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電子政府から見た土地所有者不明問題

― 法的課題の解決とマイナンバー ―

主席研究員 榎並 利博
2017年1月

要旨

近年、外国資本による日本の水源地域の買占めや東日本大震災の被災地復興の妨げとして、不動産登記簿における土地所有者が不明なままになっているという問題がクローズアップされた。実はそれだけでなく、自治体の固定資産税業務、公共事業や民間の開発、農業・林業の効率化などへの影響も大きく、きわめて広範囲かつ深刻な問題となっている。

さらに、官民データ活用推進基本法が成立し、オープンデータやビッグデータなどデータが重要な資源として今後の利活用が期待されているにも関わらず、土地所有者の情報という我が国における最も基本的なデータがこのような状態であることに危機感を強く感じる。

本研究では、土地所有者不明問題が起きる原因を明らかにし、実際に現場ではどのような問題が起きているのかをインタビュー調査などをもとに整理した。そして、行政における土地所有者の情報がどのように流通し活用されているのかを明らかにし、問題の根源となっている不動産登記制度見直しの重要性を指摘するに至った。

ただし、不動産登記制度の見直しについて、現在の法理では所有者の登記義務と登記官の管理義務を法的に根拠づけることができない。これを解決するためには、「強い所有権」と「登記の公信力」という法的な壁を乗り越える必要がある。

具体的には、次の短期的解決方法と長期的解決方法を同時に開始し、土地所有者不明問題を解決していくべきと考える。

短期的解決方法

権利者に登記簿への所有者登録(マイナンバーも登録)を義務付け、登記官には実質的な審査権限を付与して登記内容と現状との一致を図り、登記簿に実質的な公信力を与える。その際には不動産登記簿へのマイナンバー導入を図り、すでに導入計画のある戸籍マイナンバー(戸籍クラウド)を同時に活用していく。

長期的解決方法(強い所有権と意思主義に関する法理の再構築)

「強い所有権」問題について、国民の意識改革を含め憲法議論のなかで国民のコンセンサスを得ていく。さらに、物権変動の意思主義と公信力の問題についても、民法(物権法)見直しの議論のなかで、現代の社会情勢を考慮しながら再検討していく。


全文はPDFファイルをご参照ください。
電子政府から見た土地所有者不明問題 ― 法的課題の解決とマイナンバー ― (2.68 MB )