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Fujitsu

Japan

全店オンラインシステムのレスポンスを向上
1秒へのこだわりが建機レンタルビジネスの競争力を生む

株式会社カナモト様 導入事例


建設機械レンタルビジネスの最大手、株式会社カナモトは、ビジネスの根幹を担う全店オンライン・リアルタイムシステムを「SPARC Enterprise™」で刷新。採用のポイントは、業務のリアルタイム性を重視し、グループ社員1,800名のアクセスが集中しても、安定して高速なレスポンスを実現できることでした。

2010年6月8日掲載 / 印刷用 PDF版ダウンロード (855 KB)

導入事例概要
業種: 建設機械/情報機器レンタル業、鉄鋼製品販売業
ハードウェア: UNIXサーバ SPARC Enterprise M4000, M3000, T5220(注)
ブレードサーバ PRIMERGY BX620
ディスクアレイ ETERNUS4000
ネットワークサーバ IPCOM EX2000 LB
ソフトウェア: ビジネスアプリケーション基盤 Interstage
データベース Oracle Database 11g Enterprise Edition
統合運用管理ソフトウェア Systemwalker
高信頼基盤 PRIMECLUSTER

(注)SPARC Enterpriseの本体装置は販売を終了しました。本製品の後継機種はSPARC Serversです。

「一番重要なのは、全国に点在する280拠点、1,800名の社員のアクセスが集中しても、レスポンス良く商品状況の把握、予約・手配などを行えること。この点がPCサーバではなく、「SPARC Enterprise」を選択した大きな理由です。当社では現在、50台のサーバを稼動させておりますが、これまでの経験から、Intel CPUのサーバに比べ、SPARC64™ではOracleの性能が安定して確保できることを理解していましたし、実測したデータからも確認できました」

北海道の中心地、札幌に本社を置く建設機械レンタルビジネスの最大手、株式会社カナモト(以下、カナモト)。現在、全国に280拠点(グループ全拠点数)を展開し、首都圏や海外へ事業エリアの拡大を進めています。2007年、同社の根幹を担うオンライン・システムの、次期基幹システム構築プロジェクトがスタート。新システムで標榜したのは全国の拠点でレンタル建機の状況を即座に把握できるリアルタイム性でした。1秒のレスポンスにこだわる同システムの中核に採用されたのが「SPARC Enterprise」です。建機レンタルに関わる様々な業務情報をスピーディーに活用して競争力の強化を図るとともに、バッチ処理時間も3時間から45分に短縮。また海外展開を支える24時間稼働システムの基盤も確立し、サービスの終日対応に向けて、また一歩、前進できました。

課題と効果
1 レンタル建機の在庫状況をリアルタイムに把握し稼働率を上げたい 全国280グループ拠点、1,800名の社員のアクセスが集中しても安定して高速なレスポンスを実現。レンタル建機の状況をリアルタイムに把握することで稼働率の向上を図る。またバッチ処理時間も3時間から45分に短縮し、業務の運用時間を延長。
2 大規模プロジェクトなどの案件増加に伴い、ミッションクリティカルなシステムとして業務継続性をより高めたい 基幹システムのさらなる信頼性向上を図るべく「SPARC Enterprise」を採用。ハードウェアとOS(Solaris)の高信頼性のもと建機レンタル事業の継続的成長を支える。
3 海外展開を支えるため、24時間稼働できるシステムを構築したい Oracle Database 11gとETERNUSのアドバンスト・コピー機能の連携により、システム無停止のオンラインバックアップ環境を構築。バックアップ・リカバリーの自動化と24時間稼働の基盤を確立。

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導入の背景

ビジネスの根幹を担う全店オンライン・リアルタイムシステム

株式会社カナモト 社長室 広報担当課長 高山 雄一 氏

社会や産業の基盤を支えている建設業界。365日、建設現場ではさまざまな建設機械が活躍しています。1964年設立、札幌市に本社を置くカナモトは、日本の高度経済成長とともに歩み、現在、グループ会社を含めて全国280拠点を展開する建設機械レンタル(以下、建機レンタル)のリーディングカンパニーです。

同社では拠点ネットワークの拡大を積極的に図っており、首都圏・大都市圏などへ事業エリアを拡げており、中国をはじめ海外へも展開を進めています。

同社の特長の1つは先進性にあります。たとえば、お客様のニーズに応える460機種、40万点の最新鋭のレンタル建機を取り揃え、地球環境保護への対応にもいち早く取り組んでいます。「当社が提供するレンタル建機の99%が公害規制をクリアしています。建機からユニットハウスまで環境を重視したラインナップを揃えていることも当社の強みです。また、ゼネコン各社のご要望から開発したバッテリ式LED投光機は、エコであることに加え騒音問題の改善はもちろん、圧倒的な光量と現場での使い勝手の良さで、鹿島建設様から社長賞をいただいております」と、社長室 広報担当課長 高山雄一氏は語ります。先進性は同社の建機レンタルビジネスの根幹を担う基幹システムの変遷にも表れています。1985年に業界に先駆けてメインフレームを活用した全店オンライン・システムを導入。2004年にオープン化を図り、UNIXサーバ「PRIMEPOWER」を中核にシステムを刷新。ビジネス要件に柔軟に対応できるシステムを構築しました。そして2007年に、レスポンスの向上と24時間稼働を目的に、次期基幹システムの構築プロジェクトをスタートさせたのです。

導入の経緯

瞬時に建機情報を確認 レスポンスの向上で競争力強化

株式会社カナモト 執行役員 情報システム部長 熊谷 浩 氏

「建機レンタルビジネスでは、所有している建機をいかに効率的に運用し、遊休期間を最小限にするなど稼働率の向上が重要です。そのためには全店をネットワークで結び、リアルタイムで建機の在庫状況を把握できる集中管理システムが欠かせません」と、執行役員 情報システム部長 熊谷浩氏は語ります。カナモトではこれまでも全店オンライン・リアルタイムシステムにより、各拠点の誰もが建機の現在位置、予約状況、返却予定、管理状態などを確認、また、これらのデータによりレンタル建機の効率的な運用や新規導入計画に活用しています。

次期基幹システムでレスポンスの向上をテーマにした最大の理由は、リアルタイムな建機情報により迅速・高品質なサービスをお客様に提供することがレンタルビジネスの競争力に直結するからです。

「現在、業務ではリアルタイム処理が増大しています。お客様からのお問い合わせでは、いますぐの回答を求められます。電話でお客様と応対しながら、瞬時に必要な情報を確認できる。建機のいまの状況を常に把握できる。全国拠点の担当者にとっては、レスポンスの1秒が非常に重要です」(熊谷氏)。レスポンスの向上という今回のテーマは、サーバの選定でもポイントになりました。

導入のポイント

1,800名の社員の利用が集中しても安定したレスポンスを実現

同社では業務の特性上、朝と夕方にアクセスが集中します。その際、レスポンスが悪くなってしまっては業務に支障をきたします。「一番重要なのは、全国に点在する280拠点、1,800名の社員のアクセスが集中しても、レスポンス良く商品状況の把握、予約・手配などが行えること。この点がPCサーバではなく、「SPARC Enterprise」を選択した大きな理由です。当社では現在、50台のサーバを稼動させておりますが、これまでの経験から、Intel CPUのサーバに比べ、SPARC64ではOracleの性能が安定して確保できることを理解していましたし、実測したデータからも確認できました」(熊谷氏)。「SPARC Enterprise」は、CPUとOSが一体となり開発されているため、高負荷な環境においてもCPUがバランスよく使用され、安定したレスポンスを実現できます。

既存基幹システムを担った「PRIMEPOWER」の安定性に対する評価も高く、当然、その後継機である「SPARC Enterprise」への期待にもつながったことでしょう。またOSであるSolarisの高信頼性も大きなポイントになりました。同社は、Solarisワークステーションのレンタル事業も行っており、熊谷氏はその信頼性を肌で感じていました。

導入効果と今後の展開

3時間を要していたバッチ処理時間も45分と大幅に短縮

今回の次期基幹システムの構築は、富士通と地元札幌のSI企業、株式会社エイチ・アイ・ディが連携して技術サポートを行い、「PRIMEPOWER」から「SPARC Enterprise」への移行もスムーズに進みました。本稼働は2010年1月、現在も順調に稼働を続けており、導入効果も如実にあらわれています。

「商品数の増加や内部統制など新しいニーズへの対応によるデータ量の増大、拠点の拡大によるアクセスの増大にも関わらず、高速なオンライン・レスポンスを実現し業務のリアルタイム性のニーズに応えています。3時間を要していたバッチ処理時間も45分と大幅に短縮でき、運用時間の延長を実現できました」(熊谷氏)。また、使い勝手の面でもさまざまな改善を行っています。「従来、すべての得意先リストを見るためには、何度もクリックしなければなりませんでしたが、一度ですべてを閲覧可能にしました。こうした工夫はCOBOLでは難しく、ユーザーのニーズに応じて柔軟な画面設計が可能なJavaだからできることです」(熊谷氏)。同社では、システム開発/運用の内製化により、先進的な取組みやユーザーのニーズに迅速かつ柔軟に対応しています。今回、柔軟なシステム構築はもとより開発効率を高めるために、ビジネスアプリケーション基盤「Interstage」をベースにJavaによる開発環境の統一も図っています。

時間が利益に直結するレンタルビジネス。「海外展開や大規模プロジェクト、首都圏でのユーザーニーズへの対応強化に伴い、営業体制に先行出来るシステムの24時間運用が急務です。今回、Oracle Database 11gとETERNUSのアドバンスト・コピー機能の連携により、システム無停止のオンラインバックアップ環境も構築でき、24時間稼動の基盤を確立できました。サービスの終日対応の実現に向けて大きく前進しました」と、熊谷氏は今後の展望について語ります。

1秒を大切にビジネスチャンスの拡大を図るカナモト。同社の成長を富士通は「SPARC Enterprise」をはじめ、プラットフォーム製品の提供を通じてこれからもサポートしてまいります。

【株式会社カナモト様 会社概要】

設立 1964年(昭和39年)10月28日
所在地 北海道札幌市中央区大通東3丁目1番地19
資本金 96億96百万円(払込済資本金)
代表者 代表取締役社長 金本 寛中 氏
従業員数 1,671名(2008年10月31日現在)(役員、嘱託、臨時社員を除く)
事業内容 建設機械器具のレンタル、鉄鋼製品の販売、エンジニアリングワークステーションおよび周辺機器のレンタル
URL http://www.kanamoto.co.jp/

【お問い合わせ】

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