日本の食卓に、安心・安全でおいしい海の幸を届け続けてきた極洋。
Eco Trackにより、環境業務の効率化とデータ活用を実現。
[2016年6月9日掲載]
導入事例概要 | |
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業種 | 製造(食品) |
サービス | 環境経営情報サービス「Eco Track」 |
導入背景と効果 | ||
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水産物を中心とした総合食品会社の極洋が、ISO14001(環境マネジメントシステム)を取得したのは2002年のことです。その際パートナーとして選んだのが、コンサルティングと運用ツールSLIMOFFICEの両方を提供する富士通エフ・アイ・ピー(以下富士通FIP)です。当時、ISO14001を取得する企業の多くは工場単位で、全社的なガバナンスはできていませんでした。極洋 総務部 環境課長で環境保全委員会 事務局の谷内氏は、「富士通FIPのアドバイスもあり、本社から取り組み始め、グループ全社で認証を取得しました。これは現在の、本社でグループ全体の環境方針・運営方針を統括する体制につながるのですが、近年では、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)に優れた企業に投資をすべきというESG投資など、投資基準としても環境と同時にガバナンスが重要視されており、よい選択だったと思います。」と語ります。
SLIMOFFICEは、各拠点や部門の環境データを一元管理し、法対応やCSRレポート作成などに活用できるツールです。極洋では、支社や工場に100以上のIDを配布し、各現場が直接データを入力することで、効率よいデータ収集のしくみを構築しました。その後10年以上が経ち、環境データの活用拡大と各拠点の負荷軽減を含めた環境業務の効率化をさらに進めるためSLIMOFFICEの新バージョンとして機能を強化したEco Trackを導入しました。
極洋が目指した、環境データ活用拡大と環境業務のさらなる効率化について、極洋 総務部付 副参事で環境保全委員会 事務局の秋山氏は、「コンプライアンス面で、水質や廃棄物のデータなど、エビデンスとなるドキュメントを、データに紐づき管理したいという要望があります。環境データの集計業務効率化をさらに進めながら、部署ごとに集めたExcel形式の環境データを、各拠点の手間をかけずにEco Trackで効率的に収集するしくみを、富士通FIPとともに作り込んでいるところです。」と語ります。
Eco Trackを導入したことでエネルギー使用量だけでなく、排水に関する環境法規など、同社が収集していたデータの一元管理にも対応。
秋山氏は「製品在庫の在庫回転率など当社特有のデータについてもEco Trackから出力される集計用Excelで計算することで一元管理を実現しています。経営に直結したデータを管理できるため資金効率が改善され、かつ電力使用量やCO2排出量も削減が可能となり環境経営にも寄与しています。」と語ります。
また、コンプライアンス対応にも活用されており、「改正フロン法(フロン排出抑制法)は各工場のフロン機器の台数と点検結果を登録しています。水質など規制値がある項目は、数値を登録する際に測定結果をエビデンスとして添付することでコンプライアンス強化につなげています。」と秋山氏は語ります。
グループ全体でISO14001の認証を取得している同社ですが、グローバル対応やコンプライアンス対応への更なる取り組みも検討されています。秋山氏は「工場で行っている法規制の報告書の作成状況や点検業務状況にも活用していきたいです。環境教育の実施など期限付きアクションについてもEco Trackで管理することで実施状況の入力依頼、督促を自動化し、スムーズな運用を目指しています。」と語ります。
また、電力使用量が容易に見える化できることによって、設備投資が有効な拠点の抽出が期待できるなど、環境と経営を結びつけた施策も今後、検討されるとのことです。富士通FIPの角田は「極洋様は環境マネジメントシステムの取り組み始めの頃から、環境データの収集だけでなく目標管理もされており、先進的だと感じました。」と語ります。
秋山氏は「Eco Trackは項目追加などが簡単に行えるので多方面への応用も期待しています。」と語ります。それに対し富士通FIPの和田は「評価いただいているExcelとの親和性やシステムの柔軟性などもさらに高めていきます。」と語ります。
富士通FIPの高崎は「引き続き、極洋様の取り組みを実現できるよう、お手伝いさせていただきます。」と語ります。
これからも極洋の飛躍を、富士通FIPがベストパートナーとしてサポートしていきます。
1937年、捕鯨会社として創業。その後、世界をまたにかける遠洋漁業の水産会社を経て、缶詰や業務用冷凍食品、家庭用冷凍食品に加え、市販商品ブランド「シーマルシェ」を展開し、水産物を中心とした総合食品会社として業務領域を拡大してきました。関係会社を含めたキョクヨーグループ全体でISO14001認証取得するなど、環境問題にも積極的に取り組んでいます。2017年にはクロマグロ 完全養殖魚を出荷予定。水産資源の保全にも貢献しています。
所 在 地: 〒107-0052 東京都港区赤坂3-3-5
設立: 1937年
資 本 金: 56億6,400万円
売 上 高: 2,266億2,600万円
従業員数: 599名(連結 2,249名)(2016年3月末)
ホームページ: http://www.kyokuyo.co.jp
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は2015年10月のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。