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2009・2010年度経済見通し

~底入れ後の回復は緩やかなものに~

2009年8月17日
株式会社富士通総研
経済研究所

 

当社は、2009年4~6月期のGDP統計(1次速報)の発表を受け、経済見通しを改訂しました。世界経済は最悪期を脱したものの、政策効果によって支えられている部分が大きく、先行きについては緩やかな回復に留まると予想されます。日本経済も、政策効果によってプラス成長に転じ、回復過程に入っていますが、世界経済の急速な回復が見込めない中では、設備投資の反転が遅れ、本格的な回復は2010年度にずれ込むと考えられます。

実質成長率: 2009年度 -2.6%(前回-3.5%)、2010年度 1.2%(前回1.2%)

【世界経済】

世界経済は昨年10~12月期、今年1~3月期の大幅な落ち込みを克服して着実な回復過程に入っている。しかし、量的緩和や財政刺激策によって支えられた面が強いため、プラス成長に転じた後、さらに成長が加速していくかどうかについては、不安が残る状況となっている。景気の底入れに伴い、各国の貿易が増えていく過程で、相互に刺激し合い好循環に向かえば、世界経済全体の回復テンポが増していくと考えられるが、そうした状況に移行すると確信できるまでにはなお時間がかかりそうである。なお、中国については、世界に先駆けて景気が底打ちしたことが鮮明になっているが、バブルを必要以上に膨張させない細心の注意を要する段階に入りつつある。

【日本経済】

日本経済は、輸出、生産が持ち直すとともに、エコポイントによる消費刺激、公共投資の増加などの政策効果によりプラス成長に転じ、先行きについても緩やかな回復を続ける可能性が高まっている。しかし、世界経済の急速な回復が見込めない中では、企業は先行きの設備投資について慎重な姿勢を崩しておらず、本格的な景気回復は、2010年度にずれ込むと予想される。政権交代が行われる場合の影響は、今年度補正予算の一部の執行停止が景気にマイナスの影響を与える可能性があるが、子ども手当ての創設、ガソリンの暫定税率の廃止などの政策が実現されれば、2010年度には所得増加により消費が上積みされる効果が期待できる。

本文はPDFファイルをご参照ください。

2009・2010年度経済見通し(2009年8月改訂) [314 KB]