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Japan

2009・2010年度経済見通し

~日本経済は戦後最大の不況に突入~

2009年2月16日
株式会社富士通総研
経済研究所

 

当社は、2008年10~12月期のGDP統計(1次速報)の発表を受け、経済見通しを改訂しました。世界経済は同時不況が深化しており、少なくとも2009年半ば頃までは生産調整が続くと考えられ、先行きの急速な需要回復も展望しにくい状況にあります。日本経済は、世界需要の同時かつ大規模な減少に直撃される形で戦後最大の不況に突入しており、プラス成長に転ずるのは2010年度になると見込まれます。

実質成長率: 2008年度 -2.6%(前回-1.1%)、2009年度 -3.5%(前回-0.8%)、2010年度 1.1%

【世界経済】

世界経済は実体経済とマインド悪化の負の連鎖に歯止めがかからず、経済が必要以上に収縮するリスクが高まっており、各国で政府の果たす役割の重要性が増している。ほとんどすべての国が不況に陥る中で、他国の回復に頼ることなく、不況脱却の契機をつかむには、将来にとって不可欠ではあるが現時点では民間部門が踏み出しにくい投資を政府自らが行ったり、民間投資をそうした方向に誘導する政策が必要とされる。こうした形の不況脱却競争で有利になるのは、自前で管理・誘導し得る十分な資金を持っている国である。同時不況が深まる中、資金をいかに前向きな投資に結びつけることができるかどうか、各国政府がその真価を問われている。

【日本経済】

日本経済はリーマンショック以降の世界需要の同時かつ大規模な減少に直撃され、輸出の急減を起点に、生産の大幅低下、雇用、所得の悪化、設備投資の抑制が生じ、かつてない速さ、深さ、広がりで景気が悪化している。これまでの景気拡大を支え続けてきた設備投資は、今後は戦略分野も削減の対象になる可能性が高まっている。生産をいくら削減しても在庫が減らず、在庫調整の終了に目処が立たないことが、企業活動を著しく萎縮させている。日本経済は、2008年度、2009年度と2年連続で大幅なマイナス成長になるという戦後経験したことのない不況に陥り、プラス成長に転ずるのは2010年度以降になると見込まれる。

本文はPDFファイルをご参照ください。

2009・2010年度経済見通し [326 KB]