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世界初!スマートフォンに組込み可能 マルチ周波数、マルチプロトコルに対応した1チップRFIDリーダライタLSIを量産開始。

小型アンテナを搭載したモジュールを開発

ユビキタス・コンピューティングの基盤研究所であるYRPユビキタス・ネットワーキング研究所(東京都品川区、所長:坂村健・東京大学教授)は、マルチ周波数、マルチプロトコルに対応するパッシブ型RFIDリーダライタLSIの開発を行ってきましたが、このたび1チップLSIの量産化に成功し、ユーシーテクノロジ株式会社(東京都品川区、代表取締役:諸隈立志)より量産供給することになりました。また、このLSIを搭載したリーダライタモジュールを、富士通フロンテック株式会社(東京都稲城市、代表取締役社長:海老原光博)と共同開発しました。このモジュールやこれを組み込んだハンディ端末を12月15日~17日に東京ミッドタウンで開催するTRONSHOW2011で展示いたします。なお、本成果の一部は独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の民間基盤技術研究促進制度に基づく委託研究「超小型汎用コミュニケーション端末のための基盤技術の研究開発」 (平成18年度〜平成22年度) により実施したものです。

2010年12月8日

スマートフォンなどで「モノ」や「場所」の自動認識を行うためにRFIDが広く注目を集めています。最近では、RFIDリーダを搭載したスマートフォンが開発されています。しかしRFIDは、用途やコストに応じて使用する周波数帯域で特性が異なります。また、使用する国に応じてさまざまなプロトコルを持ったRFIDが規格化、製品化されています。

このように、さまざまな周波数やプロトコルのRFIDが使用される中で、小型携帯端末で読み取ることを想定し、いかにして小型で電力消費の少ないリーダライタシステムを構築するかが課題となっていました。

このたび開発に成功したマルチプロトコルリーダライタは、従来、アナログ部とデジタル部を別々のLSIで構成していたものを1チップで構成しました。あらゆる国のプロトコル規格のRFIDにソフトウェアの変更のみで対応することができる、画期的なリーダライタLSIです。

マルチプロトコルリーダライタによって、ユーザはそのRFIDの周波数やプロトコルの違いを全く意識することなく、読み書きすることができます。本LSIは、以下のユビキタスIDセンター認定タグ5品種のプロトコルを実装しました。

■マルチプロトコルリーダライタが対応するucode認定タグ

  1. ISO15693 RFIDタグ
    (富士通セミコンダクター株式会社、リンテック株式会社、株式会社サトー、大日本印刷株式会社)
  2. ISO18000-4
  3. ISO18000-6 TypeB(富士通株式会社)
  4. ISO18000-6 TypeC(株式会社日立製作所)
  5. eTRON,ISO18092(FeliCa)
  6. ISO14443-TypeA(NFC)
  7. ミューチップ(株式会社日立製作所)

【LSI特長】

  1. SOI(Silicon on Insulator)プロセスを使ってアナログ部、デジタル部を1チップ化し、周波数特性を大幅向上
  2. 1チップ化による回路の共用により低消費電力、小型化を実現
  3. 新開発のスケーリング可能な専用DSPを搭載することにより、世界各国のさまざまなプロトコルや周波数にソフトウェアで対応
    【詳細仕様は別紙参照】

【マルチプロトコルリーダライタモジュール特長】

  1. 1チップに収納された機能を最大限に生かし、制御回路全体の圧縮に成功。周辺部品の削減も可能になったことで、小型化、低消費電力化、低価格化の実現も可能に。
  2. 同時に小型アンテナの開発に成功。13.56MHz、950MHz、2.45GHzの各周波数帯に対応する複合アンテナをスマートフォンに内蔵可能な大きさで、1枚の高周波回路用基板上に構成可能とし、低価格化を実現。
  3. アンテナ開発にあたり、無線モジュールやCPU基板など、スマートフォン内に高密度で実装される各種基板や構成部品、及び筐体との位置関係を考慮することで、アンテナ性能を最大限引き出すことに成功。
  4. マルチプロトコル機能を1つの小型無線モジュールにすることで、標準インタフェースとして幅広い機器への提供が可能。スマートフォン/携帯電話以外にも、パソコンや家電のような一般用途から、POSレジや自動販売機の追加オプション機能としても利用が可能。

「マルチプロトコルリーダライタLSI」マルチプロトコルリーダライタLSI

【補足資料】

1: YRPユビキタス・ネットワーキング研究所について
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所は、身の回りのあらゆるモノに、通信能力を有するマイクロコンピュータやセンサー、アクチュエータ等が埋め込まれ、それらが相互に情報交換を行いながら協調動作し、人間生活をより高度にサポートする、ユビキタス・コンピューティング環境を構築すること、更にその基盤となる次世代通信プロトコルを確立することを目的として設立された研究所です。

2:ユーシーテクノロジ株式会社
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所の研究成果を事業化するための会社です。最先端のユビキタス・コンピューティング技術を適用したソリューションをデバイスからシステム構築、コンテンツ制作までご提供いたします。今回、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所が開発したマルチリーダLSIやリファレンスキットの販売、サポートやライセンス等を行います。

3:富士通フロンテック株式会社
金融、流通、産業、公共などの各分野で先端テクノロジー製品を開発・製造し、ソリューション提供している会社です。RFIDリーダライタの開発技術を生かし、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所が開発したリーダライタLSIを使って、小型のリーダライタモジュールを開発しました。

4:SOI(Silicon on Insulator)プロセス
RFリーダライタLSIに使用する高周波回路素子は、素子間での干渉による誤動作を防ぐため、幅の広い素子分離帯が必要でチップ面積が大きくなります。今回、SOIプロセスを用いて高周波素子の周辺を絶縁層で囲み、素子同士が隣接しても相互に信号が干渉するのを防ぎ、より小さなスペースへの高集積化を実現しました。

【別紙:マルチプロトコルリーダライタLSI仕様】

サポートプロトコル ISO18000-4, ミューチップ
ISO18000-6B, -6C
eTRON, ISO18092(Felica),
ISO14443-TypeA
送信周波数 2.45GHz帯:2400~2483.5MHz
UHF帯:860~960MHz
13.56MHz帯:13.56MHz
送信出力電力(2.45GHz帯) 0dBm
送信出力電力(UHF帯) 0dBm
送信出力電圧(13.56MHz帯) 1Vp-p
伝送レート, 送信変調度, 傾き 設定により可変
キャリアセンス機能 内蔵 (UHF, 13.56MHz)
DAC 2ch(外付けPA調整用)
インタフェース ホストI/F:シリアル 115.2kbps, 38.4kbps
(調歩同期, 外部端子によりボーレート選択)
PKGサイズ 13x13mm FBGA 176pin
入力電源 3.3V-DC

日付: 2010年12月8日
会社名: YRPユビキタス・ネットワーキング研究所, ユーシーテクノロジ株式会社, 富士通フロンテック株式会社

お問い合わせ

富士通フロンテック株式会社
先進プロダクト営業部 第一営業部
icon-telephone 電話:042-377-0445 
お問合せフォーム:
http://www.fujitsu.com/jp/frontech/contact/