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Fujitsu

Japan

大規模データベースの統合に「SPARC M10」を導入
最新テクノロジーによりサーバ台数1/7、運用管理費1/5を実現

富士通株式会社 導入事例 [社内実践]

富士通株式会社 外観写真

全社最適化に向けた取り組みの一環として、企業の基幹業務を支えるデータベースの統合は重要なテーマです。富士通は、現在、大規模Oracleデータベースの統合を進めています。統合基盤には、高性能、高信頼性はもとより、Oracle VM Server for SPARCによる高い集約率、CPUコア アクティベーションやBuilding Block方式による優れた拡張性、移行性、災害対策など総合的な観点から「SPARC M10-4S」を選択。2013年10月から順次稼働し、共通基盤化によりシステム全体の可用性向上、トータルコストの削減を目指します。また社内実践で蓄積したノウハウのお客様サービスへの展開も進めています。

[ 2013年10月15日掲載 ]

 
【導入事例概要】
業種: 情報産業・通信
ハードウェア: UNIXサーバ SPARC M10-1, M10-4S
FUJITSU Storage ETERNUS DX440 S2
ソフトウェア: データベースOracle Database 11g
データベース災害対策Oracle Active Data Guard
データベースクラスタ Oracle Real Application Clusters
統合運用管理 FUJITSU Software Systemwalker
ビジネスアプリケーション基盤 FUJITSU Software Interstage

「数々の世界最高性能を実現した最新プロセッサSPARC64 X、64CPU・1,024コアという高い拡張性など、そのポテンシャルに大きな期待を寄せています。またメインフレームで培った高信頼技術を継承した安定稼働に対する安心感も採用のポイントになりました」

【課題と効果】
課題 効果
基幹業務システムのOracleデータベースの統合 高性能、高信頼性のもと、Oracle VM Server for SPARCによる仮想化集約で、既存Oracle Solarisサーバ台数を1/7に削減、運用管理費も1/5に削減
災害対策環境の構築による可用性の向上 「SPARC M10」の高い信頼性のもと、Oracle Active Data Guardの活用により、遠隔地の拠点にデータベースのミラーを配置し高い可用性を実現
社内実践としてOracle Databaseで構築された大規模データベース統合のノウハウの蓄積 リファレンスモデルとして大規模データベース統合に関するノウハウを蓄積し、お客様に対する提案、システム構築に活用

本事例に関するお問い合わせ

導入の背景

全体最適化の一環として大規模データベースを統合

富士通株式会社 中谷 俊一の写真
中谷 俊一
富士通株式会社
IT戦略本部
システム企画統括部インフラ企画部 部長

部分最適化された多くのシステムを全社共有のICTインフラとして最適化していくことは、増大する運用コストの削減や、変化の激しいビジネス環境への対応、災害対策など、さまざまな経営課題の解決に欠かせません。製造業である富士通も全体最適に向けた取り組みを進めていますが、自社の経営課題の解決に加え、お客様のシステム導入を成功に導くためのノウハウを蓄積する社内実践としても力を入れています。
「富士通社内の全体最適に向けた取り組みは2009年から始まり、仮想基盤上にサーバの集約を進めています。富士通グループの各部門に対し、最適化されたICT基盤上で共通のサービスを提供することにより、経営の効率化、ビジネススピードの向上を目指しています」と、富士通株式会社 IT戦略本部 システム企画統括部インフラ企画部 部長 中谷俊一氏は話します。IT戦略本部は、富士通社内の基幹システムやネットワークの開発、導入、運用など社内ICTのすべてを担っている部門です。

富士通が全体最適を進めていくプロセスにおいて、企業活動を支えるデータベースの統合は重要なテーマです。社内テータベースの多くを占める自社製データベース「Symfoware Server」による統合を先行して行い、次に比率の高いOracle Databaseによる統合に着手することになりました。

導入のポイント

集約性、拡張性、信頼性、移行性などの条件を高いレベルでクリア

データベース統合のねらいは、共通基盤化により富士通全体で運用コストの削減や可用性の向上、災害対策の強化を図るとともに、利用者に対して迅速かつ高品質なサービスを安定して提供していくことにあります。
統合基盤のプラットフォーム選択のポイントについて「多種多様なシステム集約を実施することから、高集約を実現する性能と仮想化機能、高い移行性、段階的に統合を進めるための柔軟な拡張性を重視しました。また販売管理、人事、購買など基幹業務を支えるデータベースのため高信頼性は不可欠でした」と、富士通株式会社 IT戦略本部システム企画統括部インフラ企画部 マネージャー毛利武晴氏は話します。
集約性、拡張性、信頼性、移行性などすべての条件に対し高いレベルでクリアできたサーバが「SPARC M10」でした。「数々の世界最高性能を実現した最新プロセッサSPARC64 X、64CPU・1,024コアという高い拡張性など、そのポテンシャルに大きな期待を寄せています。またメインフレームで培った高信頼技術を継承した安定稼働に対する安心感も採用のポイントになりました」(毛利氏)。

富士通株式会社 岩木 教人の写真
岩木 教人
富士通株式会社
IT戦略本部
システム企画統括部インフラ企画部

段階的に統合を進めていくために、利用するCPUコアに対する課金方式であるCPUコア アクティベーションの採用も評価されました。「SPARC M10は、1つのCPUに16個のコアがありますが、必要な分だけアクティベートして自由に拡張できる点は非常に有効です。最初から大きなものを準備するのではなく、ハードウェアリソースやソフトウェアライセンスなどを抑制しながら、なおかつ将来の拡張に対しても余裕があるというのは理想的です」と、富士通株式会社 IT戦略本部 システム企画統括部 インフラ企画部 岩木教人氏は話します。

システムの概要

Oracle Active Data Guardを活用し高い可用性を実現

新システムの構成は、データベース統合プラットフォームに「SPARC M10-1」、「SPARC M10-4S」を採用し、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)によるクラスタ構成で業務継続性の向上を図っています。またデータベースの災害対策としてOracle Active Data Guardを活用し遠隔地の拠点にデータベースのミラーを配置することで高い可用性を実現しています。
仮想化技術にはサーバのファームウェア層で仮想ハードウェア環境(ドメイン)を構築し、各ドメイン上で独立してOSを動作させることができる「Oracle VM Server for SPARC」や「Oracle Solaris Legacy Containers」を活用。高い集約率の実現はもとより、導入時期の異なる資産の統合で課題となるバージョンアップが難しいアプリケーションの移行において柔軟な対応が可能です。
「オラクルデータベースのバージョンは、Oracle Database 11gに統一し保守性の向上や運用管理の効率化を図っていきます。しかし段階的にシステムを集約していく過程では"アプリケーションの移行をすぐにはできないためOracle Solaris 10やSolaris 9、Solaris 8の資産を活かしたい"という要望は必ずでてきます。そのときにOracle VM Server for SPARCにより柔軟な対応ができるということは非常に役立ちます」(岩木氏)。
また「SPARC M10-4S」は筐体を連結し1台のサーバとして使用可能なBuilding Block方式を採用しており、1筐体単位で増設できるため効率的に統合計画を進めることができます。

富士通株式会社 システム構成図

今後の展望

最新テクノロジーによる高性能でバッチ処理時間の短縮、レスポンスの向上

富士通株式会社 毛利 武晴の写真
毛利 武晴
富士通株式会社
IT戦略本部
システム企画統括部インフラ企画部
マネージャー

新システムは2013年10月より順次稼働し検証も行いながら、2014年度から本格運用を開始、2016年度中にプロジェクトの完了を目指しています。
今回、「SPARC M10」による統合効果として、既存Solarisサーバ134台を「SPARC M10」20台に集約しサーバ台数を1/7に削減。サーバ台数の削減に伴い、運用管理費は1/5に削減。また1台の「SPARC M10」に集約することでライセンスや保守に要する費用も抑制しています。さらに「SPARC M10」の高い集約率とOracle Active Data Guardにより高信頼なDR(ディザスタリカバリー)システムの構築を実現しています。
「SPARC M10」の高性能による効果について「バッチ処理時間の短縮はもとより、System on Chipなどの高密度実装技術の採用によりメモリアクセスが高速化したため、購買業務などのリアルタイムでのレスポンス向上にも大いに期待しています」と毛利氏は話します。

今後の展望について「移行作業もこれから本格的に行うことになりますが、Oracle Solarisのバイナリ互換による高い移行性によりスムーズに行えると考えています。統合基盤のセキュリティ面のさらなる強化も図っていきますが、暗号化ではSoftware on Chipによりタイムラグなく処理できる点も期待しています。また社内実践の面では、移行手順書や蓄積したノウハウをお客様サービスに展開していくリファレンスモデルとしての展開も進めています」と中谷氏は話します。
富士通は、「SPARC M10」の最新テクノロジーを最大限に活かすノウハウを社内実践も含めて蓄積し、お客様の成長を支えるICT基盤づくりに貢献していきます。

【富士通株式会社 会社概要】
所在地 (本店)〒211-8588 神奈川県川崎市中原区上小田中4-1-1
代表取締役社長 山本 正已
設立 1935年6月20日
従業員数 169,000名(2013年3月末現在)
事業内容 通信システム、情報処理システムおよび電子デバイスの製造・販売ならびにこれらに関するサービスの提供
富士通株式会社 ロゴマーク
ホームページ 富士通株式会社 ホームページ
  • 本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

【導入事例(PDF版)】

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