宮崎県西都市

宮崎県のほぼ真ん中に位置し、日本最大級の古墳群「西都原古墳群」などで有名な市。農業が基幹産業で、畜産業も盛んだ。2018年、市制施行60周年を迎えた。「はばたけ未来へ 伸び行く“西都”」をキャッチフレーズに、「市民みんなで創る元気な西都」として成長している。

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市紹介

西都市への定住・移住の促進に ICTの活用は不可欠

西都市は、宮崎県のほぼ中央部に位置し、市街地西側の九州山地からの水資源に恵まれた土地です。九州最大の貯水量を誇る一ツ瀬ダムがあり、豊富な水を利用した、ピーマンやニラ、マンゴーなどの農業が基幹産業です。宮崎県で最初にマンゴーの栽培を始めたのは、ここ西都市です。西都牛や豚、鶏といった畜産業も盛んです。

また、観光資源では、319基もの古墳がある特別史跡「西都原古墳群」があります。2018年5月には文化庁が認定する「日本遺産」に登録され、古代のロマンが息づく「古墳のまち」としても知られています。西都市が抱えている課題は、少子高齢化に伴う人口減少です。若い世代に、いかに西都市に定住してもらうか、他県から移住してくる人をいかに増やしていくかが、重要な取り組みです。定住・移住の促進のために、住宅関連の補助をはじめ、基幹産業である農業をさらに魅力的なものとして、他県から人を呼び込む取り組みにも力を入れています。

ICTの必要性

先人のノウハウをICTで活用することで生産性を高める

こうした取り組みの中で、ICTが果たす役割は大きいと考えています。例えば、ICTを利用したスマート農業では、これまでの西都市の農業を支えてきた先人の知見をデータ化し、共有できます。先人のノウハウをICTで活用することで、農業の経験がない若い世代の人たちでも、効率的に、生産性を高めることができるでしょう。農業が、若い人たちにとって魅力的になれば、移住してくる人も増えると期待しています。

また、人を呼び込む取り組みでは、ICT関連の企業誘致に注力しています。情報通信網の整備を進め、すでに、大都市圏から複数のICT関連企業を誘致できました。今後は、市内の学校を卒業したら、誘致したICT関連の企業に就職できるような流れを作りたいと考えています。
導入の効果

公共図書館と学校図書館の連携で子どもたちが読める本が約9倍に

一方、市民サービスの向上においてもICTをさまざまに活用しています。データ放送やSNSなどを通じた情報発信に加え、マイナンバーカードを利用した住民票などのコンビニ交付サービスはもちろん、インターネットを通じた保育所入所手続きや母子手帳交付予約手続きなど、子育て世代の負担を軽減する取り組みを進めてきました。

今後、より注力していきたいのが、教育環境の充実です。そこでもICTに期待することは、多くあります。すでに、小・中学校におけるICT環境の整備、2020年度からのプログラミング教育の必修化に向けた取り組みなども進めています。そうした取り組みの一環として、このたび、西都市の公共図書館と市内15の小・中学校の図書館を結びつける、ICTシステムを整備しました。これによって、児童・生徒たちが読める本が格段に多くなりました。

これまでは、児童・生徒たちは、主に自分が通っている学校の図書館で本を探していました。公共図書館に行けば良いと思うかもしれませんが、公共図書館から離れた場所に住んでいて、親に車で連れて来てもらわなくてはならない児童や生徒も多いのです。

学校の図書館と公共図書館がつながったことで、学校の図書館にいながら、児童・生徒たちがシステムで公共図書館の蔵書を検索できるようになりました。読みたい本が見つかったら、学校まで取り寄せられるようになったので、公共図書館から離れた小・中学校に通う児童・生徒でも、平等に図書に触れ、借りて読めるようになりました。各学校の蔵書は、平均約1万冊ですが、公共図書館には約8万冊の蔵書があります。児童・生徒たちにとっては、読める本が9倍にも増えたことになります。市内の学校に通う児童・生徒たちに、等しく読書の機会を創出し、しかも、借りられる図書の数を大幅に増やしたことは、子どもの教育において非常に大切なことです。

また、人を呼び込む取り組みでは、ICT関連の企業誘致に注力しています。情報通信網の整備を進め、すでに、大都市圏から複数のICT関連企業を誘致できました。今後は、市内の学校を卒業したら、誘致したICT関連の企業に就職できるような流れを作りたいと考えています。
今後の展望

公共図書館を拠点に教育行政のさらなる充実を

ICTとは、さまざまな地域課題を解消するツールだと考えています。本を読みたい、学びたいという意欲を持っていながら、公共図書館に思うように足を運べない児童や生徒がいることも、西都市における地域課題のひとつです。その解消にICTシステムが大きな役割を果たしています。

ここ西都市は、先人の知見を活かした農畜産業が盛んな街であり、一方では古墳群をはじめ、天正遣欧使節の伊東マンショの出身地であるなど、市民や子どもたちが学ぶべき事柄が多くあります。宮崎県は「日本一の読書県」を掲げていますが、西都市でも地域全体での読書推進により、読書を通じて地域のことをより深く、地域学として学ぶことで、この土地に誇りを持って欲しいと考えています。

今回、導入したICTシステムが、その一助となることを期待しています。今後は、このような公共図書館を中核にした取り組みなど、教育行政のさらなる充実に注力していきます。そして、市民が暮らしの豊かさを実感できる、産業に力強さを感じられるような、西都市を作っていきたいと考えています。

本事例における導入成功のポイントPOINT

暮らす人に魅力的な仕組みを実現

若い世代、他県の人の定住・移住促進を後押しするシステムを構築したこと。

読める本がおよそ9倍に増加

小・中学校の図書館と市の図書館とを結び、学校で借りられる本が大幅に増えたこと。

借りた記録を残す読書記録帳

利用者が、簡単な操作で読書記録を1冊の通帳に残せるシステムを提供できたこと。

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