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Japan

基幹システムマイグレーション事例

拡張性の高い基幹システムに刷新、情報活用で経営判断をより迅速に

トナミ運輸株式会社様トラック

トナミ運輸株式会社 様


富山県に本社を置き、物流業務を中心に事業を展開しているトナミ運輸株式会社様(以下、同社)。富山をはじめとして全国への配送網を確立しています。同社では、1日約1,000便にもなる物流業務における収支の正確で素早い把握と、それによる経営判断のさらなる迅速化が課題でした。そこで、柔軟な情報活用を可能とする拡張性を備えた基幹システムに刷新。保守・運用コストを軽減したほか、顧客管理システムなど様々なアプリケーションとのスムーズな連携も可能としました。基幹システム刷新に踏み切った背景や経緯、その効果などについて、同社の常務取締役で経営企画本部 経営企画室長 兼 情報システム事業部担当の三枝 保弘氏にお話を伺いました。

[2018年1月22日 掲載]


 導入の背景 | 導入の経緯 | 導入の効果 | 将来の展望お客様情報 

導入の背景

多様化するお客様のニーズに応えたい。拡張性を求めて基幹システムの刷新を検討。

1943年に富山県砺波市で創業した同社は、現在、富山をはじめとして山口、大阪、東京、仙台など主要都市を定期便で結び、そのほかの地域では提携会社を通じて全国の配送網を確立しています。1972年に業界に先駆けてICT化に着手し、大型コンピュータによる基幹システムを構築。荷主様のニーズに応じた物流サービスを提供してきました。しかし、従来の基幹システムでは、日々の物流業務における収支の正確で素早い把握が難しく、それらの情報に基づく経営判断の迅速化が課題でした。さらには、荷主様からの在庫管理や貨物追跡など配送に関する新たなニーズへの柔軟な対応も求められていました。

三枝氏
トナミ運輸株式会社
常務取締役
経営企画本部
経営企画室長 兼
情報システム事業部担当

さえぐさ やすひろ
三枝 保弘 氏

同社の常務取締役で経営企画本部 経営企画室長 兼 情報システム事業部担当の三枝 保弘氏は、「多様化するニーズに対応するため荷主様ごとに個別のシステムを作り、基幹システムと連携させていました。しかし、システムを作るにはコストもかかり、しかも個別システムばかりになると全体最適が図れなくなってしまいます。そのため、業務ごとの収支など、経営判断に必要な情報の把握に時間がかかっていました」と振り返ります。

また、ビジネス環境の変化もありました。「例えば運賃の計算方法も新規の荷主様によっては従来と異なることもあります。新しい計算方式を基幹システムに組み込もうにも拡張性や柔軟性に課題があり対応し切れないことがありました」(三枝氏)。

さらに、請求書や受領票など各種帳票の電子化が進むのに伴い、今後、同社が扱うデータの容量も大幅に増加していきます。「これまでの基幹システムのままでは、荷主様の新たなニーズ、業務を取り巻く環境変化に対応できなくなると感じていました」(三枝氏)と話します。

導入の経緯

COBOL言語などシステムの特殊性に対応できる技術力が選定の決め手に

同社では以前の基幹システムを刷新し、拡張性の高いシステムに入れ替えることを検討。富士通マーケティングを含むシステム開発会社3社に打診をしました。システム開発会社の選定にあたって重視したのは、基幹システムを「確実にリプレースできること」(三枝氏)でした。

移行にはいくつかの特殊条件がありました。まずは、オンライン処理、バッチ処理ともに「COBOL(コボル)」と呼ばれるコンピュータ言語でプログラムされているため、移行先でも両方を「COBOL」で実行できることです。また、同社の基幹システムが標準的な「1バイト=8ビット」ではなく、「1バイト=9ビット」で構成されていたことも特殊な条件でした。COBOLでの実行と「ビット数の違い」という条件がある中、同社は、COBOL言語のままでも、オンライン処理、バッチ処理ともに、これまで使用していたアプリケーションをきちんと移行できる、富士通の基幹IAサーバ「FUJITSU Server PRIMEQUEST(プライムクエスト)」を選定しました。その理由として、拡張性の高い基幹システムへと刷新できることに加え、富士通マーケティングが物流業界で多数のシステム構築実績があったことも信頼感に繋がりました。

ただし、三枝氏は基幹システムの刷新の道のりは険しかったと言います。「拡張性の高い基幹システムに刷新することは不可欠という認識はありました。しかし、困難を伴うことも理解していましたので『本当にできるのか』という不安は常にありました」と語ります。その上で、「当社のシステムエンジニアがカスタマイズされブラックボックス化した基幹システムの仕様を解明し、その内容から様々な要望や相談を富士通のエンジニアにしました。そうした提案に真摯に耳を傾け、取り入れるべき意見は取り入れて、反対に困難な意見については的確にアドバイスをいただけた。双方が協力したことで、拡張性を備えた基幹システムに刷新できたと感じています」(三枝氏)。

導入の効果

基幹システムの刷新で保守・運用コストを約30%削減

基幹システムを刷新したことで、まず保守・運用コストの削減で効果がありました。三枝氏は「現状では保守・運用コストが約30%は削減できています」と説明します。同時に「今後、保守・運用のコストについては半減を目指しています」(三枝氏)と、さらなる効率化とコスト削減に期待を寄せています。

シシテム利用シーン

また、同社では、月初めの経営会議で前月の収支報告を行いますが、より精緻な報告が可能になったと言います。従来の基幹システムでは、収支のデータなど経営判断に必要な様々な情報を、一定期間ごとにシステムに反映させるバッチ処理で集計していました。そのため、リアルタイムのデータ処理ができませんでしたが、基幹システムを刷新したことで、入力した情報をリアルタイムにシステムに反映させることが可能となりました。「基幹システムの柔軟性と拡張性が高まったことで、日々の収支を正確かつ素早く把握できるようになりました」(三枝氏)。これにより「経営判断のスピードは上がっていると思います」(三枝氏)。

さらに、今後はCOBOL言語がわかるシステムエンジニアでなくても、システムの拡張や改修などに対応できます。システムの保守・運用の業務について属人化が解消され、平準化と負荷分散も実現できました。

システム概要

将来の展望

グループ全体での情報連携などICTのさらなる活用に期待

同社では今後、新規荷主様の開拓も促進し、市場ニーズに柔軟に対応できるロジスティクスサービスの提供を目指しています。「モノの流通全体の効率化を考えたとき、運ぶモノに付随する情報の管理がますます重要になります。例えば、ドライバーはGPS機能付きの端末を携帯しているので、位置情報をリアルタイムで取得することも可能です。こうした情報をもっと活用する方法があると考えています」(三枝氏)。

具体的には、効率的な輸送ルートや運行ダイヤの構築、災害発生時の安否確認などへの利用も視野に入れて今後のICT活用を考えているようです。

また、基幹システムに拡張性を持たせたことで、グループ会社間でのシステム連携の柔軟性も高まりました。現在は各社が独自のシステムを活用していますが、今後は各社で情報連携を促進できる態勢も整いました。「グループ間で情報活用によるシナジー効果を高めていくこともできるでしょう。そういった取り組みを進めるにあたってのICTパートナーとして、これからも富士通マーケティングには様々な提案や支援を期待しています」(三枝氏)。視線の先には、ICTシステムをさらに活用した新しい物流の姿があるようです。

お客様情報

お客様名
所在地 富山県高岡市昭和町3丁目2番12号
代表者  代表取締役社長 綿貫 勝介
設立 2008年10月(創業:1943年6月)
資本金 100億円
従業員数 3,846名(2017年3月現在)
事業内容 貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業、倉庫業、コンピュータによる情報処理、ソフトウェアの開発・販売、損害保険代理業、物品販売ならびに委託売買など

(注)記載されているお役職などの情報につきましては、2018年1月22日現在のものです。
(注)製品の仕様、サービスの内容などは予告なく変更する場合がありますので、ご了承ください。
(注)記載されている製品・サービス名、会社名及びロゴは、各社の商標または登録商標です。

担当営業の声

西本SA 株式会社富士通マーケティング
中部営業本部
北陸支社
西本 成寿(にしもと なるひさ)

基幹システムのオープン化に際し、情報システム事業部をはじめ関係者の皆様の多大なご協力に感謝いたします。本プロジェクトに参画させていただき、貴重な経験となりました。
今後も、お客様の事業成長に向け、さらなる業務効率化や、業界の変革スピードに対応できるよう、良きビジネスパートナーとしての貢献を目標に、ご支援を続けて参ります。

担当SE声

豊田SE富士通株式会社
第二流通システム事業本部
第六システム事業部
豊田 友博(とよた ともひろ)

お客様の目的であるICTコストの削減、情報システム部門の開発力強化を実現するため、既存ホストシステムからオープン環境への移行をお客様とともに推進しました。 COBOLの業務ロジックやオンライン機能をほぼそのまま移行できる仕組みを構築し、新システム稼働に伴う現場の負担増加を抑制したことを評価いただきました。 今後もビジネスパートナーとして、お客様のビジネスに貢献できるよう尽力いたします。

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