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第01回 手抜きのススメ?情報システム部門は何に注力すべきか

「企業の成長と事業の継続」情報システム編

フューチャーナレッジコンサルティング株式会社
ディレクター 土井 英裕 氏

2016年10月31日更新

情報システム部門の役割とは?

情報システム部門の仕事というと、ネットワークやメール等のインフラのお守りや、既存システムのメンテナンスに追われ、監査対策とかコスト削減提案等で身動きもとれない、といった状態になっているところも多いかもしれません。一方でビジネスの方は絶えず変化していき、ITに関しても新しい課題が次々に生まれてきます。
ここで改めて、企業における「情報システム部門の役割」とはなんでしょうか?
ITという言葉で表される仕事の領域がどんどん広がってきた中で、「情報システム部門」は、何に注力していくべきなのでしょうか?
分かりやすいのは、「今動いているシステムをとにかく問題なく動かし続ける」ことですよね。システムの停止は苦情の嵐になるばかりでなく、今や企業の業績を左右させ場合によっては社会問題にさえなることがあるほどですから。ただ、「変わり続けることができなければ、滅びる」という観点では、システム部門が現状システムにだけ張り付いている状態というのは、長い目で見ると組織としての自殺行為と言えます。
では、どこに注力していくのか。

情報システム部門の強み

情報システム部門の強みは、「自社のビジネスを」「ITで表現する」ところにあると考えています。この強みを「活かす」「伸ばす」仕事に注力すべきです。
話を少し具体的にして、事業部門がITを使った新しい仕組みを構築しようとする場面を考えてみましょう。
システムベンダーの優秀なSEを呼んできても、「狙い」「背景」「何をしたいのか」を理解してもらうまでに、数か月もかかることは珍しくありません。類似の業界を経験しているSEであっても、製品やサービスの特性、会社全体の中でのシステムの位置づけ、会社の文化等、様々なことを理解しなければ、よい提案(最後は、「要件定義」)はできないものです。
逆に事業部門の側を見ると、「ごく普通のユーザー」というのは自分の要求をITの言葉で表現する事には慣れていませんし、「自分の会社の中でしか通じない言葉で話す」人もいます。
両者が対話しなければならない「お勉強期間」のコストとてタダではなく、安くない費用を事業部門が負担しなければなりません。
ここで情報システム部門の出番です。社内の製品やサービスについては一通り理解しており、現在のシステム全体の構成についても把握している、おまけに事業部門の希望をITの言葉で表現することもできる、となれば、要件定義工程はぐっと円滑に進みます。力のある情報システム部門でしたら、要件定義を自力で仕上げてしまうかもしれませんし、システム開発までやってしまうところもあるかもしれません。
さらに、システムベンダーの利益とユーザー企業の利益は必ずしも一致しないので、「イニシャルコストは少し安いが、維持するために手間とカネがかかる」提案を見抜いて改善させたり、「契約の関係に慣れていない事業部門が、どんどん追加費用を取られる」のを防止したりする役割も、情報システム部門ならではと言えるのではないでしょうか。

差別化に関係しない機能は外部へまかせる

さて、「そうは言っても、現状のインフラやシステムのお守りで手一杯で、全部の案件に手を出していられない。新規は全部できないので、仕方なく外部ベンダーに丸投げしている」といった意見も聞こえてきそうです。選択と集中をしたくとも、集中しないところをもやらざるを得ないのがITのツラいところですね。限られた要員の中で全てを均等にはできないとしたら、どこで手を抜くかを考えなければなりません。
手を抜いても成り立つ部分というのはケースバイケースですが、すぐに思いつくところでは、「外部の業者が汎用のサービスとして提供している領域は、それを利用する方向へ持っていく」、となるでしょう。ネットワークの構築であれば外部業者へ依頼するのは一般的でしょうし、メールやグループウェアの「クラウド化」も普及してきましたね。これらは、「事業の差別化に関係しない機能は外部へまかせる」という動きに呼応するので、今後とも進展していくものと思われます。業務システムもパッケージ化、クラウド化すれば、運用等を一部外部委託に出していくことが容易になってきます。であれば、情報システム部門としては、「当たり前に提供されている機能はパッケージを使う」べきだと思います。

パッケージ導入の検討も情報システム部門の出番

パッケージの利用を検討していくと、「この機能が足りない」「使い勝手が悪くて大幅に業務効率が低下する」といった不満な点が必ず出てきます。そこでパッケージを改造するようなことをしては、「外部に任せる」メリットを大きく損なってしまいます。パッケージ導入も「ビジネスをITで表現する」仕事ですが、「パッケージはなるべくそのまま使い、どうしても必要な機能を外側に追加して必要な要件を満たす」というのは、高度なシステム構築能力と、バランス感覚を要する仕事であり、IT屋としては腕の見せ所です。ここも、「現状システムの機能と運用を知っている」情報システム部門の出番です。

プロジェクトコスト圧縮という効果

汎用的なサービスとして業者により提供されている機能というのは、「この値段なら買ってすませてもいいや」というくらいの価格設定がなされているので、それを社内で実行して少しばかりコストを抑えても、効果としてはそれほど大きくないはずです。
一方で前述のように事業部門が新しい仕組みを構築するようなケースは、プロジェクトの進め方次第で上流工程の工数が大きく違ってくるだけでなく、要件の漏れや無駄な要件の折り込みによって多額のロスを生むリスクも孕んでいます。プロジェクト費用の何割かは簡単に変わってしまいます。全体最適の視点で、どちらに注力していくべきか、自明ではないでしょうか。

ビジネスに密着した情報システム部門へ

自社のビジネスを理解しており、それをITで表現するところに情報システム部門の強みがあり、ビジネスに密着した仕組みづくりに注力すべき、ということを述べてきました。最後に本稿は「業務をよく理解している、実力のある」情報システム部門を前提とした組立になっていますが、「ウチはそこまで実力ないよ」という部門は、どうしたらよいでしょうか。悲観することはありません。今現在、事業部門のビジネスがよくわからない状態になっていたとしても、社外のベンダーよりはずっと有利なポジションにいるはずですから、事業部門とプロジェクトをやりましょう。「身動きがとれない」状態だったら、手間がかかってしょうがない既存システムを再構築する提案をしましょう。プロジェクトを通して、「ビジネスに密着した情報システム部門」へ変わっていけるはずです。

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著者プロフィール

土井 英裕 氏

土井 英裕 氏
フューチャーナレッジコンサルティング株式会社 ディレクター

1987年日立電線(現、日立金属)に入社、一貫して情報システム部門に所属。 生産管理システムを中心に、社内情報システムの企画、構築、維持保守、予算等、 情報システム部門の業務全般を経験。2015年より、製造業を中心とした業務と ITのコンサルティングを行うフューチャーナレッジコンサルティング株式会社 でコンサルタントとして活動中。

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