植物性プラスチック筐体

2005年2月16日に発効された京都議定書が二酸化炭素削減を目標の一つにしている状況に合わせ、業界に先駆けて取り組みをおこない、環境負荷低減と石油資源の消費削減に貢献しています。

ご利用にあたっての注意

この講座の内容は、2007年当時の情報 です。予告なしに更新、あるいは掲載を終了することがあります。あらかじめご了承ください。

最終更新日 2007年6月1日

植物性のプラスチックってなんだろう

プラスチック材料の種類

おもなプラスチックは「石油系プラスチック」と「植物原料のプラスチック」の2種類に分けられます。

種類代表的な材料特徴
石油系プラスチックABS樹脂(説明1)
ポリカーボネート
強度、耐熱性が高い
成形性に優れている
植物原料のプラスチックポリ乳酸
セルロース
ポリアミド11
石油資源の消費を減らす
焼却処分時に発生する二酸化炭素は、植物の生育時に吸収する量と同じ位なので地球環境への負荷が少ない

(説明-1) ABS樹脂とは、以下の略称です。
A・・・アクリロニトリル
B・・・ブタジエン
S・・・スチレン

植物性プラスチックってなんだろう

ポリ乳酸、セルロース、ポリアミド11などは、植物を原料としています。
ポリ乳酸は、トウモロコシ、さつまいも、ジャガイモ、サトウキビ、米などでんぷんを多く含んだ植物から作られます。
セルロースは、木や綿などから作られます。
ポリアミド11は、ヒマシ油などの植物性油から作られます。

植物原料のプラスチックは、用途に合わせて他の特性を持った原料と混ぜて合わせて使用します。混ぜ合わせる他の材料と植物原料のプラスチックの割合が、どのくらいだと植物性プラスチックと言えるか公的な団体で決められています。

団体定義
生分解性プラスチック研究会(BPS)植物原料のプラスチックの重量比率25%以上

環境にやさしいこと

資源保護とリサイクル

植物性プラスチックを用いた製品を廃棄せず、サーマルリサイクル(説明-1)やマテリアルリサイクル(説明-2)を行うことにより、枯渇原料である石油資源の消費を削減するとともに、地球温暖化を抑制することができます。

(説明-1)サーマルリサイクル
廃棄物を回収して燃やし、これを熱エネルギーとして再利用することです。

(説明-2)マテリアルリサイクル
廃棄物を回収し製品の原材料として再生利用することです。

富士通の植物性プラスチックの取り組み

富士通では、二つの方向性で植物性プラスチックの将来を考えています。

1. 適用製品の拡大

植物原料の含有量が50%未満のプラスチックであっても、多くの部品に採用することによってトータルで環境にやさしい製品になります。

  • ポリ乳酸を多く含み生分解するプラスチックを小部品に採用しました。
  • ポリ乳酸に樹脂を加えて強くし、難燃性、量産性、耐熱性に優れた植物性プラスチックを開発し、ノートPCの筐体などへ採用しました。
  • 耐衝撃性を強くし、携帯電話の筐体にも採用しました。

2. 環境負荷の低減

植物原料の含有量が多い環境負荷の低い植物性プラスチックは、用途が狭くとも現在ある石油系プラスチックと置き換えられていくことで、環境にやさしい製品になります。

  • ヒマシ油を原料とするポリアミド11には耐熱分解性などの特長があり、植物性プラスチックを作る場合、含有量を多くすることができます。
  • 植物原料のプラスチック含有量が多いということは、環境負荷が低くなります。

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