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ブラックボックス化した海外ERPから脱却後、半年で決算を大幅に早期化。損益管理単位の変更にも柔軟に対応する会計基盤構築で真のグローバルフォワーダーを目指す

— 経理業務の大幅効率化で得た余力で会計データ分析・活用力を向上

郵船ロジスティクス株式会社様 倉庫・トラックの外観写真

郵船ロジスティクス株式会社様 導入事例


郵船ロジスティクス株式会社様は、東証一部に上場後、2007年に「GLOVIA/SUMMIT」を導入。経理業務の効率化と処理スピードの向上で、導入半年後、懸案だった決算の早期化に成功した。さらに経理部門は業務効率化で得た余力で、データ分析・活用力を高めた。多様な分析軸で予算・実績状況を把握できる柔軟な会計基盤が、2010年にスタートした統合プロジェクトを力強く支えている。

[ 2013年1月24日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 倉庫・運輸関連業
ソリューション: 決算早期化、変化にスピーディーに対応する柔軟な会計基盤、データ処理速度の向上
製品: 統合会計ソリューション「GLOVIA/SUMMIT」
【問題点と効果】
1 チェック業務が非効率化、属人化していたことと、システム処理スピードの劣化により、経理の業務負荷が高く、決算情報開示に期末日から45日、月次決算に10日を要していた。 データを集約せず最小単位の明細で管理し、各明細に様々な情報を保持することで、あらゆる視点でスピーディーかつ効率的にチェックできるようになった。経理部門のチェック業務が効率化されるとともに、社内の質問に対する情報提供のスピードもアップした。
また、システムの処理スピードがアップしたことで、データ連携のリアルタイム性が高まり、業務が分散された。
それらの結果、決算情報開示を期末日から30日以内に、月次決算は6日に短縮した。
経理業務の大幅効率化により、チェック業務中心の経理部門から分析業務を主とする部隊へと変革を遂げた。
2 システムがブラックボックス化し、マスタや損益管理軸の変更時のシステム改修範囲の特定が難しくかつ影響範囲が広かったため、対応に1カ月近くかかっていた。 システムが透明化されたことでマスタや分析軸の変更が容易にでき半日で対応が可能となったことで、変化への追随がスピーディーに行えるようになった。
3 今後の基幹システムバージョンアップや、海上・航空の取引拡大による明細増加に対応する必要がある。 2010年の事業規模の拡大を目的とした会社統合時には、取引量が増加したにもかかわらず、経理部門の人数を増やすことなく業務統合を実現した。今後の事業拡大にも余裕をもって対応できるシステム基盤を構築した。

システム刷新の背景

ブラックボックス化したシステムをフレキシブルにし、決算早期化を図りたい

郵船ロジスティクス株式会社 経営企画室、経理部、IR室、広報室 取締役常務執行役員 加藤和夫氏の写真
加藤 和夫
郵船ロジスティクス株式会社 経営企画室、経理部、IR室、広報室
取締役常務執行役員

郵船ロジスティクス株式会社様は、航空・海上フォワーディング (注1)とコントラクト・ロジスティクス (注2)を事業の両輪とする総合物流企業として、お客様のグローバル事業を支える最適な物流サービスを、世界38カ国の拠点で展開している。

同社(当時、郵船航空サービス)は1980年代から自社開発の会計システムを約20年にわたって運用。その後、海外ERPパッケージを導入・運用していたが、入力画面が日本の商習慣に合わない、また日本の会計基準に則った帳票が用意されていないため、アウトプット帳票の組み直しや加工が必要だった。さらに度重なるシステム改修でシステムがブラックボックス化していたため、マスタに変更を加えると修正が必要な箇所が至る所で発生し、対応に1カ月近くかかることもあった。システム処理スピードも劣化が激しく、業務遂行に多大な影響を与えていた。ユーザーフレンドリーで小回りの利くフレキシブルなシステムが求められていたのだ。

2005年2月、東証一部に上場した同社は、翌2006年春から「早く、正しく、簡単に」をスローガンに、会計システムの新規構築のプロジェクトをスタートした。取締役常務執行役員の加藤和夫氏は当時を振り返り、こう述べている。「経理が伝票をつくっていては、決算早期化は無理だと判断しました。早くするには、社員全員が出納伝票や支払伝票を起票し、経理に回すフローをつくろう。そのためには社員が取り掛かりやすく、簡単に操作できる高速なシステムが求められます。そして経理部門が必要なポイントにおいて伝票処理を検証できることも重要な要件でした」。

システム選定のポイント

日本の制度や商習慣に合った使いやすいインターフェースと処理スピードを評価

郵船ロジスティクス株式会社 経理部長 白田美昭氏の写真
白田 美昭
郵船ロジスティクス株式会社 経理部長

同社は、国内外の会計システム約10種について検討を加え、絞り込んでいった。経理部長の白田美昭氏はこう語る。「当社の場合、取り扱う貨物が小ロットで、その一つ一つに請求書、明細書が起票されるのでレコード数が膨大になるのです。RFPを出す以前で、多くのシステムが大容量データに対応できないとわかりました」。そして3システムに絞り込んでRFPを提示。最終的に富士通の「GLOVIA/SUMMIT」の導入を決定。白田氏と共にプロジェクトを推進した経理部会計管理課の小高太郎氏は、その理由をこう語る。「GLOVIAでは日本の会計基準にマッチした帳票様式や入力画面様式が標準で用意されているのです。伝票入力を各社員にお願いするわけですから、まず、社員30人にアンケートを採りました。その結果、『日本の基準に合っていて使いやすそう』の評価でGLOVIAがトップ。加えて『処理スピードにおいても他社ベンダーに負けない』とのアピールを評価。これなら各社員にデータを入れてもらい、発生部署の所属長が承認後、経理部門が仕訳を確認するという仕組みができる、経理部門の負荷を最低限に抑え決算早期化が実現できる、と確信しました」。

導入効果

プロジェクト開始から約1年半、「GLOVIA/SUMMIT」は無事本稼働を迎えた。
「カットオーバーから初めての決算、決算情報の開示・提供と、本格運用までのスケジュールが円滑、迅速に運んだ理由は、富士通のスケジュール管理能力の高さです。全体スケジュール、短期スケジュールをしっかり管理し、適切なタイミングでミーティングを設定し、要所で担当部長や役員の意見を聞きながら目標時期までにタスクを的確に進めていただきました」。(白田氏)

大幅に決算早期化を実現

郵船ロジスティクス株式会社 経理部 会計管理課 小高太郎氏の写真
小高 太郎
郵船ロジスティクス株式会社 経理部 会計管理課

新システムは2007年10月に稼働を開始。翌2008年3月末の決算では、従来5月半ばまでかかっていた決算発表が大幅に前倒しされ、4月末、つまり30日以内に短縮した。月次決算は10日から6日となった。

目に見える大きな変化は、処理スピードが格段にアップしたことで、基幹システムと会計システムのデータ連携タイミングが短縮され、よりリアルタイムに。さらに、「GLOVIA/SUMMIT」の明細管理を活用し、容易に費用の分析ができる点も大きなメリットだ。「費用が前月よりも突出している、売上に対する原価率が増えているなど、締め前の段階で気がかりな数字を見つけた場合も、取引先ごとの明細をスムーズかつ瞬時に検索、会計システムで請求書まで特定し、すぐに確認ができるようになりました。以前は結局、紙の証憑を1枚1枚たどって調べるなど大変な時間と手間がかかっていました。」(小高氏)

顧客ニーズや環境変化への迅速な対応に欠かせない柔軟性

「お客様の変化や社内の組織改編に伴いマスタを変更したり、事業管理の分析軸を変えたりする必要が頻繁に出てきます。これをベンダーに依頼すると場合によって1カ月近くかかりますが、「GLOVIA/SUMMIT」ならば半日です。以前のシステムではマスタ構造が複雑化、影響範囲の特定が難しくかつ影響範囲が広かったのですが、大変わかりやすく構造も明確になり、マスタメンテナンスも容易になったからです。なによりも、改編した組織や事業管理軸の損益がすぐに把握できるので助かっています」。小高氏は具体的な例を挙げ、「GLOVIA/SUMMIT」の柔軟性を説明する。

業務効率化と柔軟性の向上により経理部門が変化

こうした業務効率の向上とフレキシビリティが確保できたことにより、経理部門が果たす役割も変化しているという。「決算業務にかかる日数が減り、新たな業務に取り組む時間が創出されました。そのおかげでデータの分析や経営判断に役立つデータの提供などに時間を振り向けられるようになり、経理業務を変革させることができました」(小高氏)。「利益向上に向けて何をすべきか、より具体的に現場部門が考えられるように、経理部門としてどういう情報をどういうタイミングで提供すべきかということを常に意識しています」(経理部 会計管理課 課長 矢吹 実芳氏)。

会社統合による業務統合、処理件数増にもスムーズに対応

日本国内では2010年10月、同社は日本郵船を親会社とするNYKロジスティックスジャパン株式会社様と事業統合。その後、同社と日本郵船は、世界37カ国の事業拠点での統合作業を順次進め、2012年4月、この作業に一応の目途がついた。

統合の大きな目的は、リーマンショック後の市況の中で安定成長する経営基盤を構築することにあったという。景気による影響を最低限に抑え、事業を効率的に伸ばしていくには、グループ全体の物流を統合するのが望ましいと判断。加藤氏は、その上で強化するべき点として「顧客のニーズに即応した組織を改編・編成でき、精度の高い事業管理手法」を挙げる。背景には、世界の物流業界における、航空・海上フォワーディングやロジスティクスから倉庫に至るまでを一気に手がけ、「ワンストップの窓口サービスによって、ドア・ツー・ドアで世界各地へと物を運んでほしい」との顧客ニーズに対応しようとの動きがあるという。

郵船ロジスティクス株式会社様の倉庫の写真
郵船ロジスティクス株式会社様の倉庫

国内の2社統合後、月間明細データが増えたが、業務システムフローが整備されていたこと、業務効率化と柔軟性が追及されていたことで、経理業務担当者の人数を増やすことなく難なく処理することができた。

世界トップ10の取扱量を目指して

さらに2012年11月には、「GLOVIA/SUMMIT」のバージョンアップを終えた。「今後、基幹システムのグレードアップでデータ量が増えること、海上、航空フォワーディングの取引が広がることで、倍、倍とデータ量が増えることを考え、月間明細データ数で十分な余裕を持つ新バージョンで対応しました」(白田氏)。また加藤氏は、近い将来を見据えてこう語る。「当面の当社グループの目標は海上貨物において20フィートコンテナ換算で100万本、航空貨物50万トンの販売数量です。達成すれば世界のトップ10にランキングされ、世界市場で戦える競争力を備えることになります。経済環境は決して良くないですが、お客様に満足いただくために惜しみないIT投資を継続していけば、不可能な数字ではないと確信しています」。

「GLOVIA/SUMMIT」による情報の早期開示実現から第一歩を踏み出した同社のシステム環境整備は、事業統合を経て、世界市場における競争力醸成のステージへと進展している。

担当SEメッセージ

株式会社富士通システムズ・イースト 業務ソリューション本部 会計事業部 会計ソリューション部 石丸智和の写真

株式会社富士通システムズ・イースト
業務ソリューション本部
会計事業部 会計ソリューション部
石丸智和

2007年の会計システム刷新プロジェクトからお付き合いをさせていただき、現在で5年目となります。
導入当時、無事本稼働をむかえ、さらにその後大きなトラブルなく安定稼働が維持できているのも、お客様のプロジェクトに対するご理解とご協力の賜物であると考えております。
また2012年2月から実施してまいりましたGLOVIA SUMMIT GMへのバージョンアッププロジェクトについても、2012年11月に無事本稼働を迎えることができました。
今後もお客様と綿密な情報共有をさせていただき、システムの安定稼働はもちろんのこと、運用改善や業務改善につながるシステム提案をおこなっていけるよう、継続してサポートさせていただきます。

【郵船ロジスティクス株式会社様 会社概要】
所在地 〒105-0011 東京都港区芝公園2-11-1 住友不動産芝公園タワー
代表者 代表取締役社長 倉本 博光 氏
設立 1955年2月
資本金 43億100万円
連結従業員数 16,110名(2012年9月30日現在)
事業内容 各国航空船舶会社の代理店業、貨物利用運送事業、通関業、倉庫業他。
ホームページ 郵船ロジスティクス株式会社様 ホームページOpen a new window

用語解説

(注1) フォワーディング

貨物利用運送事業。自社で運送手段を持たず、荷主から貨物を預かり複数の運送手段を利用し運送を引き受ける事業。

(注2) コントラクト・ロジスティクス

荷主とサード・パーティ物流業者が契約ベースでパートナーとなり、サプライチェーン全体の機能を一括して請け負うことにより、その全体最適化を実現するもの。

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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