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Fujitsu

Japan

85万台のIoTデバイス導入を支えるPRIMEFLEX for Oracle Database
~スマートメーターと新たな電力使用量計量システムでサービスレベル向上~

沖縄電力株式会社

 

「スマートメーター通信システムは、各戸の電力検針データを30分おきに受信し続け、データ量としては従来の月1度の検針データと比較して1,000倍以上と桁違いになりますが、PRIMEFLEX for Oracle Databaseは当社の求める高速処理を続けています。また、24時間365日運用に耐えられる高い信頼性にも満足しています。」

全国の電気事業者は現在スマートメーターの導入を進めており、沖縄電力株式会社でも2016年4月より本格導入をスタートしています。沖縄電力と富士通は、スマートメーターによる新計量システムの基盤となる「スマートメーター通信システム」を構築。システムの中核を担うデータベース基盤には、富士通の垂直統合型商品である「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Oracle Database」が導入されました。IoT(Internet of Things)が組み込まれた社会インフラという、極めて高い性能と信頼性が求められるシステムにおいて、膨大なデータを安定して処理し続け、沖縄県内における電力供給のサービスレベルの向上に貢献しています。

[ 2016年10月18日掲載 ]

導入事例 沖縄電力株式会社様 (765 KB)(A4・2ページ)

【導入事例ビデオ】

システム導入の経緯や効果をご紹介します。

導入事例のビデオを見る

【導入事例概要】
業種 電気業
対象システム スマートメーター通信システム
製品
【要件と効果】
要件 効果
85万台のスマートメーターからの膨大なデータ処理を短時間で処理できるシステム性能が必要 高速化機能を実装したデータベース基盤「PRIMEFLEX for Oracle Database」により、スマートメーターからの電力検針データをタイムリーに活用可能に
お客さまの生活に直結する社会インフラを支える、止まることのない高信頼性・高可用性 徹底した冗長構成で可用性を確保。高信頼ハードウェアをベースにOracle Real Application Clusters(以下Oracle RAC)での冗長構成を採用した「PRIMEFLEX for Oracle Database」により、24時間365日の電力検針データの収集を実現
沖縄県内のスマートメーター本格導入開始までの限られた期間の中でのスピーディなシステム構築 設計・構築が不要な垂直統合型商品の活用と富士通のインテグレーション力により、計画どおりの2016年4月から本格運用を開始

導入の背景

スマートメーターの本格導入をスタートした沖縄電力

沖縄電力株式会社は、沖縄本島および37の有人離島に電力を供給する電気事業者です。沖縄県民のライフラインを担う同社では、「地域とともに、地域のために」というコーポレートスローガンのもと、事業活動に取り組んでいます。

沖縄電力株式会社 送配電本部 配電部 配電グループ 課長の宮里 一也氏は、「常に変化するお客さまのニーズを敏感に感じ取り、それに即した料金メニューの充実や、きめ細やかなサービスの展開に取り組むとともに、本土並みの電気料金水準の確保に向けた経営効率化も推進しています」と話します。

2010年6月に閣議決定された「エネルギー基本計画」では、2020年代の可能な限り早い時期に原則すべての需要家へのスマートメーターの導入が目指すべき姿として掲げられており、沖縄電力でも導入を進めています。スマートメーターは通信装置を搭載し、遠隔で検針を行う「自動検針機能」、遠隔で電気のオンオフを行う「遠隔開閉機能」を備えた次世代型の電気メーターです。従来は検針員が目視で毎月1カ月単位の電気使用量を検針していましたが、自動検針機能により30分単位での電気使用量が遠隔で検針可能となります。大量のデバイスからデータを直接収集、利用することから、近年導入の進む「IoT」の代表的な活用例と言えます。

沖縄電力株式会社様 宮里 一也氏の写真
宮里 一也
沖縄電力株式会社
送配電本部 配電部
配電グループ 課長

「当社では2016年4月からスマートメーターの本格導入を開始しています。既存電気メーターの検定満了時の定期的な取り替えのほか、新築等における新たな電気使用のお申込みにあわせてスマートメーターを設置し、2024年までに全数約85万台の導入を予定しています」と宮里氏は話します。

システムへの要求

膨大なIoTデータを処理する高性能と社会インフラとしての高信頼性

スマートメーターでの電力使用量の計量には、ネットワークを介してデータを収集し、そのデータを管理・活用するシステムやメーターを制御するためのシステムの構築が必要となります。その中で、メーターから最初にデータを受け取るフロントシステムが「スマートメーター通信システム」です。

スマートメーター通信システムには、メーターからのデータ収集、およびメーターの操作、設定などを正確かつ確実に実施するために、次のような厳しい要件が求められました。「強固なセキュリティ対策、将来を見越した拡張性、開発・運用の効率化、柔軟な機能追加・改修、災害や障害からの容易な復旧など、さまざまな要件がありましたが、お客さまの生活を支えるインフラに係わるシステムのため、限られた時間内に処理を完了する高い性能と、24時間365日運用を続けられる信頼性を重視しました」と宮里氏は語ります。

この新たなシステムの導入にあたっては、国や電力会社各社と共同で機能要件の検討を行うとともに、沖縄電力においても実証実験を行うなど多岐にわたる取り組みをしてきました。「IoTの仕組みが入ったメーターの導入にあたっては、事前に綿密な準備を重ねてきました。その過程で、データベースサーバは85万台のスマートメーターから30分おきに受信する検針データを収集・処理し、上位システムへの振り分けを受信後10分以内に行う必要があることが分かってきました。検針データをほぼリアルタイムで活用するためには極めて高い処理性能が必要なのです」と宮里氏はデータベースサーバの重要性について話します。

沖縄電力様 スマートメーター通信システム 構成図

導入のポイント

高可用性と高速化機能を実装した「PRIMEFLEX for Oracle Database」を採用

今回、このスマートメーター通信システムのベンダーとしてRFPの公募を経て富士通が選ばれました。そのシステムの中でデータベース基盤を担うのが富士通の垂直統合型商品「PRIMEFLEX for Oracle Database」です。

富士通を採用した理由について宮里氏は次のように話します。「技術面、価格面などから総合的に判断しました。富士通は当社が2013年度に実施したスマートメーター実証試験にも参画し、また、国内のほかの電力会社でも当該システムの導入実績があるということも採用の一因になりました」

また、富士通の提案が沖縄電力特有の事情などを考慮した内容になっていたこともポイントでした。「沖縄は台風も多く、それにともなう停電も発生しやすい土地柄です。停電が復旧した際にスマートメーターが一斉にネットワークに再接続すると問題が発生しかねません。そこで、徐々にネットワークに復帰していく機能を提案してくれました。独特な地域環境を考慮しての提案で、とても良かったと思います」と宮里氏。

データベース基盤として採用された「PRIMEFLEX for Oracle Database」は、高速処理を実現するためハードウェア・ソフトウェア構成が最適化されており、I/Oボトルネックを解消するためのさまざまな技術を取り込んだ高速化機能「SMART I/O」を実装しています。さらに高信頼ハードウェアをベースにOracle RACによりデータベースの冗長化を図っています。

「PRIMEFLEX for Oracle Databaseはシステム全体が無停止稼働を強く意識した構成になっています。さらに、大量データを短時間で処理できる性能を有しており、当社の要望に合致した提案となっていました」と宮里氏は富士通の提案を高く評価します。

そして、本格運用に先駆け、半年前にスマートメーターの先行導入も実施。エリアを定めて約1万件のお客さまを対象に、本番と同様の一連のシステムでの動作検証の中で、将来的に85万台のスマートメーターが導入されても「PRIMEFLEX for Oracle Database」は高速に安定した処理が行えることを確認。本格導入に向けての動きが加速しました。

FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Oracle Database

導入の効果と今後の展望

スマートメーター通信システムの安定稼働を実現、今後も全戸導入を進めていく

沖縄電力株式会社様 上原 康志氏の写真
上原 康志
沖縄電力株式会社
送配電本部 配電部
配電グループ 主任

導入にあたっては、IoTの仕組みが入った新しいシステムにも関わらず、開発・テストも含め、着手から約1年半での本格運用開始という厳しいスケジュールとなりました。その中で設計・構築が不要で、性能もチューニング済みの垂直統合型商品は、大きな威力を発揮しました。富士通のインテグレーション力も貢献し、計画どおり2016年4月からスマートメーターの本格導入がスタート。2016年9月末現在、約5万台のスマートメーターが稼働しています。スマートメーター通信システムの中核となる「PRIMEFLEX for Oracle Database」も安定稼働しています。同社 送配電本部 配電部 配電グループ 主任の上原 康志氏は、「スマートメーター通信システムは、各戸の検針データを30分おきに受信し続け、データ量としては従来の月1度の検針データと比較して1,000倍以上と桁違いになりますが、PRIMEFLEX for Oracle Databaseは当社の求める高速処理を続けています。また、24時間運用に応える高い信頼性にも満足しています」と話します。

スマートメーターの導入はこれから約9年掛けて、年に約10万台のペースで設置が進んでいきます。スマートメーターが導入されることで検針業務の効率化や供給停止・停止解除などの業務効率化が期待できるほか、30分ごとの使用量把握により、台風時における停電の早期把握と復旧などの効果も期待されています。また宮里氏はお客さま満足度向上につながる点として、「お客さまの敷地に立ち入ることなく、無線で検針ができますので、例えば、オートロックのマンションなどでもお客さまをお呼び出しする必要がなくなります」と話します。

沖縄電力では、提案から構築、運用開始後の現在にいたる富士通のサポートを高く評価しています。上原氏は、「富士通とは良いコミュニケーションが築けており、真摯に相談に乗ってくれ、手厚いサポートをしてもらっています」と話します。

最後に宮里氏は、「沖縄全域へのスマートメーター導入を着実に進めていきます。お客さま満足度の向上に努めるとともに、このシステムのさまざまな活用も進めていきたいと考えています。需要を細かく分析し、より効率的な配電設備形成などのコスト削減なども実現し、電気料金の低減にもつなげていきたい。また今後は、高圧需要家向けにもスマートメーター導入を検討していきます。」と展望を語りました。

【沖縄電力株式会社 会社概要】
所在地 沖縄県浦添市牧港五丁目2番1号 沖縄電力株式会社様 ロゴマーク
創業 1972年5月15日
従業員数 1,606名(2016年3月31日現在)
事業内容 沖縄本島および37の有人離島に電力を供給する電気事業者。電気の安定供給の確保や電気料金の抑制、電気事業者選択肢の拡大など、沖縄の構造的な特殊性も踏まえ、真にお客さまの利益につながる電力システムの実現に取り組んでいる。省エネ事業にも注力しており、2015年には液化天然ガスを利用した吉の浦火力発電所の2号機が運転を開始した。
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