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2016・2017年度経済見通し(2016年5月改訂)

-円高でも回復は途切れず-

2016年5月18日
株式会社富士通総研
経済研究所

当社は、2016年1~3月期のGDP統計(1次速報)の発表を受け、経済見通しを改訂しました。世界経済は牽引役不在で、緩やかな回復にとどまると考えられます。日本経済は、円高でも失速する可能性は低く、個人消費、設備投資が底堅く推移し、輸出も緩やかに増加していくことで、回復は続いていくと考えられます。

実質成長率: 2016年度 1.0%(前回1.0%)、2017年度 0.1%(前回0.1%)
消費税率引き上げ延期のケース 2016年度 0.8%、2017年度 0.8%

【世界経済】

年初からの世界経済の先行き不安は和らぎ、原油価格も底打ちが明確になりつつある。しかし、アメリカ経済は踊り場で、中国経済の調整は長引き、ユーロ圏経済は唯一、緩やかな成長が続いているものの、世界経済の回復ペースは依然として緩慢である。アメリカは雇用は底堅いが、ドル高修正による再加速を待つ局面にある。ユーロ圏は、内需主導の緩やかな回復が続くと考えられる。中国は消費が力強さを欠くなか、改革も停滞し、再び固定資産投資や不動産開発に依存する傾向が出ている。2016年後半には、世界経済の不透明感は、今よりは払拭されていくと考えられるが、明確な牽引役が不在で、回復ペースは緩やかなものにとどまると予想される。

【日本経済】

日本経済はうるう年要因を除けば横ばいの成長にとどまり、年初からの円高が企業収益を悪化させ、景気の腰を折るとの懸念も強まっている。しかし、人手不足に伴う賃金上昇圧力が持続していること、また、更新投資や省力化投資に対する企業の意欲は根強いことから、景気が失速する可能性は低いと考えられる。今後は、力強さを欠きながらも実質賃金上昇を受けて個人消費は増加し、設備投資は底堅く推移し、海外経済の持ち直しに伴い輸出も緩やかに増加していくことで、景気回復は続いていくと考えられる。消費税率引き上げが延期される場合、2016年度の実質GDP成長率は0.8%、2017年度は0.8%になると予想される。

本文はPDFファイルをご参照ください。

2016・2017年度経済見通し(2016年5月改訂) (417 KB)

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