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Fujitsu

Japan

生産管理システムとタブレットを連携。受注から製造、作業実績までデータのリアルタイム把握を実現

完成した自動車用部品の写真
完成した自動車用部品

株式会社アルファメタル様 導入事例

アルファメタル様は、鋼管加工に特化した部品メーカー。日本の鋼管メーカー各社との幅広いネットワークや高精度な加工技術を持つ。主に自動車メーカーの部品サプライヤーとして、きわめて高い精度が求められる燃料パイプや衝突安全性を確保するためのドアビームなど、顧客の要求に対応した高品質な鋼管部品を生産している。近年はメガソーラー関連部品製造などの多角化や、メキシコ工場設立といった海外進出も展開。こうした積極的な経営戦略の一端として、「FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart PRONES」(以下、「GLOVIA smart PRONES」)の導入を決定した。

[ 2015年3月17日掲載 ]

【導入事例概要】
業種 製造業
ソリューション 生産管理
製品 FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart PRONES
【課題と効果】
1 製造の作業実績など、経営判断に必要なデータをリアルタイムに把握したい。 情報入手にタイムラグのあった既存システムを「GLOVIA smart PRONES」にリプレイス。作業実績など、経営判断に必要な情報をリアルタイムで参照可能に。
2 作業実績収集を手作業で対応していたため、効率化や正確性確保の障害となっていた。 「GLOVIA smart PRONES」とタブレットによる実績収集のシステムにより手入力を約70%削減(見込み)。データの正確性も確保。
3 Excelによる属人的な作業が重要な工程で発生していた。 「GLOVIA smart PRONES」の豊富な機能により、業務にジャストフィット。大きなカスタマイズもなく従来業務を自動化。

導入の背景

より正確、早く、タイムリーに情報活用できる基盤づくり

株式会社アルファメタル 代表取締役社長 高橋和勇氏の写真
高橋 和勇
株式会社アルファメタル
代表取締役社長

同社が主な事業領域としている自動車製造は、高品質と低コストが求められる代表的な業界だ。しかも、台数が見込める主力車種の生産は海外にシフトしているため、国内生産分はどうしても小ロット、多品種になる。さらに同社が生産している鋼管部品は、設計の高度化などもあり、より高精度で複雑な加工が求められている。命題である高品質・低コストをクリアするためのハードルはますます高くなっている。

また自動車製造では、内示、確定、納入指示といった独特な受発注の慣習があり、日々、それに合わせた生産計画の策定作業が必要となる。つまり、変化する顧客の注文に即応できるよう、生産に必要となる構成材やその在庫などの情報をつねに把握しておく必要がある。そのためには、自動車製造に最適な情報基盤が不可欠だ。こうした状況を、経営者の立場から同社代表取締役社長の高橋和勇氏は次のように語る。「品質はもちろん、仕様や納期などお客様からの様々なご要望に、つねにタイムリーにレスポンスよくお応えできること。それが私たちのような企業にとって最大の強みだと思っています。その判断のためには、社内の必要な情報を正確に、早く、タイムリーに抽出できる体制が必要です。しかし、従来の生産管理システムでは月次処理などの問題があり、実現できていませんでした。まずこの点を改善しなければと思っていました」。(高橋氏)。

導入の経緯

生産計画の立案から作業実績の収集までの自動化を目指す

株式会社アルファメタル 営業部 生産管理課 課長 花井義典氏の写真
花井 義典
株式会社アルファメタル
営業部 生産管理課 課長

同社で問題になったのが、作業実績の収集と入力だ。どの部品をいくつ製造したか、その中で仕損がいくつ発生し、原因はどこにあったかなどの情報を現場で作業者が日報に書き、後日それを別の作業者が手入力する方法となっていた。そのため日々稼働している工程とはタイムラグが生じ、製品に紐付く構成材の在庫が把握しにくく誤差が生じていた。さらに手入力ではミスが避けられず、正確なデータ収集の障害となっていた。この点について、同社の営業部生産管理課課長であり、今回のシステム構築のプロジェクトリーダーを務めた花井義典氏は次のように語る。

「作業実績がリアルタイムに把握できないということは、生産が計画どおりに行われているか、品質基準を満たしているかといったことが見えにくい状況だということです。また、生産ラインの作業者やデータ入力の作業者に負担がかかっており、その状況も解消したいと思っていました」。

株式会社アルファメタル 営業部 生産管理課 計画班 主任 水口孝一氏の写真
水口 孝一
株式会社アルファメタル
営業部 生産管理課 計画班 主任

また従来の生産管理システムでは、月次処理の仕様が問題とされていた。そのため補助的な作業が多数発生し、しかもそれが月末から月初に集中していた。顧客から内示される発注数、その後確定される数、それに紐付き必要となる構成材の割り出しや在庫の確認、仕入先への発注、生産現場への指示など、各担当者が必要なデータを生産管理システムから抽出、さらにExcelにより集計・加工し、生産後にデータを生産管理システムに戻していた。

こうした作業について同社の営業部生産管理課計画班主任であり、今回のプロジェクトでベンダーとの窓口役となった水口孝一氏は次のように語る。「Excelを使った作業はどうしても属人化しがちです。データを引用したり、複雑な関数を使うほどに作成した本人しか分からなくなり、作業の引き継ぎなどが非常に困難になります。効率化とは実に相反するアプリケーションだと思うのです。私はかねてからExcel依存をなくし、生産管理システム全体のデータの流れを自動化したいと考えていました。また、それによりデータ全体の正確性も確保できます」。

タブレットによる作業実績入力を生産管理に活用

同社が新たなシステム構築の検討を開始したのが2012年後半。2013年からは、最大で5社のベンダーが参加し、課題のヒアリングや協議、それに基づきシステム提案などを繰り返すうちに、次期システムの全体像がしだいに固まっていった。

課題のひとつである作業実績の収集には、タブレット利用によるシステムが浮かび上がった。タブレットであれば、コストは他の端末の10分の1に抑えられる。この時点で選択肢はタブレットに絞られた。また、年配の作業者の操作性を考慮すると、大きな画面でタッチ入力できるタブレットにメリットがあった。「結果的に、どのベンダーからもタブレットをベースとしたご提案をいただきました。そして、そのデータを吸い上げ処理する生産管理システムとの組み合わせを含め、ベンダーとの話し合いや社内での検討を重ねました」(花井氏)。

選定のポイント

使う立場になった提案と総合力で、「GLOVIA smart PRONES」を採用

富士通がベンダーとして選定されたのが2014年5月。その理由を花井氏は次のように語る。「担当者に何度も来ていただき、我々の課題をこと細かくヒアリングしてもらいました。『必ず課題を解決する』、そんな熱意さえ感じました。そして、関連する部署のスタッフやパートナー企業を総動員して検討していただき、我々が期待する以上の提案になっていました。そのような富士通が持つ総合力を評価しました」。

管端成形機による鋼管の成形工程の写真
管端成形機による鋼管の成形工程

また、「GLOVIA smart PRONES」を採用した大きな理由のひとつとして、水口氏はタブレット実績収集システムの画面カスタマイズ機能を挙げる。「使用していくうちに『もっとこうした情報も入力したい』といった要求がきっと出てきます。そんな状況を見越して富士通から提案いただいた機能です。改修のコストを気にせず、自分たちが使いやすいようにどんどんカスタマイズできます。ユーザーの立場になったありがたいご提案だと思いました。今後、きっと役に立つ機能だと思っています。加えて、タブレットの台数を増やす際にも、専用アプリのインストールが必要なく、本体を購入するだけで使える手軽さも魅力でした」。

さらに、上流となる生産管理システム「GLOVIA smart PRONES 自動車テンプレート」について花井氏は次のように評価する。「内示、確定の表示がカレンダーで表示されるなど、画面の見やすさ、使いやすさにおいて高く評価されました。また標準で実装されている機能が豊富で、我々がやりたいと思ったことがほぼ網羅されていました。ですから、大きなカスタマイズなく理想的なシステムが構築できると判断しました。自動車業界に最適化したパッケージだけのことはあります」。

GLOVIA smart PRONES 自動車テンプレートの業務フロー図

期待されている導入効果

経営判断に必要な情報が、日々リアルタイムで参照可能に

新システムの構築は2014年6月にスタートし、2015年4月の本稼働に向け作業が進められている(取材時点)。構築にあたっては、富士通から提示されたシステム投資効果を計るデータも重要だったという。「社長をはじめ経営層の了解を得つつ、スムーズに導入するために、そのデータも役立ちました」(花井氏)。

新システムに対し、水口氏は次のように期待を寄せる。「経営層が必要とするデータを、これからは月の途中でもすぐに抽出して、予算の消化状況や目標達成に向けた詳細な情報を日々参照できるようになります。これまでは月次データをExcelで加工したものでしたので情報の鮮度が違います。迅速で適切な経営の舵取りに役立つはずです」。

高橋社長はその期待を次のように語る。「例えば、仕損データにアラートが出たとき、他のデータも参照してすぐにその原因究明ができるようになります。担当作業者によるものなのか、特定の製品にだけ発生しているのか、あるいは素材を変更した時点からなのか。作業者が原因だとしたら現場で指導すればよいわけですし、もし素材が原因だとしたら私たち経営層が仕入先と素材変更を交渉するなど根本的な対応が必要となります。そういった判断や対応も、今回の構築により機敏に行えるようになります」。

手入力作業を7割削減、人員の最適配置も促進

作業実績の入力で使用するタブレットは6工程ある加工部門のすべてに各10台前後を配備、予備も含めて合計で65台を導入予定だ。各生産ラインの柱や壁に設置され、作業用の手袋を装着している作業者を考慮して、入力はタッチペンを利用する。入力ボタンなどは、富士通と何度も協議を繰り返して極力大きく見やすくデザインされた。押し間違えなども少なく、誰でも簡単に正確に入力できる。

タブレットは作業者1人にほぼ1台、配備される。作業者ごとにその日の作業内容を表示、作業の進捗に合わせて「開始」「中断」「終了」のボタンを押すだけで入力完了。仕損が出た場合には、その数量を入力するほか、仕損内容の項目を選択するだけで入力できる。同時に、製造に要した時間も計測。これにより日報作成など、これまで製造ラインにかかっていた作業者の負荷を大幅に削減でき、本来の作業に集中できる体制が整えられる。

また作業実績データはWebシステムにより「GLOVIA smart PRONES」へ直接送信されるので、この部分の自動化も実現される。これにより、作業実績から所要量計算まで、タブレットなどによるスマートな入力スタイルが確立されることとなる。これまで発生していた手入力の作業は、水口氏の試算によればその7割が削減される見込み。加えて、手入力の排除によりデータの正確性も担保されることとなる。

また、月末から月初にかけて集中していた所要量計算などの作業も、日次処理が可能な「GLOVIA smart PRONES」により大幅に平準化される。「これにより、各部門の人員配置もさらに最適化を進めることができそうです。新システム稼働に合わせて、現在策定しているところです」(花井氏)。

タブレットの画面例

ゆくゆくは、モノづくりに対する提案も期待

「今になってみれば、以前のシステムは我々がやりたかったことの3分の1も実現できていなかったと感じています。これからは、我々の目標を100%実現したい。もちろん、私たちもそれに向けて努力しますが、富士通にも構築だけでなくサポートもお願いしたいと思っています」と高橋社長。さらに続けて、「こうしたシステム構築だけではなく、我々のモノづくりのハードな部分でアドバイスやご提案をいただきたいと思っています。それができるだけの総合力やノウハウ、アイデアが富士通にはあることを期待しています」と、さらなる前進に向けて余念がない。

担当営業メッセージ

株式会社富士通マーケティング 西日本営業本部 九州支社 北九州支店 北島 準の写真

株式会社富士通マーケティング
西日本営業本部 九州支社 北九州支店
北島 準

今回、生産管理システム及び実績収集システム(タブレット)をコラボレーションしたソリューションをご採用頂いたことは、製造現場に変革を起こす最初の一歩だと考えています。事務効率・データのリアルタイム性等々の大幅な向上が実現できます。
今後、アルファメタル様の成功事例(生産管理+実績収集タブレット)をモデルケースに全国の製造現場に変革を広げて(ご紹介)いきたいと思います。

【株式会社アルファメタル 会社概要】
所在地 〒822-0144 福岡県宮若市稲光850番地
代表者 代表取締役社長 高橋 和勇 氏
設立 2002年
資本金 3億円
従業員数 144名(2012年4月1日現在)
事業内容 鋼管を中心とした金属加工、各種部品製造
ホームページ 株式会社アルファメタル様 ホームページOpen a new window

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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