Vol.810年後のIT部門を考える

改革着手は喫緊の課題

クラウドサービスの普及によりITの利用形態は多様化し、ユーザーにとっての利便性は飛躍的に向上することでしょう。しかし、これまでの議論のとおり、それらサービスの全体最適化を考えると、IT部門にはこれまでとは違う全く新しいケイパビリティが求められます。その実現に向けた変革は、単なる業務プロセスの改善にとどまらず、要員を含むITリソースや組織、制度などのマネジメント領域にまで及びます。一朝一夕で成し遂げることは困難と言えます。

自社のIT部門の能力を冷静に評価したとき、10年後の運営に大きな危機感を覚える企業も多いのではないでしょうか? こうした課題認識は、その解決の困難性ゆえに一日も早い改革着手を要請していると言えます。

一般的に、企業のIT部門が、改革のための仕組みを自前で構築することは、能力やコストの面で限界があります。IT部門のマネジメントシステムや要員の教育プログラムを、独自に開発して保持することが可能なのは、巨大な予算を担う一部の巨大企業だけではないでしょうか?

最後に

富士通はあるお客様からの「もう単独でIT部門を維持できない」との要請を契機に、2002年よりお客様のIT部門を共同運営することに踏み出し、現在抱えておられる課題の解消や将来に向けての改革実施をお引き受けしてまいりました。「お客様起点」実践のひとつとしてこれらに携わってきたために、お客様の持つべき機能をベンダーとしてとって代わるのではなく、お客様のIT部門のままお預かりして一緒に支え続けることをコンセプトとしています。

本欄では、お客様の課題を等身大に感じ続けた結果として、現在必要と考えているIT部門改革の方向性について述べてまいりました。ご意見・ご質問がございましたら所定の窓口へご連絡いただけますようお願い申し上げます。

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