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眼科医療機器大手ニデックが社内のファイルサーバを大幅統合、 ストレージ選びの決め手は?

部門ごとに設置されているファイルサーバをしっかり管理したい。眼科医療機器大手のニデックはこの問題の解決を目指し、先進的なストレージの導入を検討した。製品選びの決め手は何だったのだろうか。

社内に散在するファイルサーバをストレージ装置に集約

愛知県蒲郡市に本社を置くニデックは、眼に関するさまざまな製品を開発、製造、販売する企業。眼に関する医療機器や、視力の測定機器といった分野では国内トップシェアを誇る他、海外においても高いシェアを有している。また、眼に関する幅広い領域でビジネスを展開している。

全国に12カ所の支店を持ち、1500人以上の従業員を抱える他、海外にも拠点を構える同社では、情報システム部が全社的な情報システムの企画、構築、運用を取り仕切っている。とはいえ、社内では情報システム部のガバナンスが及ばないITも使われており、以前から課題になっていたという。

ニデック 情報システム部 部長 渡会雅章氏の写真
ニデック 情報システム部 部長
渡会雅章氏

同社 情報システム部 部長 渡会雅章氏は次のように述べる。「業務部門が独自に安価なサーバやNASを設置して、ファイルサーバとして使うケースが増えていました。現場にとっては使い勝手が良く、安心感が高いかもしれませんが、重要なデータがあちこちに散在しており、きちんと管理できていない状況は問題だと感じていました。事実、データのバックアップは現場で行っており、多くがテープやDATによる手動作業でした。きちんとバックアップが運用できていない恐れがある中、データの一元管理と保護の体制をきちんと確立する必要性に迫られていました」

そんな折、東日本大震災が発生した。多くの製造企業が被災により重要なデータを消失したり、工場の操業停止に追い込まれる状況を目の当たりにし、ニデックでも早急にデータ保護の対策を講じる必要性を実感したという。

同社 情報システム部 情報企画課 主任技師 後藤 稔氏は、当時の状況を次のように振り返る。

「それまでは、IT投資に慎重な声も社内に多くありましたが、震災の被害を目の当たりにして早急に対策を講じる必要性を皆が実感しました。また、震災に伴う消費電力削減の要請に応えるためにも、社内に散在するサーバやNASを集約し、IT機器の数を減らす必要がありました」

そこで同社が検討に取り掛かったのが、情報システム部の管理が行き届いていない社内のファイルサーバやNASを極力廃し、その代わりにデータを集約して一元管理するということだった。データを1カ所に集めることにより、情報システム部で確実にデータを管理でき、バックアップも確実に実施できるようになる。情報システム部は、早速ストレージ製品の選定を始めた。

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コストとサポート力が決め手となりETERNUS NR1000F採用を決定

ニデック 情報システム部 情報企画課 主任技師 後藤 稔氏の写真
ニデック 情報システム部
情報企画課 主任技師
後藤 稔氏

情報システム部ではこれまで、各種システムで利用するために、社内にさまざまなベンダーのストレージ製品を導入した実績があった。そうしたストレージ製品を含むさまざまな選択肢を比較検討する中、最も同社のニーズに合致すると判断したのが、富士通のパートナー企業である扶桑電通が提案した、富士通製ストレージ製品「FUJITSU Storage ETERNUS NR1000F(以下、NR1000F)」を使ったソリューションだった。

扶桑電通は、富士通のメインフレームユーザーであるニデックのシステム構築、運用、サポートを提供するパートナー企業として、長年の付き合いがあった。扶桑電通はNR1000F の運用、サポートに関しても総合窓口としてニデックを支援している。

渡会氏によれば、扶桑電通によるNR1000Fの提案は、あらゆる面で同社の要件にマッチしていたという。

「外資系ベンダーも含め、複数のメーカーやシステムインテグレーター(SIer)に見積もりを依頼しましたが、NR1000Fを使った扶桑電通の提案が最も費用対効果に優れており、

この価格感であれば、余計なコスト負担なしに導入できると判断しました。また情報システム部の現場にとっては何より、弊社のビジネスを理解し、柔軟な対応をしてくれる扶桑電通のきめ細かなサポート力が決め手になりました。NR1000Fを導入したことはありませんでしたが、付き合いが長く、これまで弊社の要望にきめ細かく応えていただいていて、定例の会議も開いている扶桑電通が運用やサポートに当たっていただけるなら、安心して導入できることに加え、問題が生じた際には、すぐ現地に駆け付けてくれる富士通の優れたサポートサービスも魅力でした」(渡会氏)

また、機能面でも幾つかのアドバンテージがあったという。特に、NR1000Fが持つ「スナップミラー」というリモートレプリケーション機能は、同社が計画していたデータのバックアップ/保護の仕組みと極めて親和性が高かったのだ。ストレージへの集約を機にそれまで、各部門が独自にテープバックアップを取っていたバックアップ運用を、情報システム部で一元化するとともに、テープバックアップを廃して全てHDDへのバックアップに切り替える。それと同時に、遠隔地に設置したストレージ装置同士でレプリケーションを行うことで、リモートバックアップも実現しようというのが狙いだった。

「蒲郡本社エリアにあったファイルサーバのデータは、本社のサーバルームに設置したNR1000Fに集約しました。その上で、札幌支社に同じ容量を持つNR1000Fを設置し、バックアップ専用に設置した専用線を経由して、スナップミラー機能を使ってリモートレプリケーションを行います。また、東京支社にも重要な業務データが存在するので、それらは東京支社に設置したNR1000Fで集約した上で、蒲郡本社のサーバルームに設置した別のNR1000F上に同じくリモートレプリケーションすることにしました。こうした相互バックアップの体制を構築する上で、NR1000Fのスナップミラー機能は極めて有用でした」(後藤氏)


ニデックが構築したバックアップ構成

今後はサーバを含めたミラーサイトの構築も

ニデック 情報システム部 開発運用課 担当課長 長坂雅司氏の写真
ニデック 情報システム部
開発運用課 担当課長
長坂 雅司氏

NR1000Fを使ったファイルサーバ統合とリモートバックアップの仕組みは、2012年に無事稼働を開始した。以来、特に大きな問題を起こすことなく、今に至るまで安定して稼働しているという。2014年4月には、管理データの増加に対応するためにHDD増設も行っている。

ニデック 情報システム部 開発運用課 担当課長 長坂雅司氏によれば、社内のストレージのユーザーは年々増え続けているという。「導入当初は5つの部署のみの利用でしたが、いざ使ってみるとアクセススピードにも全く問題ないし、現場でバックアップ運用や筐体のメンテナンスを行う必要もないなど、多くのメリットがあることを現場のユーザーに理解していただけました。こうした評判が、社内に口コミで広がるにつれ利用が広がっていった結果、保管するデータの量も年々増え続けています」

「Microsoft Office」の一般的なドキュメントデータ以外にも、最近では設計開発や生産管理のためのビジュアルなドキュメントや、営業担当がプレゼンテーションのために使う動画ファイルなど、大容量のファイルデータも増えてきているという。

今後も管理データの容量は増え続けていくことが予想されるため、拡張性に優れるNR1000Fを選択したのは成功だったと長坂氏は言う。

ニデック 情報システム部 開発運用課 柘植 聡氏の写真
ニデック 情報システム部
開発運用課
柘植 聡氏

「バックアップもスナップミラー機能で自動化したため、業務現場や情報システム部のバックアップ工数を削減すると同時に、部門ごとの運用に依存したテープによるバックアップよりはるかに確実なバックアップ/リストア体制を構築できました。また、これまで社内に散在するファイルサーバにトラブルが発生した際の対応作業に割かれていた工数も劇的に削減できました」(長坂氏)

既に、同社内ではテープバックアップの運用を全廃し、全てNR1000Fを使ったディスクバックアップ体制に移行しているという。また、ファイルサーバ統合に伴い社内に存在するサーバの台数は149台から81台へと激減、部門ごとに導入したNASも残り2台へと減り、現在も集約を進めている。IT機器が消費する電力の総量も、明らかに減っていることが確認できているという。

ニデック 情報システム部 開発運用課 前迫直樹氏の写真
ニデック 情報システム部
開発運用課
前迫 直樹氏

こうして当初の導入目的を大方達成したように見えるニデックだが、NR1000Fを導入した上での大仕事が残っているという。それは、サーバを含めたミラーサイトの構築だ。

「現時点では、遠隔地へのデータバックアップはできているものの、いざ本番サイトがダウンしてしまった場合、システムそのものを復旧するにはサーバの立ち上げも含め時間がかかってしまいます。そのため、真の災害対策やBCP(事業継続計画)を実現するためには、ミラーサイトを構築する必要があると考えています。既に扶桑電通の力を借りて、一部の基幹システムのミラーサイト構築のプロジェクトが動き始めていますが、ここでもNR1000Fの各種機能が大きな役割を果たしてくれると大いに期待しています」(後藤氏)

株式会社ニデック


眼に関する医療機器や眼鏡機器などを開発、製造、販売。眼に関する医療機器や、視力の測定機器といった分野では国内トップシェアを誇ります。また、眼に関する幅広い領域でビジネスを展開しています。

Webサイト:http://www.nidek.co.jp/新規ウィンドウが開きます

扶桑電通株式会社


2014年に創業66年を迎えたICTソリューションパートナー。2014年7月に今まで培ってきたICTの技術・実績などのノウハウに基づく製品・サービスを「ICTコンビニサービス」として整備・体系化。お客さまの"なりたい姿"の実現に向けて取り組んでいます。

Webサイト:http://www.fusodentsu.co.jp/新規ウィンドウが開きます

本記事は、アイティメディア株式会社のTechTargetジャパンに掲載された記事を許可を得て転載しております。

出典元:TechTargetジャパン
記事公開日:2015年03月02日
記事タイトル:眼科医療機器大手ニデックが社内のファイルサーバを大幅統合、ストレージ選びの決め手は?
記事URL:http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1503/02/news01.html新規ウィンドウが開きます

掲載日:2016年1月4日

製品情報

ETERNUS NR1000F series ネットワークディスクアレイ 製品ラインナップ画像

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ETERNUS NR1000F series ネットワークディスクアレイ