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Fujitsu

Japan

KVMによる仮想化で店舗内の4システムをPCサーバ1台に集約し、ダイエー、グルメシティの全310店舗へ展開。新サービス「ギフト承りシステム」の導入と、省スペース化およびTCO削減を両立

株式会社ダイエー様 外観写真

株式会社ダイエー 様 導入事例


「お客様、地域社会のライフソリューションパートナー」を目指す株式会社ダイエー(以下、ダイエー)は、ギフトシーズンのお客様サービス向上を目的に新しい「ギフト承りシステム」を導入し、お客様の伝票記入の手間や待ち時間の軽減を実現しています。「ギフト承りシステム」の導入にあたり、利用期間がギフトシーズンに限定されるシステムの単独構築には投資対効果の面で課題がありました。同社ではRed Hat Enterprise Linuxのサーバ仮想化機能KVM(Kernel-based Virtual Machine)とPCサーバ「PRIMERGY」をベースに仮想化基盤を構築し、「ギフト承りシステム」を先行導入。当初23店舗から全国の店舗へ展開しています。今後、既存店舗のサーバを集約し、省スペース化、省電力化、TCOの削減を実現していきます。

[ 2011年11月16日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 小売業
ハードウェア: PCサーバ PRIMERGY TX150 S7、UNIXサーバ SPARC Enterprise M3000、
ストレージETERNUS
ソフトウェア: 仮想化ソフトウェア Red Hat Enterprise Linux-KVM (Kernel-based Virtual Machine)
【課題と効果】
1 システムの利用期間がギフトシーズンに限定される「ギフト承りシステム」の投資対効果を高めたい KVMにより仮想化基盤を構築し「ギフト承りシステム」を先行導入。順次既存の店舗サーバを集約し、省スペース化、運用コスト削減、1店舗あたり消費電力量55%削減を実現
2 仮想化の導入によりTCOを削減したい KVMはゲストOS数に応じた課金体系であり、ホストOSの利用に対しては追加費用が発生しないため、仮想化環境が容易に利用できTCOも大幅に削減
3 これまで経験のなかったKVMによる仮想化基盤の構築をスムーズに進めたい 富士通のLinux技術支援サービスによる、設計から構築までのきめ細かいサポートで、短納期にも関わらず計画通りにまず23店舗に導入しダイエー、グルメシティの全310店舗に展開予定

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導入の背景

「ギフト承りシステム」導入にあたり投資対効果が課題に

日頃の感謝の気持ちを伝えるお中元、お歳暮。シーズン中、ギフトコーナーは多くの人で賑わいます。「お客様、地域社会のライフソリューションパートナー」を目指すダイエーでは、2つの視点でお客様サービスの強化を図っています。

1つは、内食志向が高まる中、「ごはんがおいしくなるスーパー」の企業スローガンのもと、楽しい食卓で家族の笑顔がこぼれる商品ラインナップの充実に取り組んでいます。そしてもう1つが、「ギフト承りシステム」によるギフト承り業務の刷新です。紙の伝票を電子化することで、お客様の伝票記入の手間や待ち時間を大幅に軽減。同社からギフトのDMが届く40万人のお客様はもとより、システムに一度登録しておくと、全国どこの店舗でも商品を選択するだけで手続きが完了。配達までの日数も約2日短縮されます。

株式会社ダイエー 櫻田 良郎 氏の写真
櫻田 良郎
株式会社ダイエー
経営システム本部
システム企画部 部長

同社では、既存店舗における品揃え、品質、サービスの向上に努めるとともに、新たに少人数世帯をターゲットにした都市型スーパーの出店やネットスーパーの拡大など時代の変化に対応した事業を展開しています。さらなる成長を目指し歩み続ける同社にとって、コストを抑制しながらICTを活用し、いかに競争力の向上を図っていくかは重要なテーマです。

新システムを使用した接客風景の写真
新システムを使用した接客風景

「今回、新しい「ギフト承りシステム」の導入にあたって、利用期間がギフトシーズンに限定されるシステムを単独で構築するというのは、投資対効果の面で課題がありました。しかも、お客様サービスや業務効率の向上、ペーパーレスなどのさまざまな観点から、OCRを活用した紙ベースの既存システムを刷新し、紙伝票の電子化を図ることは急務でした」と、株式会社ダイエー 経営システム本部 システム企画部 部長 櫻田良郎氏は振り返ります。

導入のポイント

仮想化基盤を構築し「ギフト承りシステム」を先行導入、順次店舗サーバを集約

同社が着目したのは仮想化によるサーバ集約でした。「既存店舗システムのリプレース時期が近づいていたこともあって、仮想化基盤を構築し、まず新しい「ギフト承りシステム」を先行導入。その後、順次既存サーバを集約していくという計画を立てました」(櫻田氏)。
既存店舗システムは、商品発注と在庫管理がLinux、携帯端末画面への展開用にWindowsと複数OSが混在する環境でサーバは3台、冗長構成により合計6台となっています。ここにRed Hat Enterprise Linuxを採用した「ギフト承りシステム」が加わります。今回の仮想化による店舗サーバ集約では、省スペース、コストの抑制、消費電力量の削減などの課題解決を目的としていました。

同社では2010年11月「ギフト承りシステム」の検討を開始。RFP(提案依頼書)を提示し、複数社の提案の中から、2011年1月、富士通の採用が決まりました。RFPのポイントについて「コストはもとより、全310店舗への展開や短期間導入、サーバから仮想化ソフトウェア、携帯端末までトータルな提案などの総合力も求めました」と、櫻田氏は話します。
Red Hat Enterprise Linux のサーバ仮想化機能KVM(Kernel-based Virtual Machine)の採用が特徴的だった富士通の提案について、今回、開発と構築を担当した株式会社ヴィクサス ソリューション事業本部 ソリューション1部 課長 小川晋一氏は次のように話します。

株式会社ヴィクサス 小川 晋一 氏の写真
小川 晋一
株式会社ヴィクサス
ソリューション事業本部
ソリューション1部 課長

「KVMはゲストOS数に応じた課金体系であるため、仮想化環境が容易に利用できます。今回、KVM上で稼動するシステムも4つまでは追加費用が発生せず、コストメリットがありました。また主要システムはRed Hat Enterprise Linuxを採用しているため、開発や保守を担当する当社としては親和性や保守性にも関心をもちました」。

導入のプロセス

富士通のLinux技術支援サービスにより仮想化基盤構築も計画通りスムーズに

新店舗システムは、Red Hat Enterprise Linux-KVMの仮想化基盤上に、「ギフト承りシステム」を含めて4つのシステムが稼働し、富士通のPCサーバ「PRIMERGY TX150 S7」1台に集約、さらに予備機1台の冗長構成です。KVMを活用した仮想化基盤の構築について「私自身はKVMの構築経験はなかったのですが、設計から構築まで富士通のLinux技術支援サービスのきめ細かなサポートにより計画通りに進めることができました」と、小川氏は富士通の技術支援を高く評価します。

株式会社ダイエー 吉田 由貴 氏の写真
吉田 由貴
株式会社ダイエー
経営システム本部
システム企画部 システム企画課

2011年1月から設計を開始、2011年5月下旬に先行3店舗で「ギフト承りシステム」は稼働しました。「2011年3月11日に東日本大震災が発生し、機器の調達も厳しい状況の中、富士通にはご尽力いただきました」と、株式会社ダイエー 経営システム本部 システム企画部 システム企画課 吉田由貴氏は語ります。

先行3店舗での実践で見出した改善点を解決し、2011年6月から当初導入を計画していた残りの20店舗に展開。KVMによる仮想化環境は開発作業効率の向上にも貢献しました。「単体テスト、結合テスト、システムテスト、移行用テストと、4つのゲストOSを使ってテスト環境を分けることで作業を並行して行えるようになりました。またKVMを活用するためのノウハウも得られました」(小川氏)。

店舗への展開は、ヴィクサスと富士通エフサスがタッグを組み、1店舗約4時間、1日約8店舗に導入。富士通のキッティングセンターで初期設定などを行った機器を店舗へ搬入するといった工夫により作業時間の短縮も図りました。

株式会社ダイエー様 システム概要図

導入効果と今後の展望

サーバ集約により1店舗あたり消費電力量を55%削減

「ギフト承りシステム」は、2011年11月にダイエーの全国主要157店舗に拡大し、2012年5月までにダイエー、グルメシティの全310店舗への展開を完了する予定です。仮想化による店舗サーバの集約について「2012年度で既存のアプリケーションを移行し、2012年から2013年にかけて全310店舗で店舗サーバの集約を図っていきたいと考えています」と、吉田氏は話します。
サーバ集約によってサーバ台数が6台から2台と1/3になることで、省スペース化や、運用管理も含めてTCOの大幅な削減を実現。また旧構成(PRIMERGY TX150 S2)に比べ、1店舗あたり約55%の消費電力量を削減し環境負荷の低減にも貢献します。

今後のICTへの取り組みについて「重点テーマは、BCP、セキュリティ、TCOの削減です。クラウドの活用も案件ごとにリスク対策などを考慮しながら検討していきます。当社のシステム部門は20数名と少数であるため、企画や要件定義は社内で行い、開発、構築はアウトソーシングしています。これからも富士通の提案力やサポート力には大いに期待しています」と、櫻田氏は語ります。

「小売業は地域の皆様のライフライン」という強い使命感をもつダイエーでは、東日本大震災の被災地支援活動にも力を尽くしています。富士通はこれからも地域社会とともに発展していく同社の取り組みを先進技術と総合力でサポートしていきます。

株式会社ダイエー、株式会社ヴィクサスの皆様の写真
株式会社ダイエー、株式会社ヴィクサスの皆様

【株式会社ダイエー様 概要】
本社 東京都江東区東陽2丁目2番20号
設立 1957年4月10日
資本金 565億円
店舗数 211店舗(2011年2月末現在)
事業内容 小売業(スーパーマーケット)
ホームページ 株式会社ダイエー ホームページOpen a new window
株式会社ダイエー様のロゴ
【株式会社ヴィクサス様 概要】
本社 東京都千代田区神田須田町2丁目7番地 NKビル
設立 1985年3月2日
資本金 9,300万円
事業内容 コンピューターによる情報処理受託業務 、ソフトウェアの開発受託業務、コンピューターハードウェア、ソフトウェアの販売 、コンピューターネットワークの企画・設計 、流通業に関するコンサルティング業務、小売に関する情報の制作とその販売

【導入事例(PDF版)】

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