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No.148 : イノベーションによる地球温暖化ビジネス創出と国際競争力

主任研究員 生田 孝史/上級研究員 濱崎 博

2002年12月

要旨

  1. 京都議定書の発効が確実となっているが、我が国にとって、削減約束の達成は決して容易ではない。民間主導による地球温暖化対策の推進によって、イノベーションを促進し、ビジネス機会の創出と国際競争力の強化を図ることによって、相対的なコストを低減していくべきである。
  2. イノベーションは、温室効果ガス削減によるコスト負担をオフセットし、逆に競争力を強める可能性がある。応用一般均衡モデルGTAP-Eを用いたシミュレーションでは、イノベーションを仮定していないケースでは、実質的削減目標のある日本、EUのエネルギー多消費産業で生産量が減少し、削減目標のない国・地域への生産拠点の移転が生じる。しかし、イノベーションが生じれば、日本、EUにおいて生産量が増加し、他の国・地域での生産量が減少する結果となった。
  3. イノベーション促進と温暖化問題解決を両立するためには、削減対策を産業界の自主性に任せた市場メカニズムの活用とフリーライディング防止のための厳格な対策が必要である。我が国の温暖化対策は、他国と比べて、紳士協定による特殊性が際立ち、イノベーションの促進を妨げる政策となっている。
  4. 温暖化関連ビジネスの国際競争力を比較すると、我が国は、国際的に競争力を持っている製造業における環境技術分野では競争力の強いものが多く、新エネルギーなどの新規産業創出に関する分野では、政策的なサポートの違いで遅れをとっている。一方、サービス分野では、欧米の後塵を拝している。
  5. 欧米では、市場を活用したビジネスモデルの構築や国際的な連携が活発に行われており、排出量取引やファイナンス、コンサルティング、マーケティングサポートなどのビジネスアイディアが創出されている。温室効果ガスの削減を「経済的価値」として評価し、地域・民間主導で、温暖化ビジネスを支援するための市場整備が進んでいる。
  6. 民間による積極的な取組みを促進するためには、温暖化対策によるビジネスチャンスに関する正確な認識を持ち、イノベーション促進のための早期取組みを実施しながら、市場整備に向けた民間ネットワークの早期構築や具体的な市場設計、さらには国際的なビジネスルール構築への積極的な関与が重要である。民間活力を支援するための政策としては、国際競争力という観点に立った温暖化対策戦略の構築、企業の排出削減行動に対するインセンティブの供与、民間の自主的取組みを支援するためのインフラ整備が求められている。

全文はPDFファイルをご参照ください。

イノベーションによる地球温暖化ビジネス創出と国際競争力 [234 KB]