めた対応が必要となると予想されます。(→全文を読む)
2008年4月以降内部統制報告書の開示が義務付けられましたが、IFRS対応のために作成するIFRS会計方針書や会計処理マニュアルなどは内部統制評価の対象となり、また、いわゆる三点セットなどの内部統制評価のために作成した文書もIFRSに準拠するように更新が必要となるなど、IFRS対応と内部統制評価報告制度とは無関係ではありません。
IFRSが内部統制にあたえる影響は、上記のように内部統制関連文書の作成や更新といった事務レベルのものにとどまりません。中には対応を誤ると内部統制報告書でも重要な欠陥の原因となりかねないものも含まれます。(→全文を読む)
IFRS対応プロジェクトは長期間にわたるだけでなく、経理だけでなく販売、人事、情報システム等の広い範囲を含むものとなります。また、IFRSが強制適用されれば、IFRSに対応できませんでしたということでは許されません。
IFRS対応プロジェクトの長期、広範囲、クリティカルという性質を考えると、効率的に目標を達成するために注意しなければならないポイントはおさえておかなければなりません。(→全文を読む)
2010年3月期より、日本企業が作成する財務諸表にIFRS(国際財務報告基準)を任意適用することが認められ、日本電波工業株式会社様が国内第一号のIFRS任意適用をおこなっています。
日本電波工業株式会社様の開示書類の分析と同社へのインタビューに基づいて、IFRS適用国内第一号の事例紹介を行いたいと思います。(→全文を読む)
公認会計士 森川智之氏
監査法人トーマツに勤務後、独立。 IPO支援、管理会計、ファイナンス等のコンサルティング業務から税務業務などを幅広く行う。
公認会計士、森川アンドパートナーズ会計事務所代表、有限会社フォレストリバー代表取締役。
森川公認会計士がIFRSついてわかりやすく解説するセミナーを、定期的に開催しております。経営層、財務・経営企画部門の方が必見の内容となっております。