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Fujitsu

Japan

エントリーサーバSPARC Enterprise M3000を
新会計システムに導入
性能、コストパフォーマンスが大幅に向上

三洋化成工業株式会社様 導入事例


パフォーマンス・ケミカルス分野の可能性をひらく三洋化成工業株式会社。同社は、会計システムの更新を機に、SPARC Enterprise™ M3000を導入。レスポンスが大幅に向上し、バッチ処理時間も1/4に短縮、さらにコスト削減面でも大きく貢献しています。また将来のグループ会社のシステム統合にむけて余裕を持った対応を可能にしています。

2010年1月12日掲載 / 印刷用 PDF版ダウンロード (494 KB)

導入事例概要
業種: 製造業(化学工業)
ハードウェア: UNIXサーバ SPARC Enterprise M3000(注)
PCサーバ PRIMERGY RX200,TX300
ストレージ ETERNUS2000
ソフトウェア: 企業会計統合ソリューションGLOVIA/SUMMIT V
Oracle Database 10g Standard Edition One

(注)SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。本製品の後継機種はSPARC Serversです。

「経理部門からは検索などの処理スピードが明らかに速くなり、業務効率の向上に貢献していると評価されています。今回、システム立ち上げ当初の2002年から蓄積された全データを移行していますが、それにも関わらず私の体感では、レスポンスが3倍くらい向上していると思います。また、夜間バッチ処理も従来6時間要していたものが今は1時間半程度、約1/4に短縮できました。ここまでスピードアップしたことに驚いています」

パフォーマンス・ケミカルス(機能化学品)分野を優れた研究開発力で牽引する三洋化成工業株式会社(以下、三洋化成工業)。同社は会計システムの更改にあたり、GLOVIA/SUMMITのバージョンアップと、データ量増大に伴う性能面の強化、そしてコスト抑制が課題となっていました。エントリーサーバSPARC Enterprise M3000の導入により、バッチ処理時間は1/4、レスポンスは体感で3倍向上、さらにコスト削減にも貢献。また今後のグループ会社のシステム統合にもゆとりをもった対応が可能になりました。

課題と効果
1 レスポンスの向上、バッチ処理時間の短縮をはかりたい。 レスポンスは約3倍向上、バッチ処理時間も約6時間から約1時間半に大幅短縮。性能向上により今後のグループ会社のシステム統合にむけて余裕をもった対応が可能に。
2 止められない会計システム。高信頼性を実現したい。 これまでの実績に基づく富士通UNIXサーバに対する大きな信頼感のもと、SPARC Enterpriseを選択。新会計システムも順調に安定稼働。
3 TCO削減をはかりたい。 エントリーサーバSPARC Enterprise M3000の採用により、初期導入費用や保守費用などの運用コストを削減。特に、ソフトウェア全体のコストは1/2以下に大幅削減。

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導入の背景

スピード経営を実現するべく基幹システムを再構築

使い捨てができる紙おむつの登場は、家事に忙しい母親たちに時間と心のゆとりを生みだしました。この画期的な製品の実現に欠かせない高吸水性樹脂の商業化に初めて成功したのが三洋化成工業です。同社が扱っている製品は、パフォーマンス・ケミカルス(機能化学品)と呼ばれる分野に属します。たとえば、紙おむつ向けであれば吸水性といった、素材そのものではなく機能や性能が求められる化学品のことです。

「当社は研究開発により新製品を創出し続けることで成長してきました。社員の27%は研究者で、業界に先駆けて実用化した技術も数多くあります。研究開発の特長はニーシーズ指向です。ニーシーズ、つまりニーズに対応して開発した技術に別の技術を組み合わせ、これをシーズにして新たな分野のニーズに対応していく。たとえば、高吸水性樹脂は使い捨てカイロや苗の育成のためのシートなどにも幅広く応用されています。研究開発と営業が一体となったビジネスは当社の最大の強みです」と、広報部部長の中嶋信策氏は語ります。

三洋化成工業株式会社 広報部 部長 中嶋信策 氏

同社の製品は、ヘアケア製品用界面活性剤、医薬品原料から自動車の内装材原料、ハイブリッド車向けアシスト電源として期待される電気二重層コンデンサ用電解液、複写機のトナー用樹脂など、さまざまな分野で3,000種類以上にも及んでいます。

グローバル化も強力に推進しており、現在、同社の売上構成の約3割は海外です。また、経営基盤のさらなる強化を目的に、生産革新にも着手しています。

経営基盤を支えるITインフラ面では、2002年頃に基幹システムを再構築。会計システムには富士通の会計パッケージGLOVIA/SUMMIT、データベースサーバにUNIXサーバPRIMEPOWER 400を採用し、会計業務の効率化、会計データの戦略的な活用と、生産システム、販売システムとのシームレスな連携をはかっています。

スピード経営を支える会計システムは順調に稼働を続け、6年が経過した2008年に、システム更改のための検討プロジェクトがスタートしました。

導入の経緯

性能面の向上とコスト抑制がシステム更改の課題に

三洋化成工業株式会社 CPシステム部 部長 中村五月男 氏

「今回のシステム更改では、会計パッケージをGLOVIA/SUMMIT V(ファイブ)にバージョンアップするにあたり、ワークフローには自社で構築したシステムをアドオンしていたため、それらの資産の継承も考慮しました。さらに、データ量増大による性能面に関する課題への対応、コストの抑制などがポイントとなりました」と、CPシステム部部長の中村五月男氏は語ります。

6年間にわたるデータの蓄積に加え、グループ会社のシステムを統合したことによりデータ量も急増。利用部門からレスポンスの向上に対する要望もあがっていました。また、同社では毎月第一営業日に仮決算の報告を実施していますが、夜間バッチ処理の長時間化により作業に取りかかる時間の遅延も懸案事項となっていました。さらに、新たなグループ会社の統合も視野に、余力をもったスペックも求められていました。

CPシステム部主任の臼井文氏はサーバ採用の経緯をこう話します。「今回は、性能面とともにコストパフォーマンスも非常に重視しました。性能と価格の両面で当社の要望に最適だったのがSPARC Enterprise M3000でした」。

導入のポイント

性能、価格に加え、これまで築いてきた信頼の実績も重視

三洋化成工業株式会社 CPシステム部 主任 臼井 文 氏

ビジネスの根幹となる会計システムは止まることが許されません。「Windows系サーバに切り替える選択肢も考えましたが、やはり信頼性の面ではSolarisサーバへの安心感があったことと、Windowsへの移行作業には膨大な時間とコストを要するうえ、リスクも伴います。Solarisであれば既存資産の継承もスムーズにおこなえます。これまでPRIMEPOWER 400で築いてきたOSとハードウェアに対する信頼の実績は採用を判断するうえで大きなポイントになりました」(中村氏)。

コスト削減面について臼井氏はこう説明します。「コストパフォーマンスに優れたエントリーサーバSPARC Enterprise M3000の採用により、ハードウェアやソフトウェアの初期導入費用や、保守費などの運用費用を削減できます。また、1CPUサーバであるため、Oracle DatabaseのライセンスはStandard Edition Oneの適用が可能となり、コストをより抑えられるという点も魅力でした」。

今回、GLOVIA/SUMMIT Vへのバージョンアップ対応などを含め1年間の導入作業を経て2009年6月、更新を完了した会計システムが本稼働しました。「Solaris OSのバージョン間の互換性により、Solaris10への移行はスムーズにおこなえました。調査段階から開発、テストまで、富士通のきめ細かいサポートがあったからこそ、当初の目標通りに稼働できたと思っています」(臼井氏)。

導入効果と今後の展開

バッチ処理時間は1/4、レスポンスは約3倍に向上

「SPARC Enterprise M3000」の導入による性能面の向上について臼井氏は期待以上の効果があったと語ります。「経理部門からは検索などの処理スピードが明らかに速くなり、業務効率の向上に貢献していると評価されています。今回、2002年のシステム立ち上げ当初から蓄積された全データを移行していますが、それにも関わらず私の体感では、レスポンスが3倍くらいに向上していると思います。また、夜間バッチ処理も従来6時間要していたものが今は1時間半程度、約1/4に短縮できました。ここまでスピードアップしたことに驚いています」。

コスト削減面の効果についても「初期導入費用や保守費などの運用費用の削減、特にOracle Database Standard Edition Oneの適用などによりソフトウェア全体のコストを1/2以下に抑えることができました」と、臼井氏は付け加えます。また、省スペース化、省電力化もはかれ、エコロジーへの貢献に加え、コンピュータ室の限りある資源の有効活用も促進できました。

今後の展開について中村氏はこう語ります。「今回、会計システムがここまで性能が向上したことから、グループ会社のシステム統合に関してインフラ面での心配はなくなりました。これからは、システム統合も大きなテーマの1つです。また、会計システムとしては国際会計基準への対応も考えていく必要があります」。

ニーシーズ指向の研究開発力で新たな時代を切りひらく三洋化成工業。同社の挑戦と発展をこれからもSPARC Enterpriseは安心と信頼、そして高いパフォーマンスでしっかりと支えてまいります。

【三洋化成工業株式会社様 会社概要】

所在地 (本社)〒605-0995 京都府京都市東山区一橋野本町11-1
創業 1949年11月1日
資本金 130億5,100万円
代表者 代表取締役社長 家永 昌明 氏
従業員数 約1,742名(関係会社への出向者含む)
事業内容 パフォーマンス・ケミカルスの製造・販売
URL http://www.sanyo-chemical.co.jp/

【お問い合わせ】

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