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Fujitsu

Japan

ファッション専門店マーチャンダイジングシステムと、RFIDシステム、POSレジシステムの連携で、ローコストオペレーションを実現

— バックヤード業務の効率化と接客業務の質向上を最少人員で両立

ビーミング ライフストア by ビームス ららぽーとTOKYO-BAY店の写真

ビーミング ライフストア by ビームス
ららぽーとTOKYO-BAY店

株式会社ビームス様 導入事例


ファッション専門店では、消費者志向やトレンドの変化が激しいため、本部による商品コントロールが難しい。また各店舗では入出荷や棚卸しなどの業務に時間を取られ、本来力を入れるべき接客業務を圧迫している。株式会社ビームス様は、強力な自動化マーチャンダイジング(以下、MD)機能を備えた「GLOVIA smart(グロービア・スマート)専門店 Pastel Plus(パステルプラス)」(以下、「Pastel Plus」)をベースにRFID、POSシステムを連携させ店舗オペレーションの飛躍的効率アップを実現した。

[ 2013年6月7日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 小売業
ソリューション: RFID、POSシステム、基幹システム連携による商品管理
製品: FUJITSU 統合業務ソリューション GLOVIA smart 専門店 Pastel Plus
【課題と効果】
1 本部のMD業務基盤を強化したい。 新システム導入により、MD自動化機能、必要なデータを容易に取り出す機能を活用。問題点指標の洗い出しが自動化、売上げアップの分析力も向上した。
2 店舗における棚卸しなど商品管理業務を効率化したい。 10人で約20時間かかった商品点数6,000点規模の棚卸し作業を、RFIDを利用し3人で約2時間に短縮するなどバックヤード業務の負荷が劇的に軽減。
3 接客時間を増やすことで顧客満足度を向上させたい。 レジでの会計処理、バックヤード業務の効率化によりセール時にもレジ待ちさせない接客、ていねいなコーディネートが可能に。

事業概要と導入の背景

顧客満足度の向上とバックヤード業務の効率化を図る

1976年の創業以来、大人から子供まで幅広い年齢層を対象にしたカジュアル衣料販売分野を常にリードしている株式会社ビームス様。同社は2012年9月より、ファミリー3世代がセレクトショッピングを楽しめる新業態のショップ「ビーミング ライフストア」を新設し、国内5店舗、海外3店舗をオープンした。

同社はかねてから、お客様がより便利に、より気持ちよくショッピングできる環境づくり『happy life solution company』のコンセプトのもとにICT化を進めていたが、今回、新業態ショップ「ビーミング ライフストア」においてさらに強化。そのために、本部にファッション専門店に特化したMD自動化基幹システムを導入。店舗においてPOSシステムとRFIDシステムを導入、連携させることにした。狙いはレジ会計処理をスピードアップし、お客様をお待たせさせないようにすること。接客の時間を増やしてお客様の満足度を向上させること。そして棚卸しなどバックヤード業務の効率化を図るところにあった。

最少人員でローコストオペレーションを実現させたい

株式会社ビームス 上席執行役員 ロジスティクス本部兼情報システム本部 本部長 清水進治氏の写真

清水 進治
株式会社ビームス
上席執行役員 ロジスティクス本部兼情報システム本部 本部長

従来、レジ会計やバックヤード業務の効率化、接客時間を増やすためには人手を増やす以外に方法はなかったが、人件費が増大し競争力がそがれるため実現は難しかった。この課題を解決しローコストオペレーションを実現するカギとなったのがRFIDシステムの技術と、それを支えるMD自動化の基幹業務システムだった。同社上席執行役員でロジスティクス本部兼情報システム本部本部長の清水進治氏はこう語る。「RFIDタグを商品1点1点につけ、POSシステムと基幹システムと連携させれば、全ての課題をクリアでき、事業全体を効率的に運営できると分かっていましたが、RFIDタグの単価が数百円もした十数年前においては夢のような話でした。ところが、その単価が20分の1に下がりました。業界での導入例はまだ実証実験などに限られていますが、どこかが先んじなければ普及が進まないと考えました。そこで思い切って、新業態の『ビーミング ライフストア』においてMDの自動化とRFIDシステム導入によるローコストオペレーションの実現にチャレンジしたのです」。

システム選定時の検討課題

MD自動化、RFID・POSシステムをトータルでサポートできる富士通を選択

ICT技術の進歩により、RFIDタグの単価が次第に下がってくる状況を見ながら、同社はベンダーをサーチしていた。それは、POSシステム、RFIDシステム、そしてこれらと連携して機能するMD自動化の基幹システムそれぞれに精通し、トータルサポートを提供できるベンダーだったという。最終的に富士通を選定した理由を、清水氏はこう語る。「富士通グループには、POSシステム、RFIDシステムにおいて高い実績を持つ企業が揃っている点で、しっかりしたトータルサポートを期待できると判断しました。また基幹システムについては、『Pastel Plus』に着目しました。基幹システムは売上げを生むためのツールですから、要件としては、各部門が必要とするデータを迅速に容易に引っ張ってくる機能、その上で問題点指標の洗い出しを自動化する仕組みが求められました。『Pastel Plus』はこれら機能をしっかりと備えていたのです。その他、レジ周りにおけるハード機器の品質の高さにも満足し、迷うことなく富士通さんにシステムを構築していただくことにしたのです」。

システム導入効果と今後の展開

お客様と販売スタッフの距離が縮まった

株式会社ビームス 商品統轄本部モールブランド本部モールブランド業務支援部 係長 佐野明政氏の写真

佐野 明政
株式会社ビームス
商品統轄本部モールブランド本部モールブランド業務支援部 係長

システムは、富士通グループのトータルサポート力により2012年9月に本格稼働を開始。「準備期間は約10カ月と短かったのですが、ほとんどカスタマイズなしにスムーズに立ち上げることができました」(清水氏)。そして稼働開始後、導入効果は顕著に表れたという。同社商品統轄本部モールブランド本部モールブランド業務支援部係長の佐野明政氏は、バックヤード業務の効率化について、こう語る。「商品点数が6,000点の店舗の場合、従来は店舗スタッフ10人で約20時間かけて棚卸しを行っていました。まさに月に1度の一大イベントです。それがRFIDリーダ・ライタシステムを導入した『ビーミング ライフストア』では、3人で2時間あれば終了します」。

株式会社ビームス 販売本部 ビーミングライフストア by ビームス ららぽーとTOKYO-BAY店 ショップマネージャー 落合貴史氏の写真

落合 貴史
株式会社ビームス
販売本部 ビーミングライフストア by ビームス ららぽーとTOKYO-BAY店 ショップマネージャー

またレジ会計業務も大幅にスピードアップし、レジ待ちのお客様の列は解消した。同社販売本部ビーミングライフストアbyビームスららぽーとTOKYO-BAY店のショップマネージャー 落合貴史氏はこう説明する。「会計時、レジカウンターに商品を置いただけでRFIDタグのデータが瞬時に読み取られ、会計が終了します。セールの時などレジ前にお客様を並ばせてしまうことがしばしばでしたが、今ではセール時でもほとんどお待たせしません」。

さらに佐野氏は、新システムによるローコストオペレーションで得られた余裕を、顧客対応に振り向けられるようになったことを高く評価する。「この業界では、ほとんどのショップにおいて解決すべきギャップがあるのです。店頭で商品を取ったお客様がコーディネートしてほしいと思ってあたりを見回すと、販売スタッフはだいたい会計中か、他のお客様のコーディネート中です。販売スタッフもバックヤード業務に追われて、コーディネートなどの接客で実力を発揮したいができないでいる、というギャップです。『ビーミング ライフストア』では、このお客様と販売スタッフとのギャップがぐっと縮まりました」。

3、4年後には全業態で展開したい

新システムの稼働スタートから6カ月、清水氏は今後の展開についてこう語る。「運用スタート後からこれまでは、パッケージが備える基本機能で問題なく運用できています。今後は『ビーミング ライフストア』という新しい業態の進化に合わせて『Pastel Plus』にカスタマイズ、アドオンを加え、より効率的で精度の高い基幹システムとして運用してまいります」。現場からは「Pastel Plus」とRFIDシステムを連携させた応用アイデアなどが提案されているという。例えば、試着室にRFIDリーダ・ライタを設置し、試着され購入された商品、試着されたが購入されなかった商品、あるいは試着も購入もされなかった商品などを分析。売れない原因や修正すべき点の研究などに活かせるのでは。あるいは試着室のRFIDタグの情報から専門のコーディネーターが試着室内のお客様のアドバイスにうかがう、といったアイデアなど。「これらの取り組みの結果を見ながら導入効果を検証し、3年後、あるいは4年後を目標に全業態でのRFIDシステムの活用を考えています」(清水氏)。

富士通はこれからも、ビームス様の新業態の展開を始めとする先進的な取り組みを、最新のICTによって継続的にサポートしていく。

【株式会社ビームス様 会社概要】
所在地 〒169-0074 東京都新宿区北新宿4-16-12 新光ビル
代表者 代表取締役社長 設楽 洋 氏
設立 1982年5月(創業1976年2月)
資本金 2,000万円(2012年9月現在)
従業員数 1,100名(2012年9月現在)
事業内容 男子服小売(製造小売でないもの)、婦人・子供服小売。
ホームページ 株式会社ビームス様 ホームページOpen a new window

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