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Knowledge Integration


雑誌FUJITSU 2017-11

2017-11月号 (Vol.68, No.6)

富士通は, サーバやデバイスなどの各種ICTプロダクトの提供や幅広い業種でのソリューション,サービスの事業を通して,沢山の知見を蓄積してきました。それらの知見を組み合わせて,お客様の新たな事業やサービスを創出するコンセプト「FUJITSU Knowledge Integration」を2015年に発表しました。そして,2016年にこのコンセプトを具現化する新たな取り組みとサービス「Knowledge Integration in Action」を発表しました。
本特集では,Knowledge Integration in Action成果である,お客様との新しいビジネスの創出や業務革新の一端をご紹介します。

関連情報 FUJITSU Knowledge Integration


巻頭言

Knowledge Integration特集に寄せて (626 KB)
代表取締役副社長 グローバルサービスインテグレーション部門長 谷口 典彦, p.1-2

共創によるデジタルトランスフォーメーション

AIを活用した金融業向けチャットボットサービス (1.01 MB )
澤野 佳伸, 奥田 琢馬, 正田 さなえ, p.3-8
昨今,企業は顧客接点の高度化のステージに照らして自社の課題とありたい姿とその目的を明確にし,段階的なステージアップを目指すことが求められる。こうした中,企業では顧客対応のサービスとして,コンピュータでヒトとのコミュニケーションを自動化した「チャットボット」を提供する取り組みが相次いでいる。この動きは,多様で複雑な商品・サービスを扱う金融業界においても,顧客サポートやセールスにチャットボットを活用するケースが出てきている。富士通は,AI(人工知能)を活用したエンタープライズ型のチャットボットサービス「FUJITSU 金融ソリューション Finplex Robot Agent Platform」(以下,FRAP)を開発した。FRAPは,機械学習による知識を持ったロボットと,チャットツール利用者がチャット形式で会話を行うことにより,金融商品セールスやカスタマーサポート対応のロボットによる自動支援を実現する。
本稿では,まずエンタープライズ型チャットボットサービスの動向とビジネス活用の事例を紹介し,次にソニー銀行様へのFRAP導入事例とFRAPの機能の特長について述べる。
観光分野におけるオープンデータの官民連携活用 (1.47 MB )
米田 剛, p.9-15
富士通では,観光分野のオープンデータを活用して,官民連携や地域連携,海外連携など多様なステークホルダーによる情報連携モデルの創出に取り組んでおり,これらを総じて観光クラウドモデルと呼んでいる。これは地方公共団体などの保有する観光情報をオープンデータとして活用することで,既存の情報サービスの情報拡充や,データの収集・維持コストの低廉化,多様な情報サービス間での連携活用による地域情報の流通促進など,オープンなデータ連携による新たな情報化社会への進展を目指すものである。この実現に向けて,富士通では官民の観光情報を円滑に相互利用するためのデータ連携基盤として,Webサイトからのデータの自動収集技術やデータ形式の共通化技術などを開発し,地域のデータ連携による共創エコシステムの創出に取り組んでいる。
本稿では,このモデルの特徴となる先進技術や,地域連携による運営モデル,観光分野から,更に地域のオープンなデータ利活用に向けた施策について,青森県で展開された官民協働の実例を基にそのポイントを紹介する。
デジタルラーニングプラットフォーム「Fisdom」 (814 KB)
松永 義昭, p.16-22
近年,インターネットを通じて大学レベルの講義を無料で,もしくは安価に提供する取り組みが注目されている。2012年に米国でMOOC(Massive Open Online Course:大規模公開オンライン講座)がスタートし,現在では欧米を中心に500校以上が講座を提供し3,000万人以上が受講している。国内では,MOOCの普及を目的に2014年4月よりJMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)の公認講座が開講され,45大学が講座を提供し50万人が受講している。富士通は,MOOCを活用した反転学習などの教育の多様化と高度化に向け,MOOCとSPOC(Small Private Online Course:小規模個別オンライン講座)を統合したデジタルラーニングプラットフォーム「Fisdom」を開設した。Fisdomでは,受講者同士が質疑応答を行い問題の解決を図る「ディスカッションボード」や,受講者が提出したレポートをほかの受講者が採点する「レポート相互採点」の機能を有している。これらの機能は,受講者に「教え学びあう」場の提供や,受講者同士がアドバイスすることで学習の定着につなげている。また,受講者の生涯にわたる学びを記録できるため,受講者の様々なライフイベントにおける活用が期待できる。
本稿では,Fisdomの特徴や活用例について述べる。
サービスビジネスでの成長を促進するナレッジの共有と標準化に向けたグローバルアプローチ (813 KB)
Claus U. Tauscher, Kai Haasis, Jan Menne, p.23-29 (原文(英語) p.30-36)
富士通は,全世界に広がる16万人の従業員が顧客を重視する企業DNAのもと,グローバルにサービスや製品を提供するICTベンダーである。一方で,様々な国や地域の従業員の間では,それぞれの知見(ナレッジ)や経験を共有する仕組みが十分に構築できていないことが課題である。それに加えて,ICT市場には次々と新しいソリューションやサービスコンセプトが投入されるため,それらを素早く取り入れるとともに,継続して顧客に提供するサービスに加えていく必要があり,こうした仕組みもまたグローバルに必要となる。
本稿では,グローバルな組織間で分散されているナレッジや,地域の優れたソリューションに関する情報を共有し,標準化を推進する富士通の取り組み「サービスコンフィギュレータープロジェクト」について述べる。また,そのプロジェクトの成果であるツールスイート,サービスコンフィギュレーターの概要について述べる。
デジタルビジネスの変革に向けた共創のためのサービス拡充 (718 KB)
阪井 章三, 日高 豪一, p.37-42
デジタル技術が社会や産業構造に大きな影響を及ぼしつつある中,お客様を取り巻く環境は日々大きく変化している。富士通は,2015年にお客様の新たな事業やサービスの創出に向けた新しいインテグレーションコンセプト「FUJITSU Knowledge Integration」を提唱した。2016年には,このFUJITSU Knowledge Integrationを具現化する共創のためのサービス体系を発表した。同時に富士通のSEとお客様がワークショップなどを実施する共創の場「FUJITSU Knowledge Integration Base PLY(プライ)」を富士通ソリューションスクエア(東京都大田区)に開設し,オープンイノベーションの創出に取り組んできた。そして,これまでの多くの共創実践と実績による経験を活かして,デジタルビジネスの変革に向けてお客様とともにゴールを目指す旅路を「デジタルジャーニー」と呼ぶとともに,共創のためのサービス体系の拡充を図った。
本稿では,まず富士通の共創の取り組み全体とそのベースとなる考え方「OODAループ」について述べ,次に今回拡充したサービスを紹介する。

テクノロジー駆動によるデジタルトランスフォーメーション

IoT技術による物流センターの現場業務改善に向けた新たなアプローチ (782 KB)
藤田 一樹, p.43-47
ヤマトロジスティクス株式会社様(以下,ヤマトロジスティクス)は,様々な企業の物流パートナーとして,多くの物流センターを運営している。その企業の中には富士通の担当顧客もあり,そこでは新規商材追加に伴う物量の増加や新しい物流加工作業の追加,繁忙期と閑散期の激しい物量変化への柔軟な対応のため,様々な現場業務の改善に取り組んでいた。ヤマトロジスティクスは,パートナー企業における今後のビジネス拡大も視野に入れ,より効果的かつ高い精度で現場業務の改善を行う方法を模索していた。そこで富士通は,ヤマトロジスティクスとともに,現場業務の改善に向けた新しいアプローチを考案し,従来のアプローチの課題を解決した。主な施策としては,IoT(Internet of Things)技術を活用し,現場の業務を定量的なデータとして取得して見える化を行った。また,優良物流センターの状況を見える化し,改善対象の物流センターのあるべき姿として定義した。これにより,物流センターの業務における問題を正確に把握し,改善効果を予測できるようになった。
本稿では,考案した現場業務の改善アプローチについて述べる。
顧客との共創による新製造診断プロセスの創出 (1.03 MB )
青柳 知宏, 沼田 陽次郎, p.48-54
製造されたモノが設計に合致しているかを効率的に確認することは,ものづくりの現場における重要課題の一つである。産業分野の製造プロセスにおいて,多くの業種では人手による作業が存在している。人が介在すればヒューマンエラーが付いて回るため,いかにそれを早く発見し手戻りを防ぐかが重要である。鉄構業界も受注競争に勝ち残るため,工期短縮,コスト削減,品質確保が急務であり,ヒューマンエラーによる手戻りの撲滅に積極的に取り組んでいる。富士通では,従来の製造プロセスから手戻りの原因を分析し,ICTの適用により誰でも簡単に製造不良を診断できる仕組みの確立に向けて,技術的観点および利用者観点で仮説検証を行った。そして,AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を用いた「新製造診断プロセス」を確立した。新製造診断プロセスは,お客様とともに実証を行い,従来に比べて10倍の生産性向上と,ヒューマンエラーによる手戻り撲滅を達成した。更に,新製造診断プロセスの確立によって設計製造物診断ソリューションFUJITSU Manufacturing Industry Solution 3D重畳を開発した。
本稿では,新製造診断プロセスの仮説検証・実証・製品創出といった一連の取り組みについて述べる。
統合プロジェクト基盤「Yakushin」によるグローバルソフトウェアファクトリー活動の推進 (923 KB)
枦山 直和, 佐藤 英樹, 田畑 博司, 山下 正樹, p.55-61
官公庁・公企業分野においては,法律,制度,およびお客様ごとの事業内容に基づく業務特性・要求仕様により,異なる業務システムを短期間かつ高品質・低コストで作り上げる必要がある。また,システムの開発方式は,ベンダー提供型の開発ソリューションから,ベンダーとオープンソースソフトウェアの組み合わせ型の開発ソリューションに変化してきている。このような状況を踏まえ,筆者らは官公庁関係システムの開発・運用を担当するに当たり,お客様システムの安定稼働を第一に「開発手法の型決め」「プロジェクトマネジメントの型決め」を骨子とした活動を推進している。そして,2017年度からグローバルソフトウェアファクトリー活動(グローバル視点でのソフトウェア工業化)を展開し,作業品質の均一化を図る統合プロジェクト基盤「Yakushin」の社内実践を開始した。Yakushinによって,開発手法およびツールの型決め,プロジェクトマネジメントの型決めが可能となる。
本稿では,Yakushinの中核となる開発基盤「Yakushin/Crust」とプロジェクト統合管理基盤「Yakushin/Tophat」について述べる。

AIによるデジタルトランスフォーメーション

ソーシャルメディア情報を活用した防災システム (1.10 MB )
森田 直志, 早川 誠, 高尾 典佑, p.62-67
これまで国や自治体が中心となって,水位・雨量計,気象レーダー,気象衛星などの物理センサーによって,災害に関する情報を観測してきた。しかし,物理センサーの整備には費用と時間が必要であり,十分な数の物理センサーの設置には制限がある。富士通は,住民がソーシャルメディアに投稿した災害関連情報をリアルタイムに収集・解析するシステム(以下,ソーシャルセンサーシステム)を国土交通省国土技術政策総合研究所とともに研究・開発し,社会実装を実現した。ソーシャルセンサーシステムは,住民が直接目撃した災害に関連する投稿をソーシャルメディアからリアルタイムに収集する。AI(人工知能)技術を活用した場所推定や不必要情報のフィルタリングを実施して,大量の情報(ビッグデータ)の中から災害状況把握に有用な情報を抽出することができる。また,収集した投稿情報を統計的に処理することで,市町村レベルでの発災推定を実現している。本機能を活用し,住民から投稿される情報(ソーシャルセンサー情報)と現場に整備されている物理センサー情報などと組み合わせて,防災担当者の迅速な意思決定と災害活動の支援を推進する。
本稿では,ソーシャルセンサーシステムの実現に向けた課題解決とシステム概要について述べる。
医療ビッグデータ解析技術による医療革新への貢献 (959 KB)
勝田 江朗, 一色 隼人, p.68-74
近年,ICTによるビッグデータの活用は,国内外の様々な分野において非常に大きな注目を集めている。これまで医療分野では個別化医療の実現に向け,電子カルテの普及から診療情報の集積,更にはゲノム情報の統合化といった革新が進められてきた。しかし,これらにより集積された大量の情報を,人手で処理するには限界があり,効果的・効率的に処理する医療ビッグデータを活用した技術が必要と考えられている。そこで富士通は,医療ビッグデータ解析技術を開発した。本技術は,迅速で高信頼かつ正確性を担保した解析の実行,そして利用者の解析スキルに依存しない適切なインターフェースなど,医療分野固有の要件に対応している。本技術は,独立行政法人国立病院機構 長崎川棚医療センター様と共同で実際の診療情報解析を実施し,医療革新に貢献できることを確認した。
本稿では,富士通が開発した医療ビッグデータ解析技術について述べる。
AI技術を活用したSE変革の実践 (1.20 MB )
馬庭 伸栄, 粟津 正輝, 岡田 伊策, 出内 将夫, 笈田 佳彰, 若杉 賢治, p.75-83
21世紀のICTシステムには,急速な技術革新が進むモバイル技術,IoT(Internet of Things),および人工知能(AI)技術などを活用し,業務そのものを創成・刷新する中核としての役割が求められている。このため,これらICTシステムの構築を担うSE(システムエンジニア)は,最新技術をいち早く習得・導入することによって,更なる作業の効率化を図り,新たなニーズに対する自身の役割を変革(拡張)させるという高いハードルが課されている。富士通では,従来からこうしたSE作業の課題を効果的・効率的に解決することに取り組んできた。更に,2017年度からは「SE変革」を掲げて全社を挙げて強化を図り,ナレッジ系技術へのAI活用などの社内実践を進めている。
本稿では,SE変革の概要およびAIの社内活用実践を紹介する。本社内活用実践では,「スライド素材再利用」「既存設計書探索再利用」「設計用語入力セマンティック支援」「ERP(Enterprise Resources Planning)ナレッジ支援」「社内セキュア翻訳クラウド」の各サービスを紹介する。
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