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Fujitsu

Japan

導入 / 運用 / 拡張、あらゆる局面の作業を簡略化する仮想化ストレージ「ETERNUS VX700」
結線してから4ステップで設定が完了、70~80%の工数削減を実現

鈴木恭子   2013年6月6日

5月16日から2日間、東京国際フォーラムで開催された「富士通フォーラム 2013」。会場には富士通の最先端のテクノロジーをはじめ、ソーシャル / ビジネスをイノベーションさせるプロダクトや取り組みが多数展示された。

その中で富士通の「ICTイノベーション」をテーマに掲げたブースでは、既存ICT基盤の最適化を実現する最新プラットフォームが、デモを交えながら紹介された。ここでは2012年に販売開始、2013年1月にバージョンアップされている仮想化環境向けストレージ「ETERNUS VX700 series」を中心に、ICT基盤を最適化する富士通のプラットフォームの数々を紹介しよう。


富士通フォーラム2013の様子。展示ブースには多くの人が詰めかけた

結線してから4ステップで設定が完了、70~80%の工数削減を実現

ICTインフラのモダナイゼーションを実現する技術として注目されているのが、仮想化である。しかし、仮想化によるシステム統合で、ハードウェア / ソフトウェアのコストは削減できたものの、運用管理のタスク増加や、作業工程の複雑化といった新たな課題に直面することもしばしばだ。その結果、全体的なコスト削減は実現せず、管理者の作業負荷ばかりが増加してしまうケースも多い。

こうした課題を解決するのが、仮想化環境向けストレージ「ETERNUS VX700 series」である。


「ETERNUS VX700 series」。写真は10Gbit/s iSCSIインタフェースをサポートする「ETERNUS VX740」


富士通プラットフォーム技術本部
プロダクトソリューション技術統括部の堀越恵太氏

ETERNUS VX700 seriesは、運用 / 管理で必要な機能をすべて標準実装した、スケールアウト型のストレージである。設計 / 導入にかかる工数を大幅に削減し、ストレージに関する知識がなくても操作できるのが特徴だ。デモンストレーションを行った富士通プラットフォーム技術本部プロダクトソリューション技術統括部の堀越恵太氏は、「ETERNUS VX700 seriesの優位性は、なんと言っても直感的な管理GUI。例えばノードの追加もPCに外付けハードディスクを増設する感覚で実行できる」と語る。

例えばディスクの設計をする場合、従来型のストレージは、RAIDレベルやディスク本数 / 種別を選択し、容量を計算したうえでボリューム設計する必要があった。しかしETERNUS VX700 seriesはボリュームタイプを選択するだけでよい。それもGUIでボタンをクリックするだけだ。

さらに、スケールアウト型ストレージETERNUS VX700 seriesは、システムを停止することなく、プロセッサユニット(データ制御部)とストレージユニット(データ保存部)で構成されるノードを簡単に追加できる。これにより性能や容量アップは必要に応じて段階的投資が可能になる。

そのスケールアウトの設定はわずか2ステップで完了する。まず、増設したノードを登録する。増設したノードは自動認識され、登録後の空き容量に反映される。下の写真は導入設定後の管理画面である。


左 : Step1「ストレージ(ノード)登録」(1)
物理使用量78%と容量の警告しきい値75%を超えたため画面左上の状態表示は「Warning(黄色)」になっている。容量追加のため「ノード増設」を行うと、ハードウェアの拡張ノードが1になっていることがわかる(右側)。次に画面上のバーにある「スケールアウト」をクリックすると拡張ノードが自動認識される。

右 : Step1「ストレージ(ノード)登録」(2)
スケールアウトの画面では物理空き容量が増えているのがわかる(右側)。下側の「登録して次へ」をクリックする。


Step2「iSCSIポートの設定」
最後に追加したノードのiSCSIポートを設定する。IPアドレスを設定して終了をクリックすれば完了だ。拡張したストレージ容量はすぐに使用できる。

堀越氏は、「仮想化技術を活用したサーバ統合では、従来のようにサーバの性能チューニングができないという課題がある。その中で簡単に容量 / パフォーマンスを拡張できるのがETERNUS VX700 seriesだ。必要に応じて段階的に拡張が可能なので、最初から大容量のストレージ製品を1台導入するよりも初期導入コストを抑えられる。データセンターなど、(サーバ容量の)見通しが立てづらい分野には最適だ。何より効率のよい投資ができる」と、その優位性を強調する。

また、仮想環境との高い親和性も特徴だ。vCenterサーバに無償のプラグイン・モジュール「vCenter Plug-in」をインストールするだけで、vSphere管理者はvCenter上からETERNUS VX700 seriesのモニタリングやプロビジョニング、バックアップ / リストアといった操作ができる注1

(注1)vCenterから「ETERNUS VX700 series」を操作する様子はこちらの動画で確認できる。プロビジョニングやバックアップ / リストア、稼働状況のモニタリングをvCenter上で行う手順が具体的に紹介されているので、ご覧になるとよいだろう。


vCenterの管理画面でETERNUS VX700 seriesのストレージ容量を確認できる

万が一の障害でもビジネスを止めない
クラスタ構成とノード間ミラーリング

サーバ仮想化環境で留意すべきは障害対策である。物理サーバの場合、障害によって影響を受ける範囲は限定的であった。しかし統合されたシステムでは、ストレージ障害が発生すると多くのシステムに影響を及ぼす。そのためには、万が一障害が発生しても、ビジネスを止めないシステムの構築が重要だ。

その役割を担うのが、ノード間のミラーリング機能である。これは基本ノードと拡張ノードを使用し、ノード間でデータを重複して保存するものだ。万が一、ストレージユニット障害が発生しても、どちらかのノードはサーバにアクセスできる仕様になっている。ストレージユニットの保守が終わったら、自動的にデータの冗長性は回復される。

もちろん、コンポーネントもクラスタリング構成になっている。基本ノード内でもプロセッサ・ユニットとストレージスイッチが冗長化されており、プロセッサ・ユニットもクラスタ化されている。これにより、万が一故障があれば、該当ユニットを切り離せばよく、全体のシステムを停止させる必要がない。

また災害対策としてETERNUS VX700 seriesは、遠隔地レプリケーション機能も備える(2013年10月提供予定)。これはETERNUS VX700 series上で稼働しているVMwareやサーバのデータを一元的に遠隔地に転送するものだ。ディザスタリカバリーの観点からもETERNUS VX700 seriesは、すぐれたストレージと言えるだろう。

ICTインフラの簡単な導入と最適な運用がポイント
「買ってすぐに使える」高性能・垂直統合型プラットフォーム

近年、ICTインフラの構築で要求されるのは、導入から稼働までの「スピード」であるという。さらにミッションクリティカルを要求される環境では、高信頼なシステムでなければならない。しかし従来のデータベースサーバの構築は、「どのようなプラットフォームを構築するか」といった部分の決定に時間を費やしていた。また、導入決定後も二重化構成の構築や、ソフトウェアの導入といった作業を行わなければならない。通常、顧客が製品を購入して稼働させるまでに約2.5ケ月を要するという。

こうした課題に答えるのが、富士通の垂直統合プラットフォーム「Dynamic Integrated Systems」である。会場には垂直統合型データベースシステムである「FUJITSU Integrated System HA Database Ready」と、垂直統合型の仮想化・クラウド製品である「FUJITSU Integrated System Cloud Ready Blocks」が同じラックに格納されて展示されていた。


上が「HA Database Ready」、
下が「Cloud Ready Blocks」


富士通ミドルウェア事業本部
データマネジメント・ミドルウェア事業部の中山昌宏氏

「FUJITSU Integrated System HA Database Ready」の特徴は、従来のデータベースサーバ導入に必要だった構築、設定といった作業が不要であることだ。これらの設定は、すべて富士通の工場出荷時に完了している。富士通ミドルウェア事業本部データマネジメント・ミドルウェア事業部の中山昌宏氏は、「従来であれば約2.5ヶ月かかっていた作業が、搬入後、電源を入れてから1日で終えられるようになる」と語る。リソースを最大限に活かすためのチューニングが実施された状態で提供されるので、「お客様側はネットワーク設定をするだけ」(中山氏)と強調する。

もちろん、ミッションクリティカルな業務を遂行するための構成も万全で、サーバ、ネットワークや電源も完全な二重化構成となっている。データは正サーバと副サーバに、それぞれのSSDに保存され、内蔵のストレージ装置に自動でバックアップされる。つまり機器は二重化、データは三重化されているのだ。さらに、トラブル発生時のデータ復旧もワンクリックで可能。「簡単な操作でリカバリーできることが当社の強み」と語る。

SSDはPCIe インタフェースに接続することで、高速性を実現している。中山氏によると、ディスクで組んだ場合と比較し、約20倍の性能でトランザクション処理が実行できるという。


垂直統合型データベースシステムの
「HA Database Ready」

一方、「FUJITSU Integrated System Cloud Ready Blocks」も、仮想化ソフトウェアを含む関連ソフトウェアのインストールから設定までのすべてが工場で実施された、垂直統合型の仮想化・クラウド基盤である。中山氏によると、従来必要としていた専門要員による設計・設置・導入作業・設定作業が必要なくなるため、初期導入に要するコストを最大40%削減できるという。

「物理サーバを仮想集約したい、あるいは、仮想化したシステムをプライベートクラウド化して運用効率をあげたい、といった要件に最適です。短期間でこういった要件に合うICTインフラを構築したいがノウハウがないというお客様に利用して頂きたい」(中山氏)

またシステム規模と仮想化・クラウドの実現レベルに応じて構成を柔軟に対応できるのも特徴だ。例えば60VM以下の小規模から1,000VMまでの大規模まで対応可能。「小さくはじめて大きく育てる環境に最適」(中山氏)だという。


垂直統合型の仮想化 / クラウド基盤「Cloud Ready Blocks」。必要な設定はすべて工場出荷時に完了している

ビッグデータ時代を見据えたソリューションも多数展示

またICTイノベーションのコーナーには、デデュープアプライアンスである「ETERNUS CS800 S4」も展示されていた。

ビッグデータ活用に代表されるように、近年企業が保存するデータ量は増加の一途をたどっている。その中には重複データも少なくない。ETERNUS CS800 S4はこうしたデータを重複排除 / 圧縮する機能を備える。バックアップ環境や条件により差はあるが、データ量は90%以上の削減が見込めるという。さらに圧縮されたデータは、差分のみを転送するため、安価な低帯域WANによるデータ転送が可能だ。なお本製品は、同社の「リモートバックアップサービス」と連携している。

これにより、自社で遠隔地に災害対策用サイトを所有していない企業でも、災害対策システムを構築できる。もちろん、管理GUIもわかりやすい使い勝手で、設定に手間取ることがない。


データの重複排除(ディデュープ)と圧縮機能を提供する「ETERNUS CS800 S4」

今回「ICTイノベーション」ブースで展示された製品に一貫していたのは、「管理者視点に立った運用負荷の軽減と、経営者視点に立った効率化とコスト削減」という哲学である。既存ICT基盤最適化の主な目的は、ビジネスの効率化とイノベーション分野への投資を拡大するべく、既存ICT基盤の保守費用を削減することだ。しかし、そのために管理者の運用負担が増大しては、本末転倒である。そうした意味において、ETERNUS VX700 seriesを中心とした富士通のICT基盤最適化ソリューションは、経営視点に立脚した戦略的プラットフォームと言えるだろう。高可用性と高信頼性を求める企業にとって、最適な選択肢となるはずだ。


「株式会社 毎日コミュニケーションズ マイコミ」2013年6月6日 掲載記事より転載。
本ページで掲載されている内容は、掲載日時点のものです。

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