Skip to main content

Fujitsu

Japan

データベースインフラを他社機からSPARC Enterpriseへ移行
証券システムの安定稼働、事業継続性の向上を実現

日興システムソリューションズ株式会社様 外観写真

日興システムソリューションズ株式会社様 導入事例


SMBC日興証券のICTを担う日興システムソリューションズ。同社は、SMBC日興証券の業務に欠かせない証券情報を蓄積するデータベースのサーバにSPARC Enterpriseを採用。他社機からの移行の理由は、将来性や運用管理面に加え、Oracle SolarisとOracle Databaseとの親和性や安定性がポイントとなりました。

[ 2012年8月17日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: システムインテグレーションサービス、システムソリューションサービス
ハードウェア: UNIXサーバ SPARC Enterprise M3000(注)
ソフトウェア: データベース Oracle Database 11g Release 1、データベース災害対策機能Oracle Data Guard、統合システム運用管理ソフトウェアJP1、ファイル転送ソフトウェアHULFT

(注)SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。本製品の後継機種はSPARC Serversです。

「2011年に証券情報データベースに導入したOracle DB とSolaris の親和性は導入のポイントの1つです。さまざまなサーバを使用する中で、Oracle DBと最も親和性・安定性が高かったのがSPARC/Solarisサーバです。そのため、基幹系のデータベースに関して、サーバはSPARC Enterprise、OSはSolaris、データベースはOracleという組み合わせが標準となっています。Solarisサーバはこれまでもたくさん導入していますが、信頼性が高くミッションクリティカルなシステムでのトラブルや障害も起きていません。安定稼働の実績をとても評価しています」

証券・金融のノウハウとICTスキルを融合した高品質サービスを提供する日興システムソリューションズ株式会社(以下、日興システムソリューションズ)。同社は、SMBC日興証券の業務に欠かせない証券情報データベースのリプレースにおいて、将来性や運用管理面を考慮し、既存の他社UNIXサーバからの移行を決断。Oracle Databaseとの親和性や安定稼働の実績、コストパフォーマンス等がポイントとなり、SPARC Enterpriseが採用されました。移行期間は3カ月。開発はOracle Solarisコンテナの仮想環境上で行ったため、ハードウェアの追加購入によるリードタイムが削減。バッチ処理性能の向上に加え、クラスタ構成やデータベースの災害対策により事業継続性の向上も実現しています。

【課題と効果】
1 データベースサーバの保守サービス終了に伴い、次期サーバの選択が急務 将来性、運用管理面でSPARC Enterpriseを採用。3カ月という短期間でスムーズな移行を実現。
2 SMBC日興証券の業務に欠かせないデータベース。安定性や事業継続性を強化したい Solarisの優れた安定性とOracle Databaseとの親和性、SPARC Enterpriseの高信頼性で安定稼働を実現。またクラスタによる冗長化により可用性も向上。
3 データ量増大に対応するためにバッチ処理の性能向上を図りたい 最新プロセッサやOracle Database 11gの採用により、従来と比べてバッチ処理性能が最大3倍に

本事例に関するお問い合わせ

導入の背景

証券情報の次期データベースのインフラには将来性や事業継続を重視

日興システムソリューションズ株式会社 村上 誠志 氏の写真
村上 誠志
日興システムソリューションズ株式会社
基盤システム開発部長

世界経済を動かしている証券や銀行において、万一、システムにトラブルが生じたときの影響は計りしれません。金融ビジネスのベースとなるICTはまさに社会インフラを支える存在です。
日本を代表する総合証券会社、SMBC日興証券のシステムの開発や運用を担っているのが、日興システムソリューションズです。高度な証券・金融のノウハウと先進のICTスキルを融合し、システムの企画、設計、開発、運用、コンサルティングなど高品質なサービスを提供しています。その先進性は、インターネットトレードシステムにいち早く取り組み、長年にわたって高い評価を受けていることにも表れています。また豊富な実績をベースに、グループ外のビジネス展開にも積極的です。「投信窓販/資産管理営業支援システム」などを500以上の金融機関に提供し好評を得ています。

同社の特長は、SMBC日興証券の情報システム部門と密接に連携しているという点です。SMBC日興証券では、現在、リテール分野のビジネスの持続的拡大と、ホールセール分野の新規ビジネスの構築を事業の2本柱としています。また事業継続性やコスト削減も重要なテーマです。「近年は、ホールセール分野に関して先進技術を駆使したシステムの強化を図っています。また基幹システムの老朽化に伴うリプレースも続いています。SMBC日興証券の業務に欠かせない証券情報データベースのリプレースでは、コストパフォーマンスに加え、現在はもとより将来も視野に入れた安定性や運用管理性、さらに事業継続性も重視しました」と、日興システムソリューションズ 基盤システム開発部長 村上誠志氏は語ります。

導入のポイント

Oracle Databaseと最も親和性・安定性の高いSPARC/Solarisサーバを採用

日興システムソリューションズ株式会社 高野 充治 氏の写真
高野 充治
日興システムソリューションズ株式会社
データセンター部 運用管理課 部長

証券情報データベースは、それまで分散していた金融商品の時価情報、ファイナンス情報、各企業の財務情報などの証券情報をオープン系のデータベースで一元管理するために構築されました。業務アプリケーションに必要なデータを配信する、いわばデータのハブ的役割を果たす基幹系のデータベースとして、SMBC日興証券のビジネスの根幹を支えています。
これまでハードウェアには、他社のUNIXサーバを利用していましたが、保守サービス終了に伴うリプレースでは長期的な視野に立った将来性と運用管理の効率化が課題となりました。
これらに加え、サーバ選定で重視されたポイントが安定稼働とコストパフォーマンスです。検討を重ねた結果、富士通のUNIXサーバSPARC Enterpriseが採用されました。

「2011年に証券情報データベースに導入したOracle DB とSolaris の親和性は導入のポイントの1つです。さまざまなサーバを使用する中で、Oracle DBと最も親和性・安定性が高かったのがSPARC/Solarisサーバです。そのため、基幹系のデータベースに関して、サーバはSPARC Enterprise、OSはSolaris、データベースはOracleという組み合わせが標準となっています。Solarisサーバはこれまでもたくさん導入していますが、信頼性が高くミッションクリティカルなシステムでのトラブルや障害も起きていません。安定稼働の実績をとても評価しています」と、日興システムソリューションズ データセンター部 運用管理課 部長 高野充治氏は語ります。

導入のプロセス

DBもアプリケーションも移行はスムーズ、作業期間はわずか3カ月

新システムでは、SPARC Enterprise M3000を2台導入し、可用性を高めるために富士通のクラスタソフトウェアPRIMECLUSTERにより冗長化を実現しています。
「当社においてPRIMECLUSTERは非常に評価が高いです。いろいろなベンダーのクラスタソフトウェアを使っていますが、信頼性や高速切り替えに加えて、操作性がシンプルで使いやすく洗練されていると思います」(高野氏)。
また、遠隔地にスタンバイデータベースを配置し、Oracle Data Guardを活用した災害時の事業継続性の強化も図っています。

今回のプロジェクトは、2010年8月からスタートし、同年10月末には移行を完了、同年12月末まで既存システムとの並行運用で動作検証を実施しました。

他社機からSPARC Enterpriseへの移行は短期間で計画通りに進みました。「業務アプリケーションに関してシェルスクリプトやC言語の書き換え、Oracle DBではバージョンアップの作業はありましたが、それほど手間もかからずスムーズに行えました。運用管理ソフトウェアのJP1や、ファイル転送ソフトウェアHULFTなどオープン性の高いパッケージを使用していたことも、Solaris上への移行を容易に実現できた一因です。移行作業で時間をかけたのはテストです。またクラスタ構成やOracle Data Guardとの連携など設計の見直しを行った部分については、じっくりと取り組みました。さらに、Solarisシステム向けに当社が開発し証券情報データベースで利用していたデータベース管理ツールの活用により、開発工数の削減と運用の統一を図っています。」(村上氏)。

日興システムソリューションズ株式会社様 システム構成図

導入の効果と今後の展望

Oracle Solarisコンテナの活用で開発コストを削減、バッチ処理性能は最大3倍に

新システムは、エンドユーザ環境との調整などにより並行運用期間を延長し2011年3月に本稼働しました。並行運用期間も含め、新システムは安定稼働を続けています。導入効果について「最新プロセッサやOracle Database 11gの採用により、従来と比べてバッチの処理で3倍くらい早くなりました。またクラスタによる冗長化やデータベースの災害対策により事業継続性も向上しました」と、村上氏は語ります。

今回、開発ではOracle Solarisコンテナによる仮想環境を利用しました。「仮想サーバを迅速に構築できるため、ハードウェアの追加購入によるリードタイムが削減され、開発のスピードアップを図れました。Solarisコンテナは他の基幹系データベースの開発環境でも有効に利用し、開発環境の標準化の推進にも貢献しています」(高野氏)。新システムでは、Solarisの標準機能を利用して同社が作成したデータベース監視ツールも活用し、監視機能の強化も図っています。

今後の展望について「SMBC日興証券のニーズにしっかりと応えていくことが基本です。今後はコスト削減がより求められています。そのために開発の標準化や仮想化などをさらに進めていきます。また基幹系データベースでは、SPARC Enterprise、Solaris、Oracle Databaseを使用したシステムが当社の標準となっていますが、富士通には長期的な視野に立って基幹システムのあるべき姿を一緒に考えていただきたい」と、村上氏は語ります。

SMBC日興証券とともに、世界経済の安定と発展を支える日興システムソリューションズ。社会インフラを担う同社の取り組みを、富士通はこれからも先進技術と総合力で支援してまいります。

【日興システムソリューションズ株式会社様 概要】
本社 神奈川県横浜市鶴見区大東町12-1
設立 1999年10月1日
従業員数 566名(2012年4月1日時点)
事業内容 証券・金融システムに関するシステムインテグレーションサービス/システムソリューションサービス
ホームページ 日興システムソリューションズ株式会社 ホームページOpen a new window

【導入事例(PDF版)】

注1)Oracle Solarisコンテナ、Solarisコンテナは、Oracle Solaris ゾーンとも表記されます。
注2)本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。