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2015・2016年度経済見通し(2015年11月改訂)

-緩やかな好循環は持続-

2015年11月16日
株式会社富士通総研
経済研究所

当社は、2015年7~9月期のGDP統計(1次速報)の発表を受け、経済見通しを改訂しました。世界経済は、中国など新興国の減速が続いていますが、先進国は底堅く推移し、全体として緩やかな成長を続けています。日本経済は、先行きは企業収益の増加が賃金や設備投資に結びつく好循環が次第に強まっていき、輸出も回復することで、2016年度は1%台半ばの成長に回復すると考えられます。

実質成長率: 2015年度 0.9%(前回1.2%)、2016年度 1.6%(前回1.6%)

【世界経済】

世界経済は、中国など新興国の減速が続いているが、先進国はその悪影響を受けつつも底堅く推移し、ペースは減速しているが全体として拡大を続けている。中国は、過剰設備が解消されず投資の鈍化が続いているが、消費は堅調に推移し、経済のサービス化が進展し新たな雇用が生まれるなど構造転換が緩やかに進展しつつある。アメリカは完全雇用状態となっており、12月に利上げに踏み切る可能性が高いが、その後の利上げのペースは小幅にとどまり、経済への悪影響は回避されると見込まれる。ユーロ圏は、実体経済は緩やかな回復基調を保っており、追加緩和の実施でさらなる景気の下支え効果が見込まれる。

【日本経済】

日本経済は足元では2四半期連続のマイナス成長に陥ったが、企業収益の増加が賃金に結びつく好循環は、緩やかながら維持されている。先行きは好循環がより強まっていき、設備投資、輸出も回復していくことで、拡大していくと見込まれる。投資拡大のために、政府が環境整備を進める姿勢を示していることもプラスに働くと考えられる。好循環が強まるにつれ、物価の基調は着実に上昇していくと予想される。追加緩和については、その必要が高まる可能性は低い。日銀は目標を後ずれさせても、2%の目標の旗は降ろさず、粘り強く達成を目指していく姿勢を示すことで必要な緩和環境を維持していくと考えられる。実質GDP成長率は、2015年度は0.9%、2016年度は1.6%になると見込まれる。

本文はPDFファイルをご参照ください。

2015・2016年度経済見通し(2015年11月改訂) (395 KB)

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