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観光を活用した地域産業活性化:成功要因と将来の可能性

上級研究員 大平 剛史
2017年12月

要旨

現在政府は国家戦略として、地域社会の「持続可能な発展」を通じた「観光立国」の実現を目指している。しかし、観光立国に向けた取り組みは、必ずしも各地の地域産業活性化にはつながっていない。しかも、観光を活用した地域産業活性化の成功要因については、これまで十分に研究・整理されていない。そこで本研究では、成功要因や他地域に応用する際の注意点を整理するため、墨田区、飯能市、尾道市、東村に関する詳細な事例研究と、他事例の調査を行った。

その結果、観光を活用した地域産業活性化全般の成功要因として、まず以下の3つを明らかにした。すなわち、1)自治体による長期間のサポート、2)外部リソースの確保・活用、3)地域住民を中心メンバーとする組織や団体における誇りの醸成である。また、観光のうち特にコミュニティツーリズムを活用した事例に特徴的な成功要因として、以下の3つを明らかにした。すなわち、1)アジャイル型小規模施策の成功体験、2)伝統的コミュニティの利用、3)継続的な情報収集・分析・交換である。

本論で調査対象とした地域以外に、これらの成功要因を適用するには、いくつかの前提条件がある。1)地域住民を中心とする組織や団体が継続的に参加できること、2)地域住民が参加できる複数の調整機会があること、3)地域コミュニティにおける長老格の住民からの支持が得られること、4)地域外での生活経験のあるコミュニティ成員がいることである。これらの条件は成功の必要条件ではないものの、より多く当てはまる地域のほうが、本論の分析結果を応用できる可能性が高い。

一方、観光を活用した地域産業活性化を他地域に応用する際の注意点としては、1)イベント開催など短期施策の開催自体が目的になりやすい点、2)メディアなど地域外の大企業の動向に短期的に大きな影響を受けやすい点、3)短期的に大規模な雇用・移住者の増加を誘発するような産業が育ちにくい点、4)歴史が浅い地域などではコミュニティツーリズムの利点を活かしづらい点などが特に重要である。


全文はPDFファイルをご参照ください。
観光を活用した地域産業活性化:成功要因と将来の可能性 (1.62 MB )