寝屋川市 様

時間を意識した働き方で残業時間13%短縮
働きやすい職場づくりと健康管理を促進

導入事例レポート 寝屋川市 様

人口約23万人、大阪府東部に位置する寝屋川市様は2019年に中核市へと移行する予定です。多くの職員を抱える同市では現在、健康で働きやすい職場環境を作るべく、「ねやがわスタイル」と銘打つ働き方改革を進めています。その施策の一環として、時間外労働を削減し、職員の健康管理を促進することを目的に『FUJITSU Software IDリンク・マネージャー V2』を導入。「仕事の優先順位を考え、明日できることは明日やる」という意識の高まりにより、長時間労働の是正に成功しました。

課題
効果
課題時間外労働を削減するための施策を打つも効果が薄かった
効果職員の時間意識向上により、時間外勤務の合計時間が、前年比13%短縮
課題長時間労働によって職員が体調を崩すことを懸念していた
効果全庁規模で労働時間が減ったことにより、職員の健康管理が促進
課題職員が何の仕事で残業しているのかを把握しづらかった
効果所属長がメンバーの勤務状況を把握することにより、職場のマネジメント力向上に寄与

働き方改革についての考え方

  • 業務の生産性低下、職員の健康への悪影響、QOL(生活の質)の低下を招く長時間労働を是正する取り組みを進めている。
  • 長時間労働を削減し心身ともに健康に働くことで、職員一人ひとりが持つ能力を最大限発揮し、ひいては市民サービスの向上と都市格の向上を図っていく。
  • 働き方改革の実現には、制度改革やICTツールを導入するだけでなく、説明会などを通して、職員の意識を改革していくことが重要だと考えている。

働き方改革「 ねやがわスタイル」の取り組み例

執務室の一斉消灯

ワンタイム・ルールの徹底

管理職員へのヒアリング

年次休暇の計画的な取得

IDリンク・マネージャーの全庁導入

導入の背景

働き方改革「ねやがわスタイル」を軸に働きやすい職場づくりを進めていく

2019年に中核市への移行を予定している寝屋川市様。同市では業務が多様化する一方、長時間労働の是正が課題となっており、国が進める働き方改革に合わせて、「ねやがわスタイル」のキーワードのもと、働き方改革の取り組みを進めてきました。

具体的には、水曜日・金曜日のノー残業デー、音楽による退社時間の喚起、執務室の消灯・見回りなどの取り組みを進めていました。しかし、思ったような成果を上げることができなかったため、強制力のある仕組みが求められていました。総務部 人事室 係長の丹野裕介氏は次のように振り返ります。

「長時間労働が社会問題となる中で、当市においても職員の健康管理やワーク・ライフ・バランスに重点が置かれるようになってきています。以前から、さまざまな施策を打ってきたものの、各部署の多忙さもあり形骸化していました」

そうした人事室の悩みを受けて、経営企画部 情報化推進課 課長の加波浩樹氏はICTの方面から解決策を探っていたと言います。

「人事室が長時間労働の抑制を進めていることに対して、情報化推進課でも何かサポートできないかと考えていました。課題解決につながるソリューションを探す中で、長時間労働を抑止することができるIDリンク・マネージャーの存在を知りました」その後、類似する機能を持つ複数の製品を比較検討していった結果、IDリンク・マネージャーのトライアルを実施することになりました。

寝屋川市 総務部 人事室 係長 丹野 裕介 氏 寝屋川市
総務部 人事室 係長
丹野 裕介 氏
寝屋川市 経営企画部 情報化推進課 課長 加波 浩樹 氏 寝屋川市
経営企画部 情報化推進課 課長
加波 浩樹 氏

導入のポイント

導入のしやすさと残業申請・承認のシンプルさを評価

寝屋川市様では、本格導入前に総務部と経営企画部の職員を中心に50名を対象としたトライアルを実施。参加した職員のアンケートでは、「全庁的な導入は有効だと思う」、「トライアル前と比べて、時間を意識して働くようになった」といった結果が出ました。また、前年に比べて残業時間が約1割短縮したという検証結果が得られました。

ソリューション導入検討時の印象について、丹野氏は「IDリンク・マネージャーは、残業申請・承認が簡単で使いやすいことに魅力を感じました」と話します。幅広い世代が働く市役所だからこそ、新しいICTソリューションを導入するには、いかに導入しやすく使いやすいかが欠かせない条件です。また、有事の際にはIDリンク・マネージャーのシステムを停止しても支障が出ることなく業務継続できる点も高い評価を得ました。

加波氏は、「警告画面のインパクトの強さも有効だと思います。設定した時間になると大きな警告画面がウインドウの最前面に表示されるため、勤務時間の意識づけに働きかけることができるインパクトの強さも評価ポイントでした」と話します。また、PCがシャットダウンされる前に予め設定した時刻に、勤務時間の終了が迫っていることを通知する「お知らせバルーン」機能も時間管理面で有用性を感じたといいます。

「この機能のおかげで、当日の仕事の流れを見て、余裕を持って残業申請できるため職員からも好評です。お知らせバルーンを表示する時間や回数、メッセージは勤務形態に応じてカスタマイズできる点も便利だと思います」(加波氏)

導入効果と今後の展望

時間外勤務の合計時間が13%短縮 業務に対する職員の意識改革でも効果

導入前のシステム操作研修、所属長説明会などの準備期間を経て、2018年4月、IDリンク・マネージャーの全庁導入が行われました。その効果は早くも表れています。

「導入後1カ月の勤務時間を調べたところ、1カ月80時間以上の職員は84%減、1カ月100時間以上の職員は100%減したという結果が出ました。さらに職員全体で時間外勤務の合計時間が13%短縮したという成果が出ました(※いずれも前年同月比)」と丹野氏は強調します。さらに、IDリンク・マネージャーを導入したことで、時間外労働を減らすために仕事に優先順位をつけて取り組むという姿勢が職員に生まれたことも大きな変化だと話します。

「原則的に申請された残業の可否は課長以上の役職者である所属長が判断するのですが、『明日以降でも問題ない業務の場合は明日する』など所属長説明会で意識の共有を図ったことで、全庁的に『急ぎの仕事がない日は積極的に帰ろう』という空気が生まれてきたことも残業削減の効果につながっていると思います」と加波氏は話します。また、残業申請と承認のやりとり、個人の残業時間は、もちろんデータとして記録され閲覧できるため、残業が多い部署や職員の課題などを早期に発見できる点も管理のしやすさにつながっているそうです。

「システムは1つのツールですので、導入そのもので仕事が減るわけではありません。所属長とコミュニケーションを取りながら、職員1人ひとりが業務の必要性を考え、無駄な業務を減らしていくことが、働き方改革につながっていくと考えています。そうした観点からもIDリンク・マネージャーは、職員の意識改革のために有効なシステムだと感じています」働き方改革への思いを語る丹野氏に対して、加波氏はこう応えます。

「ソリューションの利活用という観点では人事部門とICT部門がうまく連携していくことが必須だと実感しました。制度は人事、システムはICT部門、と縦割りで考えるのではなく、職員の働き方や意識を変えるためには、ツールを使っていくのか、ルールを作っていくのかを、部門を超えて議論することが必要です。そうした連携を重ねられたことが今回の成果につながったのだと思います」

今後も寝屋川市様では、誰もが働きやすい環境を作るため、積極的に時短勤務や時差勤務を取り入れていこうとしています。部門の枠を超えた協力体制とICTの活用により、さらなる働き方改革の実現が期待されています。

寝屋川市 様

所在地 大阪府寝屋川市本町1番1号
代表者 北川 法夫 市長
職員数 1141名(2018年4月1日時点)
ホームページ http://www.city.neyagawa.osaka.jp/

[記載の肩書きや数値、固有名詞などは、取材当時のものです。(取材日:2018年7月)]

本事例に関するお問い合わせ

ページの先頭へ