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田中靖浩氏講演「20世紀PDCAはもう古い!21世紀型OODA経営への転換」レポート

イメージ「ICTのmikata」で人気コラム連載中の公認会計士田中靖浩氏が、2月9日に開催された富士通マーケティングフォーラム2016に登壇しました。講演テーマは「21世紀型OODA経営への転換」。PDCAに替わり、現代の軍事の戦い方であるOODAをビジネスにも応用するべきと提言します。講演では、誰もが分かりやすい例を挙げるなどユーモア溢れる話術に、参加者は自ずと引き込まれていきました。田中氏は現在、このテーマについての書籍を執筆中。5月発行予定の書籍に先駆けて、「OODA経営」のアウトラインをいち早くお届けします。

【前編】 日本企業をめぐる「新・3つの過剰」
打開策のヒントは、湾岸戦争の戦い方にあった!

今回の講演テーマは「軍事に学ぶ、新しい経営企画」ですが、「軍事に学ぶ」と聞いて、一瞬「何の関係があるの?」と思われた方もいるかもしれません。しかし、ビジネスの世界では「戦略」「戦術」「ミッション」といった言葉がごく普通に口にされたり、インターネットにしても、米国とソ連冷戦時代の通信“兵器”として生まれたものであったりと、現代の経営企画や会計の場面で語られる用語の多くは、軍事がルーツであることは少なくありません。

イメージ今の経営は、PDCA(Plan Do Check Action)が全盛です。ある程度の規模の会社で予算を持っていないところはないですし、業績を上げようとすると、中期経営計画を立てて“PDCAを回せ!”が、まるで合言葉のようになっています。
ビジネスを進める際には、しっかりと計画を立てて、予算を作り、計画通りに物事が進んでいるかチェックする管理体制を整えた上で、行動する。昔の戦争もそうでした。
ビジネスは戦場であり、いかにライバル企業に勝つかだ――という視点で捉えるなら、軍事の戦い方を企業経営に取り入れることは理に叶っています。しかし、今や軍事の世界では、計画・管理体制強化の「PDCAだけでは勝てない」が定説となり、新たなドクトリン(行動指針)へと転換しつつある状況です。

そのきっかけは、1991年の湾岸戦争です。あの時のイラクはかなり手ごわいと予想されていました。彼らは、最新鋭の兵器など十分な軍事品を持っていて、実戦経験が豊富な兵士もいました。でも、いざ多国籍軍が攻撃を開始したら、意外とあっけなく終わったのを覚えていますか?決してイラクが弱かったのではなく、米国率いる多国籍軍の戦い方がすごく上手かったのです。まずイラクのレーダーを破壊して敵がどこから攻めてくるか分からない状況をつくりだしました。そして通信網を切り指揮命令系統を寸断した上で、敵の裏をかいてイラク本国を攻撃。一方のイラクは、計画ガチガチで、占領したクウェートに多国籍軍が攻めてくるという計画のもと、兵士をクウェートに集中。いきなり本国を攻撃されたイラク兵士は、指揮命令系統が破壊されているため、身動きがとれませんでした。多国籍軍は知っていたんですね。イラク兵士が上の命令なしでは動けない体質だということを。だから、通信網を最初に切ったのです。イラクに実力を出させないことを主眼に置いた戦い方へ転換したことが、勝因の大きなポイントです。

この湾岸戦争で敗北したイラクの戦い方が、まさにPDCA経営の限界を示していると言っていいでしょう。バブル崩壊後の1990年代、景気が後退し、日本企業は曲がり角を迎えました。1999年の経済白書は、供給過剰を抱えた日本企業は「値下げ消耗戦」に突入し「雇用」「設備」「債務」の3つの過剰があると指摘しました。そこで、リストラや正社員から派遣社員への雇用の転換など様々な手立てを講じましたが、一向に景気は良くならない。それどころか、さらなる不況が始まって、ITがどんどん広がりコンプライアンスを大事にしようという風潮もあって…。今、日本が不況から脱出できない大きな問題点は、イラクのように形式的なPDCAにこだわり過ぎていること。PDCA経営が生み出してしまった新たな3つの“過剰”を抱えているからだと私は推測しています。

新たな3つの過剰とは、「計画」「管理」「情報」の過剰です。(図1参照)実際、イラクの例を挙げるまでもなく、計画や予算に縛られ過ぎて、目先にチャンスがあるのを見過ごしてしまう、計画が上手く進まなくなったら、もっとチャレンジすることを現場に求め、さらに管理を強化し、かえって現場を委縮させてしまう、などといった悪循環に陥るケースは枚挙にいとまがありません。

図1:日本企業をめぐる「新・3つの過剰」

業績が下降してしまった企業は、一様に数字管理を強めます。現場がもっと頑張らないからだと、目標管理を導入しては行動を規制してしまう。行き過ぎた計画は、やがて粉飾という“ウソつき”をつくり出します。管理の過剰は、イラク兵士のようなマニュアルや命令がなければ行動できない受け身体質の社員ばかりを育ててしまいます。さらに溢れんばかりの情報が飛びかっていると、いわゆる頭でっかちな社員が続々と現れてきています。「最新の経営理論?知っていますよ、そのくらい。」という社員に限って、「その理論を自社の事業へどう活かす?」となった途端に口ごもるものです。

戦争もビジネスも消耗戦から機動戦へ
スピード・奇襲で相手を圧倒し、新企画やアイデアで勝負する時代

デフレからの出口がなかなか見出せず、日本のビジネスは、先の見えない状況にどっぷり浸かっているとよく言われます。いまや同業他社間の争いではなくなっています。家電量販店であるヤマダ電機が、インターネット書籍販売のAmazonが自分たちのライバルになるとは夢にも思っていなかったように、ある日突然、思いもよらなかった企業がライバルに名乗りを上げることもあります。軍事の世界もまさに同じような環境で、ISやアルカイダといった国家ではないテロリスト軍団が出現しています。サイバー攻撃なども頻繁に起きており、敵が不明確で、先が見えない戦争が登場しています。ここで軍事は戦い方の方針転換を行いました。20世紀の、敵が明確で、武器と武器とでぶつかって、攻撃の物量の多い方が勝つという時代は終わり、湾岸戦争のように、必ずしも破壊しなくても、相手の実力さえ出させなければ勝てるという新しい戦い方に軍事は変わってきているのです。そこに、これからの企業経営はどうあるべきかのヒントがあると私は考えています。

イメージどこに敵がいて、何を仕掛けてくるのかわからない先の見えない環境というのは、軍事もビジネスも同じです。ビジネスで言えば、シェア・スケールメリット重視で値下げ勝負の“消耗戦”の時代は終わり、今や、スピード・奇襲で相手を圧倒し、新企画やアイデアの創造性で勝負する“機動戦”の時代なのです。(図2参照)

図2:戦争もビジネスも「消耗戦」から「機動戦」へ

日本のビジネスの値下げ“消耗戦”で記憶に新しいのが牛丼戦争ですね。大手の牛丼チェーン店が競うように10円刻みで価格を下げていきました。250円まで下げて、どのお店もとうとう利益が出なくなってしまって、その後の各社の業績はご存知のとおりです。牛丼250円でお腹いっぱいになった人が、食後に米国のコーヒーショップで300円もするコーヒーを飲んでいる。たまに600円も出して甘い飲み物を買っている(笑)。牛丼チェーン各社は、どこかでこの値下げ競争はおかしくないかと気づいても良かったのですが、値下げのシェア争いは一旦始まると泥沼に入りますから止められなかったのですね。
先の見えない時代で勝ち抜くためには、軍事もビジネスも“機動戦”の戦い方が有効です。では、“機動戦”の戦い方とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

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