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Fujitsu

Japan

基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」と仮想化ソフトウェア「VMware vSphere4」によりオープン化のベースとなるシステム共通基盤に高信頼性と拡張性を実現

豊島区様 導入事例


豊島区では、現在、新庁舎を含む南池袋市街地の再開発事業が進行中です。新庁舎移転を見据え、コストを抑えながら新たな区民サービスを実現していくためには、その基盤となる情報システムの再構築が不可欠でした。そこで同区では基幹システムのオープン化を決断。業務システムがマルチベンダーとなっても効率良く連携し、TCOの削減、区民サービスの向上を図るべくシステム共通基盤の活用を基本方針としました。共通基盤には基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」の新モデルと仮想化ソフトウェア「VMware vSphere4」を組み合わせ、コストパフォーマンス、信頼性、拡張性に優れた仮想化環境を実現。2011年1月の本稼働にむけ、現在、構築中です。

[ 2010年8月25日掲載 ]

導入事例概要
業種: 自治体
ハードウェア: 基幹IAサーバ PRIMEQUEST 1400S、ストレージ ETERNUS DX60
ソフトウェア: 仮想化ソフトウェア VMware vSphere4
課題と効果
1 予算内でシステム共通基盤の各システムを冗長化したい。 システム共通基盤の5つのシステムを仮想サーバ上で動かし、2台の「PRIMEQUEST」とVMware HA(High Availability)による高可用性を実現。高信頼性はもとよりコストパフォーマンスにも優れた「PRIMEQUEST」の新モデルの採用により予算内で冗長化が可能に。
2 将来的な業務拡張にも容易に対応したい。 仮想化環境ならではの優れた拡張性により、将来的な構成変更やシステム連携の追加にも柔軟な対応が可能に。
3 TCO削減、業務効率化の効果を拡大したい。 VMware VMotionを活用することで、システム共通基盤のサービスを中断することなくハードウェアのメンテナンスが可能に。またVMware DRS (Distributed Resource Scheduler)の活用により業務負荷に合わせたリソースの最適化の実現へ。

導入の背景

コスト削減と区民サービスの向上を目的に基幹システムのオープン化へ


高橋 邦夫
豊島区 政策経営部 情報管理課
情報管理課長

池袋駅を中心とする副都心、“おばあちゃんの原宿”として知られる巣鴨、6つの大学、ソメイヨシノ発祥の地など、多彩な顔をもつ豊島区。総人口約26万人、全国第1位の人口密度をもつ同区は、区民が地域に誇りを持てることを大切に、平和の希求、人権の尊重、住民自治の実現を基本理念とし、協働・共創のまちづくりを進めています。

現在、新庁舎を含む南池袋市街地の再開発事業が進行中です。同区が目指す協働・共創、環境・文化都市のシンボルとなる新庁舎は、総合窓口によるワンストップサービスなど区民の目線に立った新しい区民サービスの実現を大きなテーマに、2014年12月の竣工を目指しています。

同区は全国に先駆けて戸籍システムを導入するなどICTの活用に積極的でしたが、厳しい財政状況のもと情報化においても空白の10年がありました。「近年、財政再建も進み、立ち遅れていた情報化に着手するべく、2006年に豊島区行政情報化実施計画を策定しました。その中で、基幹システム(住民記録、国民健康保険、税務等)のオープン化もうたっています。新庁舎への移転や時代の変化を見据え、コストを抑えながら新たな区民サービスに取り組んでいくためには、その基盤となる情報システムの再構築が不可欠でした」と、豊島区 政策経営部 情報管理課 情報管理課長 高橋邦夫氏は語ります。

導入の経緯

オープン化のメリットを享受しデメリットを解消するシステム共通基盤


黒田 正智
豊島区 政策経営部 情報管理課
情報担当係長

「マルチベンダーによる競争原理の確立、開発者の減少やブラックボックス化問題の解決などオープン化のメリットの一方で、部分最適によるデータの分散化や二重投資、運用管理の複雑化などオープン化にはデメリットもあります。全庁的な観点からオープン化と全体最適化をいかに実現していくかが重要」 と、同課 情報担当係長 黒田正智氏は現行システムの課題を述べます。

こうした課題に対し、同区が導き出した解決策がシステム共通基盤の活用です。共通基盤は、業務システムをマルチベンダー化しても共通的に利用するデータの一元管理により、スムーズな連携とともに、各業務システムの改修が他システムへ与える影響を最小化し保守コストの削減を可能にします。

同区では2007年に情報システム再構築ガイドラインを策定。共通基盤以外にも、パッケージ導入による業務の標準化、データセンターの活用、地域情報プラットフォーム標準仕様への準拠などが盛り込まれています。2008年にはガイドラインに基づき調達準備を開始。複数メーカーから提案を受け、検討を重ねた結果、2009年5月にパートナーとして富士通が選定されました。「最終的には総合的な判断ですが、わかりやすい説明や質問に対する丁寧な回答などから真摯な姿勢が伝わってきました。また東京23区での実績も考慮しました」(高橋氏)。

導入のポイント

基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」と「VMware vSphere4」により信頼性の高い仮想化環境を実現

今回の共通基盤は、データ連携を行う連携基盤、共通利用するデータを管理する共通情報管理システム、外字の標準化および一元管理を行う共通外字システム、資料作成を支援する共通EUCシステム、業務システムのシステムインフラとジョブ運用を一元的に管理する統合運用管理システムと、5つのシステムで構成されています。

当初、予算面から重要性の高いサーバだけを冗長化するという方向性でしたが、導入にむけて内容を詰めていく段階で、同区より「今後の情報システムの基盤となるものであり、5つのシステムすべてを冗長化したい」との要望が出されました。それに対し、富士通は基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」の新モデルと仮想化ソフトウェア「VMware vSphere4」を組み合わせ、仮想化して冗長化するという提案を行いました。5つのシステムを仮想サーバ上で動かし、2台の「PRIMEQUEST」を導入することで、VMware HA( High Availability)による高可用性を実現。万一、1台のサーバに障害が生じても、もう1台で運用を継続できます。また「PRIMEQUEST」の新モデルはメインフレームに匹敵する高信頼性を継承しつつ、コストパフォーマンスの向上を図っているため、当初予算内で収めることもできました。

「ホストシステムでのシステム開発に携わってきましたから、ハードウェアの信頼性には関心を持っていました。また仮想化技術もホストシステム時代になじみが深く、基幹IAサーバと組み合わせた提案に対し決断を容易にする下地はあったと思います」(高橋氏)。

システム共通基盤 リソース配分

物理サーバ 仮想サーバ 仮想CPU数 仮想メモリ容量
(GB)
PRIMEQUEST #1
CPU: 4
メモリ: 64GB
共通情報(Web/AP1) 2 8
共通情報(Web/AP2) 2 8
共通情報(DB) 2 8
PRIMEQUEST #2
CPU: 4
メモリ: 64GB
連携基盤(AP/DB) 2 8
運用管理 1 4
監視 1 4
共通外字 1 4
共通EUC 1 4
試験環境(共通情報) 1 4
試験環境(連携) 1 4

(注)

  • OS:全てWindows Server(R) 2008 Enterprise(64-bit)
  • Mwareによる仮想化を行い、VMware HAによる障害発生時の仮想マシンの自動再起動、VMware DRSによる負荷分散、vMotionによる運用中の保守が行えるようにする。1台のPRIMEQUESTだけで全サーバが運用できるリソース配分とする。

共通基盤ソフトウェア構成

システム パッケージ/ミドルウェア 備考
共通情報管理 MICJET 宛名システム 特別区向け住民情報システムパッケージ
連携基盤 IC21デジタルルータV2 連携基盤システムパッケージ
統合運用管理 Systemwalker Centric Manager Enterprise Edition 統合監視
Systemwalker Operation Manager Enterprise Edition ジョブ運用
共通外字管理 Interstage Charset Manager Standard Edition 日本語資源管理(外字、文字コード変換定義)
共通EUC Interstage Navigator Server Enterprise Edition  
Symfoware Server Standard Edition V10

導入のプロセスと今後の展開

仮想化環境の拡張性により今後の計画の発展にも柔軟に対応可能に


井上 裕美
豊島区 政策経営部 情報管理課

2010年6月、富士通のデータセンターにシステムを導入、現在、データ移行が進められています。「既存のホストシステムと共通基盤パッケージのデータを突き合わせる作業は、業務の流れを知らなければできません。そこで業務について勉強しました。また、この洗い出し作業はブラックボックス化の解消にもつながると考えています」と、同課 井上裕美氏は語ります。今後、2010年7月から総合テスト、10月から運用テスト、2011年1月に税務システムと合わせて共通基盤の本稼働へ。その後、基幹システムのオープン化は2014年まで段階的に実施されます。

「共通基盤の機能拡張はもとより、周辺システムも共通基盤のもとで活用していく可能性は十分あります。仮想化による拡張性は将来のニーズにもコストをかけず柔軟な対応を可能にします。また、業務を中断することなくハードウェアのメンテナンスが行えるVMware VMotion、リソースの負荷分散を実現するVMware DRS、仮想化環境のストレージの使用率向上を図るシンプロビジョニングなどにより、効率化やTCO削減の効果が拡大していくことも期待しています」(黒田氏)。

今後について「稼働後の評価が前提となりますが、クラウドの活用も視野に入れながら、仮想化は積極的に検討していきたい」と、高橋氏。そして、こう続けます。「目標はいつでもどこでも区民がサービスを受けられる仕組みの実現です。富士通には変わらぬサポートとともに総合ベンダーとしてさまざまな提案もお願いしたい」(高橋氏)。

「文化と品格を誇れる価値あるまち」へ、富士通は先進のプラットフォームの提供を通じ、豊島区の発展と区民の安全や利便性をしっかりと支えてまいります。

【豊島区様 概要】

所在地 東京都豊島区東池袋1-18-1
代表者 高野 之夫(豊島区長)
職員数 2,124人(平成21年度)
人口 265,674人(平成22年7月1日現在)
概要 人口約26万人、日本第1位の人口密度をもつ豊島区は、区民が地域に誇りを持てることを大切に、平和の希求、人権の尊重、住民自治の実現を基本理念とし、協働・共創のまちづくりを進めています。
ホームページ 豊島区 ホームページOpen a new window (新しいウィンドウで表示)

【導入事例(PDF版)】

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