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第02回 ファッションビルにおける事例研究Ⅰ

オムニチャネル時代の実店舗”ミラクル”運営とは?

VMIパートナーズ合同会社 代表社員
黒川 智生 氏

2018年10月18日更新

ショッピングセンターがいいの?

夏が来れば思い出す・・・。尾瀬の話ではありません。毎年8月中旬になりますと、日本国内の百貨店、ショッピングセンター各店舗別の前年度売上が出揃います。それを整理しながら、この1年はどこにお客様が集まったのか?その要因はなんだろう?と思いを巡らし、次年度へMD方針を組み立てるのが、筆者の恒例となっています。
17年売上が6兆円を割り込んだ百貨店合計に対し(注1)、ショッピングセンター合計(駅ビル、ファッションビル、郊外モール、近隣型モールなど範囲は広いですね)は、32兆355億円(前年比2.5%増、既存SC前年対比0.6%増)と伸ばしています。但し、読者の皆さんの方が詳しいと思いますが、全国一律にとか、全ての業態に共通して“プラス”というわけでなく、地域差、業種業態差、もしくは、ブランドストア差は実に大きいと思います。SC協会のコメントでも“業種別の状況をみると、テナントでは飲食、サービス、雑貨が年間を通じて好調との回答が多かった。不振の業種で回答が多かったのは婦人衣料であったが、不振と回答したSC数は8月以降減少し、僅かながら回復の傾向がみられた”とのことです。(注2)

では、好調の理由というか?それこそ“ミラクル”運営力は何に由来するのでしょうか?

好調テナントを支える3要素

ここではテナント(ブランドストア)側を考えてみましょう。業界紙の「主要ファッションビル好調テナント◯月」などを継続して確認し、各種取材をしておりますと、幾つかの傾向が有ると感じます。

  • カジュアル系が強いセレクトショップ、もしくはその派生ストア
  • キャラクターブランド(ストリート系、クリエティビティ強調型・・・)
  • デニムを軸に独自スタイルの紹介がある
  • アウトドアシーンと何等かの関係がある
  • 雑貨ストア業態でオリジナルキャラクターを持っている
  • 価格優位性が鍵だが、デザインに一捻りがある

もちろん、その時々で流行もありますが、現在は?と言われれば、このへんが気になるところです。さて、その背景には何があるでしょうか?

好調業態に共通する要素は?

客層?

都心の超一級立地では、その来店客層に応じてフロアごとのセグメントがあります。それに応じて、入店や購買の客層もある程度限定されるかもしれません。例えばルミネ新宿(エストも含む)を想像いただけると解り易いでしょう。しかしながら、多くのショッピングセンターでは、主たるターゲットはあるものの、集客範囲が広域であればあるほど、その客層は広いものです。特に郊外有力モールではヤング対象ストアを除き、各地に分散配置され全体回遊性を高めますね。この条件に応じて、また、後に述べるMD要素と連動して、実際購買客層の広さは好調テナントの一つの特徴でしょう。「若年層対象だが、彼女達のお母さんの時代からあるので、ずっと買い続ける方々もいる」とか「50代ハナコ世代向けだが、その前後の皆さんにも支持が多い」など、こうした傾向の現れです。

品揃え?

ウィメンズ×メンズ? カジュアル×ビジネス? 洋服×雑貨? インド派生で西南アジアを広く?・・・。商品の品揃えにおいては、幅広さ×品種の強弱が重要になっています。実際例で言えば、「店舗毎にカジュアルとビジネスの比率を変える」、「年間プロパー販売を実現すべく洋服が弱い時期に雑貨を強化する」、「キャラクター、デザインや生産背景など自社独自のアピールポイントがあれば、当然それを強くする」、ということでしょうか。ただ、洋服、雑貨を全般的に取り扱う、前年のアイテム構成比からの逆算で●●のフェイスを増やす、だけでなくて、“自分達の特徴×顧客ニーズ”を毎年更新する力を、好調業態は独自に持っています。これが、SNSによる情報発信の濃さ、回数にも関係しますし、「実際に見て感じてみよう!」と思う顧客数、それに応じた店舗情報の収集解釈力を高めることになるでしょう。

機会?

機会とは?

これについては、上記をご覧ください。多くの販売では、自分が着用、使用するものを購入するケースが多いでしょう(子ども服は例外ですね)これは前提ですが、好調店では、「GIFT向けのアイテムを毎月どう持つか?」、「どうお客様の購買機会を増やすか?」も商品展開計画に組み込んでいます。この場合は7月販売を想定した計画書ですが、自分向けは当然のこと、「洋服でTシャツ、雑貨で帽子、革小物を選んでこれをどう薦めていくか?」企画することになります。

オムニチャネルゆえ

どうでしょうか?“基本的なことだよ”という意見が多いかもしれませんが、
では、

  • 実際に自分の実店舗、自社ECサイト、SNSはこれらを意識し、それぞれの顧客接点でアプローチできているでしょうか?
  • 3番目の“機会”という要素では、実店舗でどれくらいのGIFTニーズがあり、またECでは特別梱包が何件あるのか?検証⇒次のシナリオ立案が行われているでしょうか?

こうしたプロセスをシステムに実装できれば、まず良いですが、これらの活動をより活性化させるためには、顧客視点から「どんな届け方(ラストワンマイルだけじゃないですね)が良いのか?」、「実店舗で選んで、ECから送る」というのも提案できる組織力も必要となるでしょう。
そのへんの話はまた次回にしましょう。

注1:日本百貨店協会 2017年12月、年間 全国百貨店協会売上高概況
http://www.depart.or.jp/common_department_store_sale/view_past_data?month=12&year=2017Open a new window

注2:日本SC協会 SC販売統計調査報告 2017年年間
http://www.jcsc.or.jp/cat_sales/p_20180228_11187Open a new window

著者プロフィール

黒川 智生 氏

VMIパートナーズ合同会社 代表社員
黒川 智生 氏

1988年國學院大學文学部史学科卒。(株)ワールド入社。
コルディア部営業、ファッションコンビニエンスストア「ITS‘DEMO」開発、(株)ダブルジェイ事業推進部長を担当。

2006年3月、MINTCAFEとして、東アジア圏のファッション小売における知識創造への貢献をテーマに独立。
以後、日本国内外のファッション系小売各企業様を対象に活動中。
2008年5月、VMIパートナーズ合同会社設立。
https://vmipartners.netOpen a new window

現在、
・一般財団法人 ファッション産業人材育成機構 IFIビジネススクール講師
(PFクラス 事業計画+物流基礎、ロジスティクス研究会運営)
https://www.ifi.or.jp/school/Open a new window
・ちよだプラットフォームスクウェア運営協議会委員
http://www.yamori.jp/Open a new window
所属;日本マーケティング学会

専門領域;弊社はファッション領域の「BRANDING」「MERCHANDISING」「LOGISTICS」を進化させる事業戦略構築を専門領域としております。

主な経験分野;

  • インナーブランド SPA業態構築支援(MD計画、販売動向検証、販売組織強化)
  • キャリアブランド 店舗在庫コントロール基準、運用ルール構築&運用
  • ヤングブランドグループ 全社在庫コントロール基準、運用ルール構築&運用
  • ヤングブランドグループ 店舗+EC在庫一元化プロジェクト推進
  • インナーブランド 百貨店売場開発 コンセプト+VMD基本プラン運用
  • (中国)SPA業態 導入研修+店舗MD&運営力強化プロジェクト推進
  • (中国)日系ブランド集積によるセレクトショップ BUYING&MD推進

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