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2016・2017年度経済見通し(2016年8月改訂)

-財政、金融の一体策で持ち直しへ-

2016年8月15日
株式会社富士通総研
経済研究所

当社は、2016年4~6月期のGDP統計(1次速報)の発表を受け、経済見通しを改訂しました。世界経済は牽引役不在で、リスクの高い状況が続くと考えられます。日本経済は、現在の踊り場的から、実質賃金上昇に伴う個人消費の持ち直しや、経済対策による公共投資の増加により、次第に上向いていくと考えられます。新たな経済対策のGDP押し上げ効果は、2016年度、2017年度とも0.3%程度と見込まれます。

実質成長率: 2016年度 1.1%(前回0.8%)、2017年度 1.3%(前回1.1%)

【世界経済】

世界経済は、中国など新興国の減速に加え、アメリカ、日本など先進国も鈍化し、牽引役不在の状況にある。先進国、新興国はそれぞれ抱える課題が異なり、政策協調を図るのも難しい。加えて政治や地政学上のリスクの高まりが、世界経済の先行きに影を落としている。イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ現象など、移民への嫌悪感や自由貿易への反発が顕著になっているが、20世紀末からのグローバル化がもたらした格差拡大に対する庶民の怒りがその根底にある。また、イスラム国による相次ぐテロ事件も不安要因となっている。今後も、世界経済に想定外のことが起こらないとは言い切れず、不透明感が強い状態が続くと考えられる。

【日本経済】

日本経済は、輸出、生産、投資とも横ばい圏内にあり、踊り場の状況にある。今後は、実質賃金上昇を受けて個人消費は緩やかに持ち直し、更新投資や省力化投資を中心に設備投資は底堅く推移し、これに新たな経済対策による公共投資の効果が加わることで、次第に上向いていくと考えられる。新たな経済対策のGDP押し上げ効果は、2016年度、2017年度とも0.3%程度と見込まれる。その結果、2016年度の実質GDP成長率は1.1%、2017年度1.3%になると予想される。ただし、先行きは世界経済の様々なリスクが高まっており、日本経済の下振れリスクも高いと見ておく必要がある。

本文はPDFファイルをご参照ください。

2016・2017年度経済見通し(2016年8月改訂) (643 KB)

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