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ソーシャル・イノベーションの可能性と課題

―子育て分野の日中韓の事例研究に基づいて―

上級研究員 趙 瑋琳
2017年7月

要旨

近年、社会課題に対して、革新的で、持続可能な手法で解決し、経済的価値のみならず新たな社会的価値の創出を目指すソーシャル・イノベーションの重要性は広く認識されるようになっており、それに関する研究も増えている。ソーシャル・イノベーションを推し進める政策や先進事例の研究は、欧米が先行しているが、様々な社会課題が深刻化しているアジアでも、ソーシャル・イノベーションに対する関心が高まり、政策策定や事例支援などが急速に進展している。

本研究は、東アジアの日本、中国、韓国を対象に、ソーシャル・エコシステムの形成における制度や政策、支援の進展と動向を比較分析し、ソーシャル・エコシステムの状況と形成のメカニズムを明らかにする。日中韓3カ国の共通課題の一つである少子高齢化に焦点を当て、子育てを取り巻く環境を考察したうえで、小学校までの子どもを対象にサービスを提供している事業をケースとして取り上げる。日本の「放課後アフタースクール」は地域資源の活用に注力し、地域社会との協働で成長を遂げている。「森のようちえん全国ネットワーク」は自然教育のコンセプトを共有し、自発的につながることによって、活動の拡大を図っている。中国の「億未来社区児童運動館」は社会的企業としての発展を目指し、「社区」に根差したサービスを展開している。「自然の友ガイア自然学校」は先駆的なNGOである自然の友から脱皮し、社会資本を豊かにしようとしている。「谷雨千千樹」は各地方政府との連携をベースに、活動の範囲を広げている。韓国では、親達の共同意識のもとに、共同育児の「ウリオリニジップ」、本質的な教育を求める「三角山ゼミナン学校」が設立されたが、それを起点に、地域の住民たちが共同でニーズに応えることによって、生協やコミュニティカフェなどの活動がどんどん生まれ、まちづくりとして有名なマウルまで発展している。

経済社会を変える力としてソーシャル・イノベーションに期待が寄せられており、可能性を秘めている。一方、ソーシャル・エコシステムの多様化や、社会的企業のフロンティア的な存在からスケールアップとスケールアウトまでの昇華、ソーシャル・イノベーションを引き起こす新たな担い手の育成など、克服すべき課題も多くある。


全文はPDFファイルをご参照ください。
ソーシャル・イノベーションの可能性と課題 ―子育て分野の日中韓の事例研究に基づいて― (1.32 MB )