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相双五城信用組合様(福島県相馬市)

掲載日:2014年6月26日

FACT-V X200導入事例
お客様ニーズに対応
震災復興に向けた金融サービスの提供

【導入事例概要】
業種 金融
製品 FACT-V X200
【課題と効果】
1 各地に避難されたお客様は、通帳を見なければ安心できないという方が多い。 矢印 ATMに通帳繰越機能を導入し、どの支店からでも通帳発行ができるため、避難されている方の利便性を図ることができた。
2 ATMは第二の窓口でもあるため、当組合の雰囲気にあうようにデザインやカラーも重視したい。 矢印 使用する方への「心地良さ」が徹底的に追求されており、他社ATMにはない癒される雰囲気や利用する方への心遣いが感じられる。
3 以前はATMの前に行列ができることがあった。 矢印 新しいATMはスピードが速く、待ち時間が大変少なくなった。また、通帳繰越機能を追加したことで、窓口での通帳発行よりも短いとお客様に好評。
相双五城信用組合様外観

2014年3月、東日本大震災発生から3年が経過し、4年目の春を迎えました。この間、被災地では鉄道や道路などのインフラの整備は少しずつながら前に進んでいる一方、そこに暮らす皆さんの復興はまだまだと言われています。
今回私たちは、東日本大震災の被災地が営業区域である福島県相馬市に本店を置く相双五城信用組合様を訪ね、被災地域におけるお客様からのニーズにいかに応えていくのか、そのための金融サービスの提供など貴重なお話をお伺いしました。

店舗が閉鎖されても、新天地がある。職員も頑張ろうという気持ちが出た。

相双五城信用組合様は相馬港支店が津波で全壊したほか、福島第一原子力発電所の事故により、現在も浪江・大熊・富岡支店の3店舗が臨時休業中です。
被災地が営業区域でもある相双五城信用組合様およびお客様が受けられた被害と復興に向かう現在の状況を理事長 庄子 勇雄様にお伺いしました。

本店ロビーはお客様で溢れて

庄子 勇雄様
相双五城信用組合 理事長

ご存じの通り、2011年3月11日、東日本大震災がおきました。松川浦近くの相馬港支店が津波で全壊しました。幸いにも津波が来る前に職員は高台に避難し、人的被害は無かったものの、ATMを含め全てが流され、建物は骨組みだけが残りました。あとは原発です。当組合は8店舗のうち3店舗が双葉郡にあり、震災当日、住民は一斉に避難、一瞬にして住民がいなくなりました。やむなく3店舗は休業せざるを得ませんでした。

3月14日の月曜日、営業ができたのは本店だけで、ロビーはお客様で溢れていました。会津若松や東京へ避難されたお客様も来ておりましたね。ですから4階の大会議室にそれぞれの支店のブースを作りご対応しました。また全壊した相馬港支店のお客様は津波で家が流されていますので、当然通帳や印鑑、証書も流されています。普通ならお金をおろすこともままなりません。しかしながら私どもはお客様の顔をほとんど知っていますので、言わば《顔パス》での対応もしました。正直、あとから私はお金はおろしてないよと言われたらと不安もありましたが、実際、トラブルは1件もありませんでした。他の金融機関からみれば非効率的かもしれませんが、外回りを多くしており、お客さまとの「フェイス・トゥ・フェイス」の関係を基本に営業活動をしています。日頃からの営業活動が震災の時にも役だったと思います。

復興のための営業拠点の展開

津波で全て流され、骨組みだけとなった旧相馬港支店
2011年3月14日、庄子理事長がご自身の携帯電話で撮影。

原発事故により福島県外や、県内の会津若松市・郡山市・二本松市・いわき市などへ多数避難をされ、各避難地域から本店に来て頂くなど、お客様に大変なご不便をかけておりましたが、2011年、3相談所(会津若松・二本松・いわき)を設置しました。被災者のお客様の利便性を考え、相談所とは言え現金の出し入れ業務など、ほとんどの業務が出来るよう東北財務局より許可を頂きました。ただし相談所では為替業務だけができません。約2万8千人がいわき市に避難しており、その中でも商売をされていた方が多かったため、2013年3月、いわき相談所はいわき支店に昇格させ、為替業務なども出来るようにしました。震災から3年経ちましたが、未だに各地に避難されている方が多くいらっしゃいます。私どもは避難をしている方がおられる限りは相談所は続けていきたいと思っております。
震災当初は職員も、私自身も不安がありました。しかし、店舗が震災で閉鎖されても、新天地があるじゃないか、ビジョンを明確にし、2012年、相馬西支店(10月)、2013年にはいわき支店(3月)、そして日本で初めて許可を得た県境を越えた宮城県南部地区の亘理支店(7月)を開設、徐々に活気が出てきました。新店舗を作ることで勢いが出てきて、職員達も頑張ろうという気持ちがわき上がってきたと思いますね。その後、五城信用組合様との合併により、更なる営業拠点の強化を実施しました。

相馬港支店の再建

2013年8月、実に震災より2年6 ヶ月後に再建した新相馬港支店
1キロ内陸へ移設、屋外のらせん階段はいざという時の避難用として併設された。

2013年8月、実に震災より2年6ヶ月かかり再建しました。それまではプレハブでの仮設店舗で営業をしておりましたが、プレハブはプレハブ、ATMもありませんでした。お客様からは《ATMはいつ入れるのか?》と随分言われました。お金を引き出すのに、払戻用紙に書いたり、印鑑を押したり、とにかく面倒だというお客様が多くご不便をおかけしました。相馬港支店の世帯取引シェアは90%を超え、住民のほとんどが当組合と取引がありましたので、相馬港支店の再建に際しては、安全な店舗として安心・震災・津波に配慮した店舗を作りました。

全国の皆さん、被災地のことを忘れないでほしい

志賀 正宜様
相双五城信用組合 専務理事

庄子理事長と共に避難地区を回られたという専務理事 志賀 正宜様は当時を振り返ります。
原発地区の大熊支店のお客様は会津若松市に避難されました。震災当時、理事長と私は役場や商工会議所などを回りましたが、いろいろな手続きをするために役場に被災者が集まって来ており、私たちの顔を見ると涙を流されました。原発関係で避難されている方は戻りたくても戻ることが出来ません。今は集団で仮設住宅で生活されていますが、例えば新天地で生活をするとなると皆バラバラになります。原発事故で避難された皆さん、大変なご苦労をされたのだなと感じました。震災から3年が経ち、まだ避難は続いておりますが、全国の皆さんには忘れてほしくないと思います。

相馬市原釜・松川浦地区の津波後の状況

被災者のニーズにあった金融商品の提供

仮設住宅に長くいますと、隣の声や音が気になり、仮設住宅を出たいという被災者の声をよく聞くようになりました。仮設住宅を出てアパートを借りたいという方が何千人もいます。しかし原発に近いこともあり、新しくアパートを建てるハウスメーカーさんがなかなか見つからないという状況でした。そこであるハウスメーカーさんにお話し、低金利で長期間のアパート専用の〝そうしん復興アパートローン〞をスタートさせています。また個人の住宅につきましても全国の金融機関でもっとも金利の低いと思う〝災害復興住宅ローン〞を設定しておりご好評頂いております。(志賀様)

将来に向けた機能で検討

岩間 徳男様
相双五城信用組合 事務部 事務課 課長

事務部 事務課 課長 岩間 徳男様にはATMご検討の背景についてお伺いしました。
実はATMの更改は2012年の予定で検討していましたが、震災により更改時期が遅れました。震災からの店舗の復興とともに、新たに導入するATMは将来に向けた機能を念頭に、ICカード対応や視覚障がい者対応、そして通帳繰越機能などの実施をめざしておりました。当時、当組合はシングルベンダーで、富士通さんのATMは設置しておりませんでした。今回の更新では、3メーカーの比較表を作成しそれぞれの機種のメリット・デメリットを勉強させていただきましたが、機能的にはほとんど変わりはありませんでした。
本店では、他社と富士通さんのATMを設置することになりましたが、お客様の評判等で2台とも富士通さんのATMになりました。また本店以外では1店舗に1台の設置ですので障害が発生してしまうと、ATM機能がストップしてしまいます。保守対応の時間(保守要員の到着時間)は重要です。富士通さんは隣の南相馬市から来て頂けるので早い対応が出来るのも選定のポイントになりました。

ATMご評価

相馬港支店ATMコーナー
ATM上部の青い誘導ランプが美しい

ATMは第二の窓口でもありますので、当組合の雰囲気にあったデザイン、カラーも重視しました。ATMを使用する方への「心地よさ」を徹底的に追及しただけあって、他社のATMにはない、何と表現すればいいのかわらないですが、ATMに癒されるような雰囲気を感じました。(光、音、曲線)操作音にしても耳ざわりを感じることなく、スムーズに浸透するような音になっているので利用する方への「心遣い」なんだと思いました。(志賀様)

避難されているお客様が各地におられますので、どの店舗・相談所でも預金・定期積金を解約できるように印鑑照合支援システムを導入し、避難されている一番近い店舗で解約処理を容易に出来るようシステムと事務取扱の変更を行いました。またカードでのお支払いは全国どこでもできますが、やはり通帳を見なければ安心出来ないというお客様が多く、今回新規ATMには通帳の繰越機能を導入し、どの支店からでも通帳発行ができるようにし、避難されているお客様の利便性を図りました。(岩間様)

新しいATMは速いですね。当初は速すぎる、そんな雰囲気もありました。当組合は、本店以外は各店にATMは1台設置です。以前はATMの前に行列ができることもありましたが、今では皆さんスピードにも慣れ、待ち時間が大変少なくなりましたね。また、今回はATMに通帳繰越機能を追加しましたので、通帳がいっぱいになっても気にすることもなく、窓口での発行するよりもATMで発行する方が待ち時間が短いとお客様からのご評価もいただいております。(庄子様)

今後のサービスへの期待

鈴木 武彦様
相双五城信用組合 常勤理事

常勤理事 鈴木 武彦様には今後のご要望などについてお伺いしました。
ソフトウェアの開発が高いですね。OSが一社オンリーなのもどうなのかと思いますね。なかなか独自OSを開発するのは費用面などで大変ですが、日本独自のOSの開発など柔軟に対応出来るようになればと常々思っております。

実際のところ、被災してみないとわからないことが多いですね。お客様はどこの信用組合のATMでも通帳記帳が出来ると思っていますよ。実際47都道府県に避難されていますので、将来的には全国どこでも出来るようになれば良いですよね。皆さん、残高照会を見ても安心できないという方が多く、やはり通帳に記帳したものを見ないと安心できないようです。(庄子様)

現在、原発事故に伴い各地に避難されているお客様の状況をみますと、利便性向上ということで、簡易的な店舗(移動バスではない)の設置が簡単にできる仕組みがあると良いですね。今回震災を体験し、簡易的な店舗の実現は必要だと感じましたね。(志賀様)

【相双五城信用組合様 概要】(2014年3月末現在)
所在地 福島県相馬市中村字大町69
設立日 1951年11月
合併 2013年11月25日、相双信用組合(福島県相馬市)と五城信用組合(宮城県大河原町)が合併し、相双五城信用組合が誕生しました。
店舗数 支店 14ヵ所(福島県:本店、相馬港、鹿島、原町、浪江、大熊、富岡、新地、相馬西、いわき、宮城県:亘理、大河原、岩沼、蔵王)
相談所 2ヵ所(福島県:会津若松、二本松)
職員数 110人
ホームページ http://www.sogo-shinkumi.co.jp/

相双五城信用組合様は地域の「震災復興」をめざし、お客様(被災者)が本当に求められている金融サービスを掘り起こし、提供されております。
〝被災地のことを忘れないでほしい〞この言葉は大変心に響きました。
「震災復興」は被災地だけで行うものではありません。私たち富士通グループも一丸となり、サポートしてまいります。取材にご協力をいただき、ありがとうございました。

(注)本事例は、富士通株式会社、富士通フロンテック株式会社で対応した商談です。

相双五城信用組合様が選んだのはFACT-V X200です。

FACT-V X200

従来のFACT-V(ファクトブイ)シリーズに込められたユニバーサルデザインへの想いを受け継ぎ、ATMを利用される方への「心地よさ」を徹底的に追求した製品です。心を落ち着かせるブルーの光とやさしい音で、丁寧にスムーズな操作をお手伝い。機械操作が苦手な方でもストレスなく利用可能です。
さらに私たちは、誰もが見やすい操作画面にするため、色のコントラストを強調し、区分をわかりやすくしています。特に色覚の個人差に対して、ATMとしては国内初となるNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構の認定を取得しています。富士通は、いつの時代も皆様に愛される製品づくりを目指してまいります。

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