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事業継続・災害対策に求められる「3つのR」とは

企業・団体の信頼性における大前提ともいえる事業継続。これを阻害する最大要因が自然災害などによるシステムダウンです。ビジネスチャンスの喪失、顧客からの信用の失墜、顧客の離反や売上減少、企業の社会的責任(CSR)の不履行などに直結するシステムダウンのリスク。これをゼロに押さえ込むことは容易ではなく、万が一に備え、システムダウンした場合の利益損失を最小限にとどめる対策を講じておくことが重要です。
その具体的対策に向けて第一歩を踏み出す場合、確かなよりどころとなるのがRLO、RTO、RPOの指標に基づく、いわば「3つのR」という考え方です。

「3つのR」視点から対策をとらえる

事業継続・災害対策を構築する上で重要な指標RLO、RTO、RPOはそれぞれ、次のように説明されます。システム障害発生時、以下3つの目標値を順次あわせて設定し、対策を講じていくことがポイントです。

RLO(Recovery Level Objective)「どのレベルで」システムを復旧させ、操業・サービスを再開するか、の目標値
RTO(Recovery Time Objective)「どのくらいの時間で(いつまでに)」システムを復旧させるか、の目標値
RPO(Recovery Point Objective)過去の「どの時点まで」のデータを復旧させるか、の目標値

「3つのR」を考慮して対策を講じるメリットは、各企業・団体にとって“合理的かつ最短”の復旧時間、そして“最小コストで最大効果”を得られる対策が明確になることです。逆にいえば「3つのR」を無視した対策、例えばダウンしてしまった全システムを一気に短時間で復旧しようとすると、無用のコストを費やす可能性があります。また結果的に必要以上の時間を要することもあり得ます。

業務の内容・特性・重要度からみる「3つのR」設定

RLO、RTO、RPOの設定が業種・業務のシステム特性によってそれぞれ異なり、また「3つのR」は互いに関連していることを理解する必要があります。

RLO  どのレベルでシステムを復旧させ、操業・サービスを再開するかの目標値

RLOは利益損失との兼ね合いで設定され、その対象は生産能力、品質レベル、サービスを提供するエンドユーザー数など多種多様です。設定値は対象に応じて、低下率や縮小率などをパーセントで表したりします。また、RLOは「いつまでに(RTOの目標値)」と合わせて設定します。
地震や風水害など電力供給が絶たれた場合を例にとると、被災前の完全な状態(100%)での復旧を待って供給を再開するよりは、電力レベルが通常の50%で72時間後に暫定運用を開始し、最低限生活ができる環境に戻すという目標ケースも考えられます。
なお、RLOが高くなるほど通常運用に近づきますが、コストは高くなります。

RTO  どのくらいの時間で(いつまでに)システムを復旧させるかの目標値

RTOは言い換えれば、システムの利用者(顧客)にとってシステム停止やサービス中断が許される時間。したがってRTO設定値は、利益損失との兼ね合いによって定められ、前出の電力供給寸断時の例のように、「どのレベルで(RLOの目標値)」と合わせて最短時間内に設定します。
なお、RTOがゼロに近づくほどシステムの復旧時間は短くなりますが、コストは高くなります。

RPO  過去の「どの時点まで」のデータを復旧するかの目標値

RPOの設定は業種や業務内容に応じて定められます。例えば、24時間365日連続的にサービスを提供する証券取引事業では、停止直前までのデータ(RPO=0秒)が求められます。また更新頻度の少ないデータやデータそのものの完全性を求めないデータでは、RPO=1日、つまり障害発生の24時間前まで復旧できれば支障はないというケースもあります。RPOの値が長くなればなるほど、目標時刻まで遡る間のデータが失われることを意味します。
なお、RPOが短くなればなるほど頻繁にバックアップする必要があるので、コストは高くなります。

RLO、RTO、RPOの設定で重要なことは、自社の業種・業務に応じた目標値をあらかじめ設定しておくことです。また業務内容が新たな分野に発展した場合などは、定められた目標値が適正かどうか検討し、必要に応じて再設定する必要があります。さらに、契約(SLA:Service Level Agreementなど)で定められたペナルティ、事業の公共性、自社の財務状況など変動要因を考慮しつつ、目標値の適正をチェックすることも重要です。


事業継続において最優先で考えなければならないことは、データ保全です。
富士通のストレージシステムは、「データ保護」と「災害からのデータ復旧」の2つの視点から、お客様の目標に応じて選択いただけるストレージの機能や手法を豊富に提供しています。
例えば、災害発生後なるべく早く、被災時直前のデータでシステムを復旧したい場合には、リモートミラーリングなどのソリューションが有効です。
また、数時間前から日次、週次でのリモートバックアップからリカバリーする場合にも、必要なデータのみを転送し、転送時間と回線帯域を節約可能な重複排除機能が有効です。バックアップのデータ量を圧縮し低コストのバックアップを実現するETERNUS CS800 デデュープアプライアンスがあります。
そのほかにも、テープメディアの搬送・外部保管にも適するテープバックアップシステムなどさまざまな災害対策ソリューションを提供し、お客様の事業継続をサポートします。

掲載日:2013年2月12日

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