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Oracle EBS導入事例 - 東亜建設工業株式会社様

企業風土と業務改革に積極的にチャレンジ!
データベースの統合化と業務システムの再構築
困難とされるERPと既存システムの連携をわずか14ヵ月で実現

東亜建設工業では1999 年より社内の業務改革、社風改革を計画し、そのテーマのひとつとして自己責任主義の徹底を掲げた。これは業務のやり方そのものを変革することであり、それにともなって情報システムにも改革が求められる。今回の基幹会計情報システムの構築もその一環として行われたものである。

20年以上稼働を続けるシステムの老朽化、業務の変化への即応が困難

長い歴史を持つ東亜建設工業では情報システムの導入も早く、 現行の会計システムは1975 年に稼働を始めたものであるが、20年以上に渡って機能追加や修正を繰り返してきたため、システムが複雑化してさまざまな問題点も発生していた。
まず、システム間の関係が複雑化、重複化し、改修作業や安定稼働に至るまでの開発期間が長引くようになっていた。開発や運用の過程が個々人のスキルと経験に依存し、しかも後任の育成が困難なため、品質にばらつきが出たり運用時の誤操作が生じやすくなっていたのである。
また、即応性という面でも問題を抱えており、同社の業務形態は月次をベースとしているため1ヵ月前のデータしか利用できない、結果が出ても紙上リストにした上で確認しなければならないなど、業務プロセスに無駄なタイムラグが生じる仕組みとなっていた。
他にも、入力の重複、重複データ間の不整合性、災害時・障害時への対応不足などの問題もあり、総じて変化に対応しにくい硬直化したシステムとなっていたのである。

既存システムとの連携、パッケージの柔軟性を考慮し Oracle E-Business Suite を選択

一見、古くて固定化した業態にみられがちな建設業であるが、 実際には非常に柔軟でスピーディな対応が求められる。
そこで東亜建設工業が取り組んだのが、業務形態に適した社内情報ネットワーク基盤を構築すること、コミュニケーションや情報流通を根本から改革することだったのである。
プロジェクトの主眼は、まずリアルタイムの情報共有を実現することにあった。これまでは分散していたデータを一元管理し、同時に書類中心の業務からネットワーク経由の業務へと移行。業務プロセスの改革や業務の効率化という目標に加え、帳票削減によるコスト低減、業務形態の標準化など、さまざまな目標が掲げられた。
そしてこれらを実現するため、同社が多くのERPパッケージの中から最適なものとして選択したのが、Oracle E-Business Suiteなのである。
決定ポイントのひとつは、既存システムとの連携が取りやすいということ。すべてのシステムを一から構築し直すというのならともかく、長年をかけて作り込んできた多くの既存資産を活用しなければならない。そのためには、DB の構造と定義が公開されているオープンなインターフェースが必要だったのである。
もうひとつには、同社の求めていた改革スタイルにOracle EBusiness Suiteが適していたということがある。国内の多くのERPパッケージでは要求に合わせて詳細に作り込みすぎてしまう傾向があり、業務改革の実現とバージョンアップという点で難があった。一方であらゆる機能を初めから備えているようなパッケージでは無駄が多くなってしまう。

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Oracle E-Business Suite は必要な機能のみを選択してシステムを構成できるモジュール式ということもあり、パッケージと作り込みのバランスに優れていたといえる。

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スケジュール通りの構築実績を評価し日揮情報システム(現:富士通エンジニアリングテクノロジーズ)をパートナーに選定 14ヵ月でのオンスケジュール稼働に成功

Oracle E-Business Suite 自体の利点に加え、東亜建設工業が導入に際して重視した点がもうひとつあった。それが導入を任せるSIer の存在である。同社がSIer として日揮情報システム(現:富士通エンジニアリングテクノロジーズ)を選択したポイントは、親会社である日揮株式会社のOracle E-Business Suite 導入プロジェクトにおいてスケジュール通りの稼働を成功させたという実績にある。
売上基準や支払条件の多様性、JV(ジョイントベンチャー)の存在など建設業界の業務形態は複雑になりがちである。そのためシステム構築も複雑化し、工期が延びて予算をオーバーしてしまうなどの問題も発生しやすい。その点、日揮株式会社というエネルギープラントから建設まで幅広く手がける巨大企業のシステム構築をオンスケジュールで稼働させたという実績は、東亜建設工業としては非常に頼もしい要素であった。
実際、社内各部門や現場の体制整備、日揮情報システム(現:富士通エンジニアリングテクノロジーズ)との関係などもうまくかみ合い、プロジェクトは順調に進行。14ヵ月というスケジュール通りの時間で、予算内でのシステム導入を実現することができたのである。

独自のノウハウ蓄積、豊富な実績が可能にしてプロジェクトの成功

それではなぜ、建設業の基幹会計情報という複雑なシステムをスケジュール通り、予算通りに稼働させることができたのだろうか。純粋な技術力ももちろん大切であるが、このようなケースの場合、それ以上にプロジェクトマネジメント力が重要になってくる。これは一朝一夕に身に付くものではない。まして案件数だけこなせば築き上げられるものでもない。そこには、日揮情報システム(現:富士通エンジニアリングテクノロジーズ)ならではのノウハウが存在しているといえよう。

日揮情報システム(現:富士通エンジニアリングテクノロジーズ)には親会社である日揮のシステムを開発、運用してきたという経験がある。エネルギープラントともなれば、プロジェクトごとに数千人規模の人間が数年単位で動くことになり、いわばひとつの大企業を立ち上げるに等しい。同社は、そうしたプロジェクトのシステムにおいて、開発から運用までをすべて自社内のリソースで行ってきている。
また、プロジェクト単位で動くという性質上、ノウハウを共有するための仕掛けも必要になってくる。マネジメントのノウハウをプロジェクトマネージャ個人に属させるのではなく、社内全体に還元して共有するための仕組みが日揮情報システム(現:富士通エンジニアリングテクノロジーズ)にはある。経験をノウハウとして蓄積し、次のプロジェクトに活かすことができるのである。
こうした体制のもとで実績を重ねることで、プロジェクトの確かなコントロールが可能になっている。進行の予測、リスクの予測、現況の把握などの体制がしっかりと確立しているのである。また、J-SYS プロジェクト遂行方法論“Just-Method”を使用し効率的に短期間で遂行できるマネジメント力も備えている。

優れたマネジメントノウハウに加え、技術力の維持、向上にも貪欲である。ソフトウエアエンジニアリングの観点から最新技術をいち早く試行・検証する習慣があり、変化の激しいIT システムにおいて常に一歩先んじているのだ。
独自の環境で培われたプロジェクトマネジメントのノウハウと技術力、それこそが今回のOracle E-Business Suite 導入プロジェクトの成功につながったといえるだろう。

社員の意識改革につながったシステム導入

スケジュール通り、予算通りという面だけでなく、導入目的そのものの達成という面でも今回のプロジェクトは成功を収めている。業務の効率化によるスピードアップと生産性向上、出力帳票の削減、決算処理の短期化など、所期の目的を確実に達成。
そして何より、業務のやり方が変わることにより自己責任が徹底され、社員の意識そのものが大きく変革した。業務改革、社風改革という目標に向かって邁進する結果となっている。

今回のノウハウを「J-Stage」に凝縮

日揮情報システム(現:富士通エンジニアリングテクノロジーズ)は今回の開発ノウハウをOracle Neo 認定 建設業向け会計・原価・財務システムテンプレート『J-Stage』に凝縮し、システム導入に関わる期間とコストの半減を実現可能にした。

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※2003年現在のものです

導入企業プロフィール

ウォータフロントの世界的パイオニアである東亜建設工業の歴史は1908年に遡る。 創業者、浅野総一郎氏は日本発のカッター付き電動ポンプ船を入手、京浜臨海工業地帯の開発に尽力した。以来約一世紀、海や陸の基盤整備で培った技術を活かし、港湾、湖沼、河川などのビオトープや環境、深層水利用など、幅広く発展を続ける総合建設企業となっている。

東亜建設工業株式会社
創業 明治41年(1908年)
設立 大正9年1月23日(1920年)
資本金 16,469,482,574 円(平成15年3月31日現在)
従業員数 1,993名(平成15年3月31日現在)
事業内容 総合建設業
主な事業 海上土木、陸上土木、浚渫・埋立、建築工事の請負、
土地の造成・販売、開発、建設コンサルタント