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東京国際フォーラムでは、長年にわたって省エネに取り組んできた。しかし、既存のシステムではエネルギー消費量を柔軟に見ることが難しく、問題点の把握がしづらかった。そこで2016年、富士通の「エネルギー管理システム:Energy Management System(以下、EMS)」を導入し、エネルギー需給の見える化を実現。従来把握できなかった異常値などに気づけるようになり、一層の省エネへの足掛かりをつかむことができた。施設を利用する顧客に対して迅速かつ正確にエネルギー利用の報告が可能になるなど、環境経営への取り組み強化につながっている。
[ 2017年12月25日掲載 ]
業種: | 公的総合文化施設 |
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導入サービス: | 施設総合管理システム
BEMS(ビル・エネルギーマネジメント・システム) |
1 | 経営の最重要課題のひとつである省エネを推進したい | エネルギー消費量が容易に把握でき、改善ポイントが見える化 | |
2 | 顧客からのエネルギー消費量のレポート要求に迅速にこたえたい | 詳細かつ最新のエネルギー消費量レポートを即時作成・出力可能 | |
3 | 選ばれる施設となるため、省エネ推進を対外的にアピールしたい | CO2削減量や再生可能エネルギー利用状況をリアルタイムに公開 |
東京国際フォーラムは、環境問題への取り組みを経営の最重要課題のひとつと位置づけ、太陽光発電や太陽熱を利用した温水供給、排水の再利用などさまざまな取り組みを行っている。2009年から10年をかけて実施している大規模改修工事でも省エネへの取り組みを実施。株式会社東京国際フォーラム 施設部 情報管理担当課長 村上秀男氏は、「照明をLEDへと交換したり、最新の省エネ対応空調を導入するなど、省エネに取り組んでいます」と説明する。
同社では以前から富士通の「FUJITSU Security Solution施設総合管理システムFuturic」を導入し、エネルギー消費量を収集していた。しかし、その結果を柔軟に見ることは難しかった。一方で、環境への配慮が社会的に高まるにつれ、イベントの主催者からイベント期間中のエネルギー消費量に関するレポートを求められることが増えていた。しかし、東京国際フォーラムの会場構成は多岐にわたり、イベントによっては複数のホールと会議室を組み合わせて利用することも多く、レポートにまとめる作業は非常に手間がかかる。このような要求に応えるためには、管理運営情報システム(FRIMS)に蓄積されたイベントごとの施設利用情報を確認しながら、施設総合管理システムに蓄積された時系列の各種エネルギー消費量などを抽出し、Excelを使ってレポートにまとめ上げる必要があった。株式会社東京国際フォーラム 施設部 施設課 係長(電気・通信設備担当) 川辺貴之氏は、「お客様の要望はいろいろなので一概には言えませんが、以前あるレポートを作成した際には、2日間の徹夜をして仕上げたこともあります」と当時の苦労を語る。
村上 秀男氏
株式会社東京国際フォーラム
施設部
情報管理担当課長
2020年に向けて、東京での大がかりなイベントは増加傾向にある。多くのイベント会場が競う東京において、顧客に選ばれるためには、設備やサービスの向上に加え、環境面でもアピールをしていく必要がある。これらの課題を勘案し、同社はエネルギー管理システムの導入を決定した。
東京国際フォーラムでは、エネルギー管理システムを選定するため、コンペを実施。10社弱のエントリー企業の中から2段階の審査を経て、富士通の「エネルギー管理システム(EMS)」が選定された。
川辺 貴之氏
株式会社東京国際フォーラム
施設部 施設課
係長(電気・通信設備担当)
その選定理由について川辺氏は、「ある会社の提案は、非常に専門的で優れた面もありましたが、現場担当者には操作が難しすぎると感じました。その点富士通のEMSは操作性に優れており、将来的に営業担当者などへの利用拡大も考えると、より現場に即していると考えました」と語る。また、村上氏も「プレゼン自体も、富士通は非常にわかりやすかったですね。もちろん、コスト面も評価しました」と語っている。
また、EMSは、収集した数値情報を活用してどのように運用を改善していくかが重要なシステムである。そこで、EMS導入後も有効な活用法を検討・共有する定例会を開催し、EMSの改善を継続することを富士通が提案したこともポイントとなった。EMSの画面開発に当たっては、富士通のデザイン部隊もチームに参画。収集したデータをよりわかりやすく視覚化することに特に注力して開発を進めた。
EMSは、2016年4月に稼働を開始。運用しながら定例会を実施し、よりよいシステムとなるよう改善を続けている。川辺氏は、「定例会には富士通グループのエネルギー管理士にも参加してもらっています。我々が気づかないような視点でさまざまな指摘をしてもらえるので、助かっています」と評価している。
現在東京国際フォーラムには、約16,000のデータ収集ポイントがある。これらのポイントから吸い上げたデータは施設総合管理システムに収集される。一方催事データは管理運営情報システムで管理されているので、この2つのデータベースから必要なデータをEMSが抽出し、エネルギーの消費状況を分析し、グラフ化する仕組みとなっている。
その効果について運用を担当する株式会社太平エンジニアリングメンテナンス本部 東京国際フォーラム建物管理 BA・BMS・通信設備主任リスク管理責任者 髙田真臣氏は、「従来も利用状況を見ることはできましたが、数値でしか表示されないため、異常を見つけるのは困難でした。しかし、EMSの導入によって数値の変化が視覚的にわかるようになったので、すぐに異常値に気づくことができます。実際、日射量があるのに太陽光システムの発電量が落ちていることがわかり、メーカーと協議して解決策を探るといった取り組みが可能になりました」と語っている。
また、必要なレポートを即時作成できるようになったため、必要なデータを手作業で収集し、Excelでまとめなおす作業が不要に。太陽光発電量などを館内のディスプレイやWebサイトで、リアルタイムに表示できるようになり、環境への取り組みもアピールできるようになった。
髙田 真臣氏
株式会社太平エンジニアリング
メンテナンス本部
東京国際フォーラム建物管理
BA・BMS・通信設備主任
リスク管理責任者
既にさまざまな導入効果が出ている東京国際フォーラムのEMSだが、今後期待されるのが、営業部門での活用と経営層への情報提供である。イベント主催者からエネルギー消費量について問い合わせがあった場合、営業担当者が直接EMSを利用してレポートを提出できれば、さらなる顧客サービス向上につながる。経営層に対しても、エネルギー使用料に関する環境経営に有用な情報を提供したいと考えているという。川辺氏は、「現在はまだデータ収集ポイントが十分でなく、厳密なコスト計算が難しいので、将来的な計画として考えています。引き続き改善を加え、活用の幅を広げていきたい」と語っている。また、データの収集ポイントも、改修工事に合わせて順次拡充していく予定だ。
最後に村上氏は、「運用を続ける中で、省エネの改善点がいろいろと見えてきました。EMSのデータを有効に活用し、さらなる省エネにつなげていきたいですね」と抱負を語った。
設立 | 2003年4月 |
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代表者 | 代表取締役社長 上條清文 |
従業員数 | 59名(2017年6月28日現在) |
概要 | 2017年開館20周年を迎えた東京国際フォーラムは、大小8つのホール、34の会議室などからなる総合的な文化情報発信拠点で、年間を通して多くのイベントやコンサートが開催されている。東京の中心地丸の内から、東京と日本の魅力を、世界に向けて発信する感動創造企業として、多くのイベントを誘致・開催してきた。ガラス張りの建物が印象的なガラス棟は、フランスの有名な旅行ガイドで「わざわざ旅行する価値がある」という三つ星に認定されており、世界中が注目する観光スポットでもある。 |
ホームページ | 株式会社東京国際フォーラム様 ホームページ |
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