Skip to main content

Fujitsu

Japan

グローバル競争に伴う取引形態の多様化・流動化に 即応する柔軟な基幹システム環境を構築

プロセス産業における複雑なサプライチェーン機能を装備し、精緻な原価管理を実現し、更に、必要に応じて基幹システムを組み合わせできる柔軟性を備えた「GLOVIA/Process C1」を導入。国際市場における競争力を強化し、経営方針に合ったシステム環境の再構築を実現。

株式会社ADEKA様 外観写真

株式会社ADEKA様 導入事例


外部環境が変化を続ける中、高機能製品へのシフトによって多様化を進め、国際競争力を追求するメーカーは少なくない。そこで求められるのは実際原価管理による営業利益の把握。しかも製品・海外拠点ごとに分析し、的確な経営判断に活かすことが必要となる。世界市場で競争力のある製品群を、グローバル展開で製造する株式会社ADEKA(旧旭電化工業。2006年に現社名に変更)は、レガシーシステムの再構築に踏み切り、必要に応じて各基幹システムを増改築するように組み合わせられる柔軟なパッケージシステム「GLOVIA/Process C1」を選択・導入。迅速で的確な経営判断に求められるデータの見える化と業務効率向上を実現した。

[ 2012年1月10日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 製造業(化学品、食品)
ハードウェア: アプリケーションサーバ(PRIMERGY×11台)
データベースサーバ(PRIMEQUEST×1台)
ソフトウェア: GLOVIA/Process C1

事業環境の変化に対応できる経営基盤を強化するため、ADEKAは「GLOVIA/Process C1」の原価機能をツールに、営業利益の見える化に取り組んだ

「『GLOVIA/Process C1』はデータベース構造が公開されているので、他の業務システムとのインターフェースを取りやすく、例えるなら家を増改築していくようにシステムを拡張できます。当社のように必要に応じていろいろなシステムを組み合わせていきたいという事情に柔軟に応えてくれるのです。また原価機能についても「主原料の価格が変動しやすい当社にとっては、実際原価管理に優れた原価計算機能を備えた『GLOVIA/Process C1』を選択する事が、他のパッケージ導入と比較した中でベストでした」

【課題と効果】
1 稼働後10年を経過した既存システム。基本ソフトウェアの保守サポート切れで、業務停止のリスクを抱えるレガシーシステムを再構築し、基幹業務システムを安定化させたい 新システムにより、購買、生産、販売物流、会計の基幹システムの各データが一元管理。タイムリーなデータ照会が可能になった
2 製品が少量多品種化しているにもかかわらず営業利益の把握は決算後。よりきめ細かい経営判断のデータを得たい 新システムの原価計算機能により、月次の営業利益が把握可能となった。経営判断に求められる情報の精度が高まった
3 4500種類に膨らみ、利用に多大な手間と時間を費やしていた帳票類を圧縮し、業務の効率化を図りたい
  • 帳票類を10分の1以下、250種類に圧縮しプリントアウトに要していた時間を削減。DWH(データウェアハウス)の機能により素早く閲覧できるようになった
  • 品質管理等の専用パッケージと連動を図り、法制度対応やコンプライアンス強化に繋がった

icon-form 本事例に関するお問い合わせ

導入背景と経緯

レガシーシステムを刷新し迅速な経営判断を支えるシステム再構築へ

株式会社ADEKAは1917年に創業し、ソーダ製品と油脂を2本柱に日本の化学工業黎明期に成長。その後、化学品と食品分野で多彩な発展を遂げてきた。現在、「樹脂添加剤」と低トランス脂肪酸対応のマーガリン等の「食品事業」をコア事業とし、「情報・電子化学事業」を成長事業と位置付け事業拡大を図っている。さらに既存分野に加え、今後の成長分野として期待される「エネルギー」「環境」「ライフサイエンス」をターゲット分野とし、世界市場で競争力のある製品の供給に努めている。

株式会社ADEKA 一色 秀俊 氏の写真
一色 秀俊
株式会社ADEKA 情報システム部
企画・開発グループ
グループリーダー

同社の基幹業務システムは、メインフレーム構成によるレガシーシステムゆえに、技術者要員の維持、運用コスト増大の問題、そして基本ソフトウェアの保守サポート切れに起因する業務停止リスクという深刻な問題を抱えていた。また、事業経営環境の変化に伴い、国際基準による業務処理や内部統制、化学物質規制等の対応、さらには厳しさを増す市場競争環境に対応した各種分析機能が求められていた。同社情報システム部企画・開発グループ グループリーダーの一色秀俊氏はこう述べる。「従来、トン単位で製造販売していたものが、少量高価値品のファインケミカル製品へとシフトしています。
そのため決算後に把握していた営業利益を月次で管理、また実際原価で把握し、経営判断をスピーディーに下すための新しいシステムが必要となってきたのです」。こうした状況を背景に、同社は2006年、稼働後10年以上が経過していたレガシーシステムの再構築(ATOMS(アトムス):ADEKA TOTAL Management System)に踏み切った。

導入のポイント

他システムとのスムーズな連携性を高く評価

システムの再構築に際し、2つの大きな検討課題が明確になった。第1は、システムを自社開発するか、あるいはパッケージを導入するか。第2は、導入方法として、ビッグバン方式か段階方式かの、どちらを選ぶかだった。

課題の検討にあたっては、まず同社の経営方針に合ったシステムをグランドデザインし、各候補システムについてどのようなフィットアンドギャップが求められるかの整理がなされた。また、初のシステム再構築だったため、並行して、候補となったシステムを導入している化学品・食品メーカー数社へのヒアリングが行われた。そのポイントは、導入・保守費用、原価対応、アドオン時の柔軟性などに置かれた。

2006年12月に始まったグランドデザインは4ヵ月にわたり、その後、要件定義などを経て2007年12月、最終的に富士通の「GLOVIA/Process C1」導入が決定した。一色氏はパッケージシステムを選んだ理由についてこう述べる。「自社開発の場合、最新ICTに通じた技術要員の育成からスタートする必要があるので、相応の費用と時間を要します。その点、すでに稼働実績のあるパッケージは開発期間も短縮でき、信頼性も確保されると判断したのです」。さらに一色氏は、次の理由から、スムーズな段階的導入が実現できると確信したという。「大手企業の基幹システムとして実績と信頼のあるERPを、ビッグバン的に導入する選択もありましたが、ヒアリング結果も考慮してリスクを分散できる段階的導入にすべきと考えました。また『GLOVIA/Process C1』はデータベース構造が公開されているので、他の業務システムとのインターフェースを取りやすく、例えるなら家を増改築していくようにシステムを拡張できます。当社のように必要に応じていろいろなシステムを組み合わせていきたいという事情に柔軟に応えてくれるのです」。また原価機能についても「主要原料の価格が変動しやすい当社にとっては、実際原価管理に優れた原価計算機能を備えた『GLOVIA/Process C1』を選択する事が、他のパッケージ導入と比較した中でベストでした」と高く評価している。

システムの概要

グローバル競争力を念頭に置いた基幹システムの強化ポイント

基幹システム再構築では、主に次の機能実現にポイントが置かれた。

  • 安定した基幹業務の確保
    システム再構築と同時にマスタ類も整備。今後さらなる事業展開が発生した場合や、新法令への対応が必要となる状況にも柔軟に対応できる基盤を構築。
  • 内部統制対応
    標準機能により金融商品取引法に対応。
  • 各種業務改革の推進
    購買・生産・販売物流・原価の統合によりタイムリーにデータを照会。
  • 決算早期化
    決算開示時期早期化(目標30日ルール)要請への対応。
  • 月次実際原価計画制度導入
    実際原価把握の管理レベル高度化。月次で赤字品を把握。
  • 帳票の削減
    DWHを活用しレポート作成時間を短縮。
  • グローバル・セグメント別損益の把握
    グループ会社別・セグメントごとの損益把握。
  • CSRブランドの向上および法制度対応
    化学品データベースを連結し、出荷段階で法規制に適合しているかチェック。

株式会社ADEKA様 システム概要図

導入の効果と今後の展開

帳票を10分の1以下に圧縮、月次決算3営業日も視野に

2010年4月までに全てのシステムが本稼働し、レガシーシステムからオープンシステムへ更新され、懸案だった業務停止のリスクは回避。また決算後でなければ把握できなかった営業利益は、実際原価管理機能により可視化、月次で把握され、経営判断に活かされるようになった。「例えば、海外事業、国内事業の各売上げを月次で把握し、売上げ低下などがあった場合、その要因は何かなどのセグメント管理が可能になりました」(一色氏)。さらに、従来4500種類あった帳票類が250種類に圧縮されるなど劇的な導入効果も得られた。一色氏は「システム再構築以前は、必要な帳票を打ち出すために昼夜兼行で大型プリンタを回していましたが、そのための時間と費用を削減できました。また新システムではDWHを利用し、求めるデータを素早く閲覧し、必要に応じ直接データを取り出して、管理資料のスピーディーな作成が可能になりました。以前はシステム上で1帳票を加えるために数十万円のコストがかかっていましたから、大幅なコスト削減になっています」と語る。

同社は今後の展開として以下のようなことを考えている。従来のシステムでは、月次決算が8日目であったが、新システムにより締めから4日で算出できるようになり、更に、月次決算を3日に短縮し、セグメント管理のグローバル展開などを目標に掲げている。「例えば外部環境の変化で、海外の各拠点、国内拠点の各在庫や原価情報を統合的に素早く把握する機能も必要になっていますが、『増改築型』のシステム拡張に柔軟に対応する『GLOVIA/Process C1』であれば柔軟に対応してくれると期待しています」(一色氏)。

富士通はこれからも、成長飛躍する化学品メーカーのためにシステムを進化させていく。

【株式会社ADEKA(アデカ)様 会社概要】
本社 〒116-8554 東京都荒川区東尾久7-2-35
資本金 228億円 (2011年3月末現在)
従業員数 2,853名 (2011年3月末現在。連結)
代表取締役社長 櫻井 邦彦 氏
設立年月 1917年(大正6年)1月
売上高 1,781億円(連結)
事業概要 情報・電子化学品、機能化学品、基礎化学品、食品の製造
ホームページ 株式会社ADEKA様 ホームページ 新規ウィンドウが開きます
株式会社ADEKA様のロゴ

パートナーメッセージ

富士通株式会社 産業ビジネス本部 化学産業統括営業部 化学産業第二営業部 志摩 樹美の写真

営業
富士通株式会社
産業ビジネス本部
化学産業統括営業部
化学産業第二営業部
志摩 樹美

株式会社富士通システムソリューションズ 産業ソリューション本部 化学産業ソリューション部 プロジェクト課長 上村 敬介の写真

SE
株式会社富士通システムソリューションズ
産業ソリューション本部
化学産業ソリューション部
プロジェクト課長
上村 敬介

ADEKA様の重要プロジェクトである基幹システム再構築においてGLOVIA/ProcessC1(以下C1)をご採用頂きありがとうございます。
ADEKA様では、C1により、グローバル競争に伴う取引形態の多様化、流動化に即応できる柔軟な基幹システム環境を構築されました。
長期に渡るプロジェクトであり、途中、難しい局面もいくつかありましたが、お客様の本プロジェクトに賭ける熱意に引っ張って頂き、無事本稼動を迎えることができましたことは、感無量であります。
今後もお客様とともにセグメント管理のグローバル化などシステムの更なる拡充を目指し、全力でご支援させていただきます。

【ご紹介した製品】

【導入事例(PDF版)】

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

GLOVIA Process C1のお問い合わせ & 資料ご請求

Webでのお問い合わせ

入力フォーム

当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ

0120-933-200 富士通コンタクトライン(総合窓口)

受付時間 9時~17時30分
(土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)