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Fujitsu

Japan

Japan Storage Vision 2013 講演レポート
~2月14日(木)東京コンファレンスセンター・品川 開催 ~

会場風景

Japan Storage Vision 2013では、「クラウド / ビッグデータ時代のストレージ投資」をテーマに、クラウド化が進み、ビッグデータ時代が本格化する中、ICTインフラおよびビジネスの変革がどのようにストレージ投資に影響するかについて、講演とパネルディスカッションが行われた。

IDCは、調査・分析から、2012年はIT投資がストレージ投資を上回る見込みだが、2013年はIT投資がわずかに減少するもストレージ投資は2012年より大きく伸びると予測。その理由として下記を挙げている。

  • サーバ仮想化 / デスクトップ仮想化のICTインフラの再構築
  • スマートフォン・タブレットの携帯端末、ソーシャルビジネス、ビッグデータ分析、クラウドを4つの柱とする「第3のプラットフォーム」による新規投資
  • サービスプロバイダのクラウドインフラの構築がストレージのニーズを大きく牽引

同時に、ストレージの投資パターンが「ユーザー企業からサービスプロバイダ」「IT部門からユーザー部門」にシフトし、スモールスタートや柔軟な拡張性、迅速なインフラ配備、ビジネス課題解決を優先といったニーズが増えていることを述べ、この投資シフトを明確に把握し、ICTインフラ全体の変革の中でストレージ投資を考えるべきと提言している。

今回は、ICTインフラのクラウド化・仮想化が進む中でどのようなストレージが求められるのか、その要件と、「災害対策」と「仮想化・クラウド環境におけるストレージの最適化」という課題に対するソリューションを提示した、富士通の荒木の講演を紹介する。

ビジネスの変革を支える富士通ICTの取り組みとストレージソリューション

クラウド時代のICTインフラに求められるストレージの要件

ICT利用の目的は、ICT技術の進化によって変化してきた。メインフレームによる業務の生産性の向上から、インターネットとPCの普及によるビジネスプロセスの変革、そして今後はクラウドを中心により「人」に近いところでの利用、すなわちヒューマンセントリックな利用が進むと思われる。ICTシステムは、ビジネスの効率化だけでなく、新たなビジネスを創出し、ビジネス全体を支える存在として位置付けられるようになる。
クラウド化が進む中、ICTインフラを支えるストレージに対する要件も変化している。荒木は、その要件として、運用性(プロビジョニング、監視、容量予測、階層管理、セキュリティ、データ保護)および最適化(シン・プロビジョニング、重複排除、仮想化環境対応)を挙げた。さらに、ストレージ単体ではなく、サーバ、ストレージ、ネットワークを統一的に管理する仕組みの必要性を述べ、富士通のソリューションとして、仮想環境でETERNUS ディスクアレイやNAS製品を効率的に管理するServerView Resource Orchestrator(ダイナミックリソース管理ソフトウェア)ETERNUS SF(ストレージ基盤ソフトウェア)を提案した。

富士通 講演

荒木 純隆
富士通株式会社 プラットフォーム技術本部
プロダクトソリューション技術統括部
シニアディレクター 荒木 純隆

【仮想化環境に最適な主要プロダクト】
仮想化環境に最適な主要プロダクトの図

コストを抑えた災害対策

お客様の災害対策へのニーズは高い。災害対策では、一番大きなリスクを想定して備えることが基本だが、日本ではどうしても地震などの大規模災害を想定することが多くなる。そのため、本格的な災害対策の導入が既存のICTインフラに大きく影響すること、コストが高くなることが課題となっている。
災害対策で何より大切なことはお客様のデータを守ることである。失われたデータは二度と取り戻せない。一番簡単な対策はデータのバックアップである。荒木は、富士通ではデータ保護・災害対策実現のレベルを6段階に分類し、レベル0ではデータのバックアップと保管、レベル1ではデータのバックアップと外部での保管、レベル5では災害時に業務を迅速に再開、と段階的にソリューションを提供していることを説明した。

バックアップの基本はテープへのバックアップであるが、メディアの管理や外部保管時のリスクといった課題がある。これに対しては、ETERNUS LT テープライブラリによるテープバックアップ統合のソリューションを提案。暗号化、漏洩防止、改ざん防止機能により外部保管時のデータ漏洩等のリスクも低減できる。

ディスクとネットワークを使った遠隔地へのバックアップへのニーズも高くなっている。これに対しては、重複排除機能を備えたETERNUS CS800 S4 デデュープアプライアンスを提案。ETERNUS CS800 S4によるバックアップでは、重複排除と圧縮によりバックアップデータを最大90%削減でき、仮想OSを使う仮想環境では特に高い効果が得られる。また、ネットワークを介して遠隔地のETERNUS CS800 S4にバックアップする際には最低限のデータを送るだけで済むため、回線の使用帯域が抑えられ、ネットワークコストを削減できる。

【容易に導入可能なディスク&ネットワークバックアップ】
容易に導入可能なディスク&ネットワークバックアップの図

また、遠隔地へのバックアップだけでは業務再開はできない。有事の際にはサイト切り替えによる業務継続性が求められ、その備えとして、常時データを遠隔地へ転送するネットワーク構築が必要となる。その一方でネットワークコスト軽減の課題がある。ETERNUS DX ディスクアレイはiSCSIインターフェースに対応しており、FC-IP変換用ゲートウェイ装置などが不要で導入コストを抑えることができる。さらにベストエフォート型回線を利用して転送するデータの順序性を維持するテクノロジーなど、コストを抑えた災害対策について事例を挙げて説明した。

【iSCSIによるレプリケーションで導入コスト抑制】
iSCSIインターフェースによるレプリケーションの図

仮想化・クラウド環境におけるストレージの最適化

仮想化、クラウドの導入により、コスト削減や運用簡素化など効果がある一方で、単なるストレージ統合だけでは解決しない課題が増えている。荒木は、具体的にどのような課題があるか、およびその課題に対するソリューションについて紹介した。

ストレージを統合してもディスクの使用率が低く、投資に対して十分に効果が得られない。この課題には、ストレージの容量を仮想化するシン・プロビジョニングの導入が有効である。ETERNUS DX ディスクアレイはシン・プロビジョニングをサポートしており、物理ディスクプールから必要に応じて仮想ボリュームを自動で割り当てることで、ディスク使用率の向上を可能にする。

データへのアクセス性能が悪い、保管にコストがかかりすぎるという課題には、自動階層制御が有効であることを提案。アクセス頻度が高いデータはSSD、中程度のデータはオンラインディスク、頻度が低いデータはニアラインストレージに自動配置する技術であり、特に各データへのアクセス頻度に偏りがあるシステムで大きな効果が期待できる。また、データの再配置、最適チューニングには性能評価サイクルの考え方が重要であるが、ETERNUS SF Storage Cruiser Optimization オプションは自動的に性能情報をきめ細かく分析、データの再配置を行うため、複雑な配置設計が不要となり、導入設計・運用管理コストが削減できることも加えた。

仮想化環境では、仮想OSの追加によりストレージの容量や性能がすぐに不足し、将来必要となる容量や性能を予測できないという課題がある。これに対しては、容量や性能を段階的に増加できるスケールアウト型ストレージの利用が有効である。ETERNUS VX700 seriesは仮想化環境で性能とストレージ容量を簡単に拡張でき、さらにVMwareとの連携機能により仮想環境でのストレージの一元管理を実現する。

また、ストレージネットワーク機器へのニーズも高まっているという。LAN、SANが分離したネットワークではシステムの拡張に伴い、各ネットワーク機器が増加し管理が煩雑になりがちである。 LAN、SANのネットワーク統合を実現するFCoE コンバージドスイッチは、機器を集約することで省電力・省スペースかつ管理コストを削減できる点で注目が高い。

まとめ

ストレージ管理に関してはさまざまな課題があり、その課題に関してどのソリューションが最適化を見極めることは難しい。荒木は、最後に富士通が提供するストレージアセスメントサービスを紹介した。ストレージアセスメントサービスには、ファイルサーバの運用に関するファイルサーバアセスメントサービスと、ストレージ運用に関するコスト削減や最適化に関するストレージ最適化アセスメントサービスがあり、お客様のサーバ・ストレージ環境の課題を可視化して改善案を提案する。

荒木は、富士通のチャレンジとして、ICTをビジネスの現場に活かすために、高機能ストレージ、仮想化ストレージ、ストレージ管理ソフトウェアなどお客様のニーズに応じた幅広い製品の提供を続けていくことを表明して、講演を締めくくった。

(注)ストレージソリューションの提案内容は下記講演資料をご一読ください。

富士通講演スライド

ビジネスの変革を支える富士通ICTの取り組みとストレージソリューションPDF ビジネスの変革を支える富士通ICTの取り組みとストレージソリューション (7.32 MB )

掲載日:2013年3月25日


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