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新規ビジネス企画における発想のために

2005年4月15日(金曜日)

私たちはこれまで多種多様な新規ビジネスの企画立ち上げにかかわってきました。この分野のコンサルティングは、“時代の流れを的確に捉えて、今のタイミングでどうやって仕掛けるか”、“想定する競合に対してどう差別化を仕掛けるか”を考えに考え抜いて生み出す、苦しいけれど面白い仕事でもあります。なかでも時代の流れを先取りする点では当社の力は相当高いものがあり、今では当たり前になっているいろいろなビジネスやサービスをかなり前から捉えてコンサルティングに活かしてきました。たとえば、古くは日経第一回マルチメディア準グランプリを受賞したオークションビジネスモデルも私たちの先を読む感性から生まれたものでしたし、最近では急成長したお客様(陸運業)の「求貨求車ビジネス」も私たちの先見性を活用していただいたものです。

こういった時代の先を読むためには、正しい情報を得ることが最低必要ですが、マスコミに流れる情報はかなり遅いか、実態と微妙にズレのある姿で流れるため、実際の企画を立てるときには頼りにすることはできないのが現実です。より重要な情報は、先進的な発想をもつ人的ネットワークやクライアントの最前線から拾い出されます。そしてそこで重要なことは、その入手した情報の本質を判断する力をもつことであり、その判断力の基礎は世の中の生活者や技術やビジネスのかなり先の姿を、今にとらわれずに思い切ってJUMPして想像しておくことであると感じます。

例えを挙げだすときりがありませんが、パソコンは今の時点では、紙の雑誌や新聞に完全に置き換わっていませんが、これが限界ではないでしょう。それがいつかかは別にしても、たとえばディスプレーが今の紙のノートと同じように使えるようになる時代、さらにはハンカチのようにポケットから取り出して使えるようになる時代を想像しておくわけです。他にも、ポータルサイトを捉えるにしても、今はYAHOOやGoogleといったいわゆる検索サイトが中心になっていますが、たとえば、画面にバーチャルなペットが出てきて、受け取った質問をくわえて、2ちゃんねるやQ&Aサイトといったコミュニケーションボードに行って質問をし、もらった回答をくわえて戻ってくるといったようなインターフェースが出現する時代を想像しておくわけです。

もちろん、このような空想に近い想像だけで、現実に通用するビジネスを組み立てられるわけではありません。実際のコンサルティングでは、こういったすこし遠い将来に向かう道筋を意識しながら、“今このタイミングで、我がクライアントが入っていこうとする業態に入ってくる最も恐ろしいプレイヤーは誰か”、“その時もっとも強力な戦略はどういったものか”、“その競合プレイヤーの想定戦略に対して、我がクライアントの経営資源や企業連携を活かして、どう住み分けることができるか”、あるいは“どう参入障壁を立てられるか”といった、個々のクライアントの資源と経営意思を汲み上げひとつひとつオリジナルな戦略を設計していくことになります。


藤井 哲志(ふじい さとし)

流通コンサルティング事業部所属
事業拡大、新規事業、新製品・新サービスに関する企画立案、戦略策定、展開支援など業種・業態にとらわれない幅広いコンサルティング活動を実践
富士通コンサルタント認定資格:プリンシパルコンサルタント(経営)