GTM-MML4VXJ
Skip to main content

English

Japan

  1. ホーム >
  2. 調査・研究成果 >
  3. 研究レポート >
  4. 1999年 >
  5. 崩れる中国のエネルギー需給逼迫シナリオ

No.54 : 崩れる中国のエネルギー需給逼迫シナリオ

研究員 金 堅敏

1999年6月

要旨

  1. 中国では、改革開放後高度経済成長が達成され、エネルギー需要が急上昇し、エネルギー供給が経済成長のボトルネックになった。特に、90年代に入ってからは「自給自足」のエネルギー政策を改め、国際エネルギー市場で調達するようになっている。中国の驚異的な経済成長とエネルギー政策の転換に対して、海外から中国のエネルギー逼迫シナリオが数多く出され、世界のエネルギー需給における「中国脅威論」さえも言われている。
  2. しかし、アジア通貨危機の影響や、中国国内経済構造の非効率性と国有企業の赤字体質により中国経済の成長鈍化傾向が強まっている。それにエネルギー消費は経済減速との比例よりも大きく落ち込み、消費の落ち込みに連れてエネルギー生産の調整も余儀なくされている。これまでの海外の予測とは裏腹に、少なくとも短・中期的に中国のエネルギー需給逼迫シナリオは外れるようになった。
  3. 中国のエネルギー需給のトレンド関係において、これまで、中国のエネルギー消費はうなぎ上りに増大してきた。特に石油(原油と製品)への需要が急増し、国内供給がその需要を満たさず、石油製品、原油はそれぞれ1992年、1996年に純輸入に転じたが、1998年に輸入量は大幅に減少した。一方、石炭の需給問題は輸送にあるにもかかわらず、豊富な石炭資源を背景に、投資が拡大され、早くも1996年ごろから供給過剰状態にあった。これまで、量的拡大を重んじたエネルギー政策は、国家エネルギー需給計画の見直し、生産調整、コスト削減、経営改善等に転換せざるを得なくなった。
  4. 短・中期的に中国のエネルギー需給は調整期に入った。長期的にはエネルギー需要の増加がみ込まれる。石炭資源の豊富さから中国経済自体においてエネルギー危機が発生することは考えられない。利用効率や環境保全の利点から中国が国際エネルギー市場に出てくるのは避けられない。しかし、長期的に極端な石油輸入に依存しないために今回の調整期を活かしてエネルギー生産の効率を図り、産業のエネルギー使用効率を高くさせることが必要となる。また、東アジア諸国も今回の調整期を活かして将来石油資源を奪い合う事態が生じないように、中国を含んだ東アジアエネルギー安全保障の枠組み整備に着手すべきである。

全文はPDFファイルをご参照ください。

崩れる中国のエネルギー需給逼迫シナリオ [254 KB]