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Fujitsu

Japan

環境配慮型 大規模複合ビルの建設・運用におけるCO2削減を「四位一体」の協業体制で実現

ロゴ:TOKYO TATEMONO

写真:東京建物株式会社様社屋

東京建物株式会社 様 導入事例


総合不動産会社の東京建物株式会社が、プロジェクトマネジメント及び事業者の一社として関わり、2013年3月に竣工した「東京スクエアガーデン」。事業者・建設者・管理者・入居者が「四位一体」となって、CO2削減を推進する環境配慮型の大規模複合ビルだ。富士通は、東京スクエアガーデンに中央監視システム、BEMS、テナントサービスシステムを提供するにあたり、事業者や建設者、管理者と協業して、利用者目線でのサービスシステム構築に大きく貢献。管理者や入居者が使いやすく、CO2削減に向け、PDCAを回しやすいシステム構築を実現した。

[ 2016年10月7日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 不動産業
導入サービス: 施設総合管理システム
BEMS(ビル・エネルギーマネジメント・システム)
テナントサービスシステム(TSS)
【課題と効果】
1 環境配慮を目指し、大型テナントビルにおけるCO2削減とその取り組みを継続的に推進する体制・仕組みづくり イメージ 事業者・建設者・管理者・入居者(テナント)が一体となり、建築から運用まで一環したCO2削減を推進。テナントが使いやすく、CO2削減のPDCAを回しやすいシステムにすることで、管理者とテナントで継続的な取り組みを実現

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導入の背景

最先端CO2削減技術を導入した「CO2削減モデルビル」

東京建物株式会社は、創業120年の歴史を持つ総合不動産会社だ。ビル事業、住宅事業、アセットサービス事業、クオリティライフ事業、海外事業、不動産ファンド事業の6つの柱を中心に、さまざまな分野にわたり、顧客のニーズに対応した商品・サービスを提供している。

東京建物株式会社 執行役員 ビルエンジニアリング部長 鈴木 康史氏は、「創業者である安田善次郎が掲げた『お客様第一』と『進取の精神』をモットーに、新しい取り組みにチャレンジすることが大切と考えています」と話す。同社は、日本ではじめて住宅ローンの原型となる割賦販売方式で不動産売買を開始するなど、先進的な取り組みを数多く行っており、不動産業界を牽引している一社だ。

鈴木 康史氏の写真
鈴木 康史
東京建物株式会社
執行役員
ビルエンジニアリング部長

佐藤 哲氏の写真
佐藤 哲
東京不動産管理株式会社
技術本部 工事第2部
副部長

そして、東京都中央区の環境配慮型ビル「東京スクエアガーデン」も、東京建物がプロジェクトマネジメントしたビルの1つだ。東京駅、銀座エリア、日本橋エリアの中心に位置し、地上24階、地下4階、延べ床面積は約120,000m2。オフィスを主体に商業ゾーンも含めた複合型の大型ビルだ。

2009年の基本計画段階から、事業者6社(当時)のマネジメントや設備部門を取りまとめてきた、東京不動産管理株式会社 技術本部 工事第2部 副部長佐藤 哲氏は、「都市再生特別地区の決定を受け、最先端CO2削減技術を導入し低炭素化を目指す『CO2削減モデルビル』として計画されました。『京橋の丘』と呼ぶ緑化空間や、周辺地域の省CO2化を目指す『京橋環境ステーション』を設け、多面的な環境への取り組みを行っています」と東京スクエアガーデンの特長を語る。

導入の経緯

テナントもCO2削減に取り組む「四位一体」の体制で推進

今回、東京スクエアガーデンのCO2削減への取り組みで導入されたのが、ICTを活用して施設を一元管理する、富士通の環境ソリューションだ。導入されたソリューションは大きく3つのシステムで構成される。まず、設備の統合監視/制御や収集データ管理を行う「中央監視システム」だ。これには富士通の施設総合管理システム「FUJITSU Security Solution Futuric/SX100」が導入されている。そして、エネルギー使用状況に加えて設備の運用効率や省エネ効果、再生エネルギーの創エネ効果など、エネルギーを見える化し最適化する「BEMS(ビルエネルギー管理システム)」。さらに、BEMSからアウトプットされたエネルギー使用量や室内環境のデータをテナントに開示するための「テナントサービスシステム」である。

佐藤氏は「東京スクエアガーデンはテナントビルなので、テナント様のCO2削減に対する理解と協力が欠かせません。テナントサービスを活用して、テナント様にも自らCO2削減に取り組んでいただくことが大きな柱になっています」と述べる。

東京スクエアガーデンのCO2削減への取り組みは、事業者・建設者・管理者・入居者(テナント)の「四位一体」の体制で推進されていることが大きな特長だ。「従来、こうした中央監視やテナントサービスなどは、事業者や建設者側で作り込みを行い提供されるものでしたが、今回は管理者・テナント様も交えて、『四位一体』でCO2削減を推進しています」と鈴木氏は話す。

導入のポイント

CO2削減の目標に向け、協業体制でソリューションを構築

構築については、設計から施工の初期段階において、管理者も加わり作り込みを行っていったという。「管理者に多面的に要望を出してもらい、テナントサービスについても利用者目線で形にしていきました。富士通や、建設者など協業企業にはそうした要望をしっかり具現化してもらいました」と佐藤氏。

今回、最も工夫を凝らしたのはテナントサービスだ。インターネットを経由して、各テナントの業務PCにエネルギー使用量や室内環境のデータ、管理者からのお知らせなどが送られるが、そのユーザーインターフェースと機能には特に力を注いでいる。

「従来のBEMSやテナントサービスの画面は、堅苦しく、必要最低限の表示しかないものが多かったのですが、使いやすさ、親しみやすさの要素を多く入れていただいて、非常に良いものができたと認識しています」と佐藤氏は言う。

テナントサービスシステムでは、テナントごとのエネルギー使用量を、グラフなどを用いて見える化し、さらに温度や照度の設定を変更した際の省エネ目安も表示される。加えて、テナントが自席で空調温度や照明の照度を設定できるため、CO2削減のPDCAを回しやすくなっている。

「従来、大型ビルでは空調料金は固定費扱いでしたが、東京スクエアガーデンでは完全従量課金制を採用しています。つまり、エネルギーを使わなければそれだけコストも削減できる仕組みです。不動産会社の中で、大規模複合ビルにおいて完全従量課金制を取り入れた例は数少ないと思います」と鈴木氏は語る。

導入効果と今後の展望

「テナントとの共創」により、目標を超えるCO2削減を実現

東京スクエアガーデンは2013年3月に竣工を迎え、中央監視システムをはじめとした環境ソリューションも安定して稼働を続けている。

CO2の削減効果について佐藤氏は、「ビル全体では、東京都のオフィスビルの平均CO2排出量をベンチマークとして、約46%の削減となっています。飲食店舗などが多く入っているにもかかわらず、ここまで削減できたのは大きな効果です。特に、7階から上のオフィスフロアでは50%以上の削減を実現しています」と削減効果を強調する。

2016年にはこうしたCO2削減の取り組みが評価され、社団法人 空気調和・衛生工学会の第54回学会賞技術賞「建築設備部門」も受賞している。

今後の展望について、東京建物株式会社 ビルエンジニアリング部 建設グループ 設備チーム グループリーダーの木下 雄介氏は、「省エネ・CO2削減は、今後さらに重要な課題となります。中央監視システムをはじめとしたソリューションは、ビル設備を最適に運用し、省エネを図るうえで、なくてはならないツールとなっていきます。ビルとして省エネに取り組むためには、テナント様の協力が不可欠です。テナント様自身が自らCO2削減に取り組んでいただくために、機能や使いやすさを充実して発展させていくことが重要です」と述べる。

鈴木氏は、「CO2削減は、これから建設するすべてのビルで実施していかなくてはならないと考えています。これまでは、さまざまな省エネの設備を備えても、最適に活用できないこともありましたが、より最適な運営管理、そして省エネを進めていくためには、テナント様とも協調して、こうした環境ソリューションを活用していくことが大切と考えています」と語った。

木下 雄介氏の写真
木下 雄介
東京建物株式会社
ビルエンジニアリング部
建設グループ 設備チーム
グループリーダー

【東京建物株式会社様 概要】
創業 1896年10月
代表者 代表取締役 社長執行役員 佐久間 一
従業員数 571名(2015年12月31日現在)
概要 「信頼を未来へ」を企業理念に、世紀を超えた信頼を誇りとし、企業の発展と豊かな社会づくりに挑戦する。オフィスビルや商業施設などの開発・賃貸を行う「ビル事業」、マンションなどの分譲・賃貸を行う「住宅事業」、総合的な不動産ソリューションサービスを提供する「アセットサービス事業」、高齢者向け施設や余暇関連施設の開発・運営を行う「クオリティライフ事業」、アジアなどで不動産事業を営む「海外事業」を柱に、魅力あふれる価値を提供し続けている。
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【導入事例(PDF版)】

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