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クラウドコンピューティングに関するユーザーニーズの調査

主任研究員 浜屋 敏

2010年7月

要旨

わが国では、クラウドコンピューティングに関するユーザーニーズについてあまり調査が行われないまま、ベンダー企業がアメリカの先行企業に後れを取らないために、提供側の論理を中心にしてサービスが開発されてきた。ところが、日本のユーザー企業の考え方は、アメリカのユーザー企業とは異なっていることも考えられる。日本市場でサービスの差別化を実現するならば、アメリカで先行するベンダー企業の後追いではなく、日本のユーザーのニーズを正しく理解し、それに合ったマーケティング戦略を実践することが重要である。

以上のような問題意識にもとづいて日本のユーザー企業の担当者に対するアンケート調査を行い、その結果を分析したところ、以下のようなことが明らかになった。第一に、日本のユーザーがSaaSやクラウドコンピューティングに期待するメリットは開発期間の短縮や全体コストの削減であった。この点については、多くのベンダーも理解しているところであろう。一方で、8割以上の回答者が、SaaSやクラウドコンピューティングに関するセキュリティ、さらにサービス品質・性能について、「非常に重要」または「やや重要」な懸念事項であると考えていることもわかった。ベンダー選択基準についても、4割以上の回答者がセキュリティ対策やサービス品質を「非常に重要な基準」であると考えている。

そして、セキュリティやサービス品質については、日本の大手ベンダー企業のイメージは、アメリカの先行企業に決して劣っているわけではないことも明らかになった。しかし、特に情報システム部門に所属するシステムの専門家の間では、セキュリティやサービス品質に関するイメージも、日本の大手ベンダー企業とアメリカの新興ベンダー企業との違いは小さい。今後アメリカのベンダー企業が日本市場でも実績を伸ばしてくれば、調査時点では日本のベンダー企業が優位を保っていた項目についても、イメージが逆転してしまう恐れもある。

どのような特徴を持ったユーザーがSaaSやクラウドコンピューティングの利用に積極的かという要因分析を行ったところ、従業員数などの表面的な属性よりも、企業改革に積極的かどうか、従業員のITリテラシーが高いかどうか、といった要因が強く利いていることがわかった。さらに、現行の情報システムの運用に大きな問題を感じている企業ほど、SaaSやクラウドコンピューティングの利用意向も高かった。これらのことから、日本のベンダー企業は、まずは企業改革に積極的な企業をリードユーザーとして、そのようなユーザーと協力しながら、特にセキュリティやサービス品質といった訴求点を強化し、強調することによって、アメリカの先行ベンダー企業との差別化をはかるべきであるという示唆を得ることができた。

全文はPDFファイルをご参照ください。

クラウドコンピューティングに関するユーザーニーズの調査 [680 KB]