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クラウド基盤で求められるストレージ要件とは

2013年~2018年のプライベートクラウド市場は年間平均成長率29.7%で推移し、2018年の市場規模は1兆6,026億円になると見られている(IDC Japan「国内プライベートクラウド市場予測」2014年9月発表)。今後も普及が進むプライベートクラウド環境に求められるストレージとはどういったものか。重視する条件や技術などを見ていく。

(注) 本連載ではIDCのレポートを基に、中小規模の企業=1~999人以下、大規模の企業=1,000人以上と定義している。(n=回答数)

プライベートクラウド構築状況

IDC調査の「プライベートクラウドインフラ構築状況」によると、「自社所有のクラウド基盤を構築済み」の回答率は従業員規模が1~99人では7.5%であるが、その値は規模が多くなるほど大きくなり、5,000人以上で27.7%に達する。自社所有と事業所サービス利用の比率の逆転は500人規模を境に表れており、499人以下(1~99人および100~499人)に注目して見ると、規模が小さいほど自社所有よりも事業者のクラウドサービスへの利用意向の高さがうかがえる。こうした傾向は今後の計画からもうかがうことができ、1~99人では68.0%が「クラウドの構築も利用も計画していない」と回答しているが、規模が大きくなるにしたがってその割合は減少。逆に「自社所有のクラウド基盤を構築済み」は企業規模が大きくなるにしたがってその割合は増加している。

プライベートクラウドインフラ構築状況(従業員規模別) のグラフ

重視するストレージの条件

ここで、IDC調査の「プライベートクラウド構築で重視するストレージの条件」を見てみる。クラウド構築において「非常に重要」と考えられている条件の上位3項目は、「セキュリティ」「信頼性/可用性」「インフラコスト」である。これは「非常に重要」と「重要」を合わせた値でも同じであり、拡張性や効率化、運用管理といった条件よりも重視されていることが分かる。なお、「あまり重要ではない」が最も多い「他のクラウドとの連携が容易」は、現状では重視されていないが、適材適所でパブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせるハイブリッドクラウドが今後主流になると見られていることから、今後重視されている可能性がある。

プライベートクラウド構築で重視するストレージの条件 のグラフ

重要なストレージ関連技術

次に、IDC調査の「クラウドインフラ構築で重視するストレージ技術(プライベートクラウド)」を見てみる。クラウド構築において重視されているストレージ技術の上位3項目は、「ストレージ仮想化」「マルチテナント機能」「フラッシュストレージ」である。リソース共有時の効率性やセキュリティの確保など、クラウド環境において必須となるマルチテナント機能が2位にきている。

ここで、第4位の「スケールアウトストレージ」に注目してみる。IDC調査の「ストレージ新技術の導入状況」の導入率の高い順によると、「スケールアウトストレージ」は、「ストレージ仮想化」「フラッシュストレージ」「シン・プロビジョニング」「デ・デュプリケーション」「ストレージ自動階層化」に続く、第6位(導入済みが6%)となっている。この2つのグラフから導入自体はまだ進んでいないものの、仮想環境およびシステム拡張やデータ増大への対応を見据え、クラウド基盤の技術としては比較的重視されていることがわかる。

クラウドインフラ構築で重視するストレージ技術(プライベートクラウド) のグラフ

要件の異なるシステムが混在する仮想環境に適したストレージ選定を

ストレージ条件およびストレージ技術を見てきたところで、ストレージベンダーの選定基準についても簡単に見ておく。IDC調査の「クラウドインフラ構築で利用するストレージベンダーの選定基準」によると、第1位は「価格競争力」で、以降は「クラウドインフラにおける実績や経験」「クラウドインフラで求められるストレージ機能の提供力」と続いている。

かつてのコスト削減に加え、ビジネスイノベーションのインフラともなりうるクラウド。ビジネス貢献に対する期待の高まりとともに、可用性、拡張性、およびセキュリティの重要性はますます高まるだろう。また同時に、クラウド環境では要件の異なるシステムが混在するため、システム集約が進むほど効率的なデータ保管や運用も必要になってくる。仮想化環境との親和性に加え、シン・プロビジョニング、デ・デュプリケーション、自動階層化といったストレージ機能の効率的に活用が求められる。

富士通のストレージソリューション

富士通は高性能・高信頼テクノロジーをベースに、クラウド基盤で求められる拡張性や運用性に優れたクラウドストレージソリューションを提供しています。豊富な実績で培ったノウハウをもとに、お客様のニーズに合わせた製品をラインナップし、お客様のビジネスイノベーションに貢献していきます。

ETERNUS DX S3は、SSDをキャッシュとして利用する「Extreme Cache」によってアクセス性能を向上。またVMwareとの高い親和性を持ち、仮想マシン単位のボリューム管理が可能なVVOL(Virtual Volumes)によるバックアップおよびリストアの自動運用や、ストレージ自動階層制御やシン・プロビジョニングなどによるリソース活用の最適化を実現します。

ETERNUS TR seriesは、SSDとHDDのハイブリッド・ファイルシステムを採用した仮想化環境専用ストレージです。大規模な仮想化環境においても仮想マシンごとのI/Oリソースの自動割り当てによって高い処理性能を実現。また導入時の煩雑な構成設計や性能チューニングを不要とし、運用においてもハイパーバイザーマネージャーとの連携によって仮想マシンの管理をシンプル化します。

ETERNUS CD10000は、オープンソース・ソフトウェア「Ceph(セフ)」と検証済みのハードウェアを組み合わせたアプライアンス製品であり、最大56.6ペタバイトまでリニアに容量と性能を拡張できるスケールアウトストレージです。オブジェクトアクセスとブロックアクセスの両方に対応し、Amazon S3互換のAPI提供やOpenStack連携などクラウド基盤との高い親和性を備えています。

掲載日:2015年4月20日

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