Skip to main content

English

Japan

2015・2016年度経済見通し(2015年5月改訂)

-賃金上昇を起点とした好循環へ-

2015年5月20日
株式会社富士通総研
経済研究所

当社は、2015年1~3月期のGDP統計(1次速報)の発表を受け、経済見通しを改訂しました。世界経済は、アメリカの回復やユーロ圏の持ち直しにより、引き続き緩やかな拡大を続けていくと見込まれます。日本経済は賃金上昇によって消費が回復し、円安による国内への生産回帰が設備投資を刺激し、加えて輸出が引き続き増加することによって、2015、2016年度と景気拡大は持続していくと考えられます。

実質成長率: 2015年度 1.8%(前回1.9%)、2016年度 1.7%(前回1.8%)

【世界経済】

世界経済は、アメリカが一時的に下振れているが、ユーロ圏は上向いており、全体として緩やかな回復を続けている。アメリカの利上げは、雇用のさらなる回復とインフレ率の上昇が確認できる年末以降に後ずれする可能性が高い。ユーロ圏は、量的緩和の効果でデフレ懸念が和らいでおり、足元ではギリシャの資金繰り悪化が懸念されているが、ユーロ圏全体に与える影響を心配する必要はなくなっている。中国は、成長率の7%割れ、新規就業者数の減少という危機に直面し、金融、財政面の短期的なテコ入れを急いでいる。景気減速は当局の想定を超えているが、コントロール可能な範囲にあると考えられる。

【日本経済】

日本経済は、消費増税後の消費の戻りが鈍かったことを背景に、在庫調整が遅れて生産増加にはずみがつかず、また、消費の弱さは消費者物価の足を引っ張る状況になっていた。しかし、今後については、賃金の改善により個人消費が回復し、国内生産への回帰に伴う稼働率の向上に伴い、能力増強を伴う設備投資も次第に活発化し、世界経済の回復を背景とした輸出の増加と合わせて、日本経済は緩やかな拡大を続けていくと見込まれる。実質GDP成長率は、2015年度は1.8%、2016年度は1.7%になると予想される。2%の物価上昇目標の達成は、日銀の想定よりは後ずれし、2016年度後半になると考えられる。

本文はPDFファイルをご参照ください。

2015・2016年度経済見通し(2015年5月改訂)

関連ページ

PRESS RELEASEへ