ユーシーカード株式会社様
このページの情報は、2005年に掲載されたものです。
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クレジットカード大手のユーシーカード株式会社(以下UCカード)では、会計システムの再構築を実施した。旧システム環境のままでは、経費・経理業務処理の合理化プロジェクトを推進することが困難。また「会計データの戦略活用」を実現する上でも、新たな会計業務基盤が必要不可欠だったのである。この新会計システムに採用されたのが、富士通の会計統合ソリューション「GLOVIA/SUMMIT」だ。各部署での発生源入力や周辺システムの拡充を図ることで、業務の大幅なスピードアップを実現。また「GLOVIA/SUMMIT」に蓄積された明細データを、最適な企業経営を推進する材料として役立てている。
日本を代表するクレジットカード会社として、常に業界をリードし続けてきたUCカード。2004年末にはみずほフィナンシャルグループ・みずほ銀行・クレディセゾンとの包括的業務提携を締結、次世代に向けた新たなスタートを切った。
UCカード 執行役員 財務部長 柴田 繁基氏は「当社はプロセシング業務・加盟店業務に特化し、広範なカード会社から業務を受託できる体制を構築していきます。パートナー企業とのアライアンスを積極的に活かし、お互いの強みをより発揮できるようにして参りたい」と力強く語る。
同社では個人向け・法人向けの様々な決済サービスを提供しているが、その中には時代を先取りした画期的なサービスも少なくない。たとえばみずほ銀行の「みずほマイレージクラブ」会員を対象とした「みずほマイレージクラブカード」。キャッシュカードとクレジットカードの機能を一枚にまとめただけでなく、みずほ銀行の商品/サービスの優遇やUCギフトカードへの交換など、多彩な機能が備わっている。
また本社所在地であるお台場地区への地域貢献にも取り組んでおり、その一貫として「DAIBA Seaside-PASS」を発行している。このカードはクレジットカードと電子マネーの二つの機能を持つと同時に、お台場地区の各ショップでの割引や優待サービスなども受けることが可能。地域活性化の取り組みと金融サービスが融合した事例として注目を集めている。
また法人向けの分野でも、新たなサービスを次々と展開。最近はセキュリティ対策の観点から社員証の着用を義務づけている企業も多いが、同社ではキャッシュレス精算やネットワークアクセス管理、オフィス入退室管理などの機能を備えたカードを提供し、企業の業務効率化への取り組みをバックアップしている。
最近ではどの業界においても業務とITの一体化が進んでいるが、金融業は特にその傾向が顕著である。高度なIT環境を抜きにして、現代の金融ビジネスは成り立たないと言ってもいい。同社でも今後の厳しい競争を勝ち抜くべく、積極的なIT戦略を推進。2005年2月には、基幹システムに次ぐ大規模投資を行い「UC与信戦略実行システム」を構築した。
このシステムは、クレジットカードの入会から回収に至るすべての局面において、顧客のリスクを一貫して管理するものだ。これにより利益極大化・リスク極小化を図れ、収益拡大やローコストオペレーションの徹底を図る上で、強力な武器となることが期待されている。
同社のこうしたITへの取り組みは、その他の業務においても同様である。2000年には、旧会計システムの再構築プロジェクトをスタートさせた。柴田氏は「これからの経理部門には、経営判断のための材料を提供する『攻めの経理』への転換が求められます。しかし当時のシステムでは、こうしたニーズに応えることができませんでした」と振り返る。
もっとも長年にわたり使い続けてきたシステムと業務プロセスを、突然大幅に変更するのは困難だ。そこで同社では展開フェーズを2段階に分け、「社内経費処理および経理処理の合理化・堅確化」を第1次フェーズのテーマとして掲げた。
UCカード 財務部 シニアマネージャー 小関 英明氏は「実際の取り組みにおいては、第1次フェーズの中でもさらに2段階にステップを分けました。まず第1ステップでは、経費処理などの機能を持つ当社開発のパッケージ『経助くん』の全社展開と旧会計システムとの連携。また、旧会計システムに仕訳を投入するための新たな伝票形式(Excel仕訳)を作成しました」と説明する。
以前は手作業で紙帳票を処理する形で業務が行われていたため、業務の様々な部分に非効率な点があった。そこで、データ投入などの作業を自動化することで、こうした点を改めようとしたわけである。
経助くん、Excel仕訳の活用に続く第2ステップでは、業務を支える会計システム本体の再構築に着手。候補に挙がった製品は全部で4種類。いずれの製品も、多くの企業で導入実績を持つ有名な会計あるいはERPのパッケージである。
製品選定を行う上で大きなポイントとなったのは、同社のシステム要件をいかに満たせるかという点だ。小関氏は「クレジットカード会社の業務には、業界固有の複雑な処理が伴います。たとえば請求処理を行った後でお客様都合等によりご請求金額の訂正が発生する等、会員・加盟店と当社の間で双方向に入出金が発生し精算を行なうケースが頻繁にあり、会計データが変動します。製造業や流通業のシステムのように、会計データが一方向にスムーズに流れるわけではないのです」と説明する。
当然のことながら、こうした業界固有の処理はパッケージの標準機能ではカバーできない。そこでアドオン開発が柔軟に行える製品であることが求められたわけである。
[図]DAIBA Seaside-PASS
[図]ユーシーカード本社