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中堅市場ソリューション


雑誌FUJITSU 2016-7

2016-7月号 (Vol.67, No.4)

富士通マーケティングは,業種,業態,規模,地域に限定されないたくさんのお客様やパートナー様に支えていただいています。私たちは,多岐にわたるお客様の期待に高いレベルで応え続けるために,現場・現実・現物を正しく捉えると同時に,社会の変化を予測して社会にとってのICTの在り方をプロフェッショナルの視点で考え抜き,そこにお客様を導いていくことをお約束いたします。



巻頭言

中堅市場ソリューション特集に寄せて (515 KB)
株式会社富士通マーケティング 代表取締役社長 藤田 正美, p.1

総括

革新的で最適なソリューションを提供する富士通マーケティングの取り組み (664 KB)
木村 清孝, 宮野 寛之, p.2-6
株式会社富士通マーケティングは,日本全国,全業種をカバーしている富士通グループ最大のICTサービス企業である。富士通グループ各社との連携に加え,自社でSE部門,工事部門,運用保守部門を抱え,お客様の要望に対してワンストップでソリューションを提供している。富士通グループでの大きな役割は,日本国内における「中堅企業」の市場戦略の立案と実行である。その特色ある取り組みとしては,ソリューションサービス,カスタマーリレーション,およびイノベーションが挙げられる。しかし,お客様の課題を解決し,ともに成長していくためには,自らも更なる変革を続けていく必要がある。そのため,2020年を一区切りとした「Vision 2020」プロジェクトを発足し,全社員で共有する価値観・想いとして「Marketing FIRST!」を掲げた。社員一人ひとりが人間としての質を高め,新しい価値を創造し,お客様と社会を幸せにする会社を目指していく。
本稿では,お客様の視点に基づいて革新的で最適なソリューションを提供する富士通マーケティングの取り組みを紹介する。

ソリューション・サービス

多様な業種へ柔軟に対応するERPソリューション GLOVIAシリーズ (664 KB)
柏原 淳也, 井上 康, p.7-11
FUJITSU Enterprise Application GLOVIAシリーズは,1996年にリリースを開始した統合業務ソリューションであり,多業種に及ぶ幅広いお客様に採用されてきた。その中でも,2010年にリリースした「GLOVIA きららシリーズ」は中堅・中小市場に向けた統合業務ソリューションであり,直接販売とパートナー様による間接販売の二系統の販売チャネルを活用し,累計販売実績は1,000本を超えた。しかし,今後の更なる販売数拡大に向け,今回,GLOVIA きららシリーズを構成する販売・会計・人事給与の各製品の機能強化に加え,GLOVIA きらら 販売のラインナップを追加した。更に,パッケージのバージョンアップ時における資産継承の容易性や追加開発の生産性向上を目指した開発ツールの機能強化も実施した。これらの取り組みによって,これまで以上にお客様業務への柔軟な対応を実現する。
本稿では,GLOVIAシリーズの全体像と幅広い業種に対し柔軟な対応を実現するGLOVIA きららシリーズの強化について紹介する。
OCR技術を活用したショッピングセンターにおける売り上げ管理業務の効率化 (859 KB)
渡邊 昌司, 森重 誠司, 梅村 泰広, 野崎 一成, p.12-18
ショッピングセンターを運営するディベロッパーの主な収入源は,テナントから収集する契約区画の賃貸料である。現在,多くのディベロッパーが賃借料を売り上げ歩合方式にしているため,毎月の賃借料請求にはテナントの売り上げ情報が必要となる。しかし,各テナントが所有するPOSシステムはディベロッパーの管理システムと連携していないため,テナントから毎日精算レシートを回収し,手作業で売り上げを確認しているのが実態である。この売り上げ確認は作業の負荷が高く,また属人化してしまうという問題がある。FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart きらら OCRは,これまで正確なデータ読み取りが困難とされていた様々なフォーマット・サイズの精算レシートを素早く正確に読み取り,売り上げ報告の確認作業を自動化する日本初のOCRソリューションである。本ソリューションによって,従来ディベロッパーが手作業で行っていた各テナントの売り上げ管理業務の負荷を大幅に軽減する。
本稿では,FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart きらら OCRを用いたショッピングセンターにおける売り上げ管理業務の効率化を紹介する。
アジャイル開発方式の適用によるパッケージソフトウェアの品質向上 (660 KB)
松浦 豪一, p.19-24
近年,パッケージソフトウェアに対するお客様の要望は多様化している。株式会社富士通マーケティングでは,これまでパッケージソフトウェアFUJITSU Enterprise Application GLOVIAを活用したソリューションを提供してきたが,お客様からのフィードバックや要望に対し,素早く対応できないことが課題であった。その原因は,ウォーターフォール方式によってパッケージソフトウェアを開発しており,仕様確定や工程完了判断までに期間やコストを必要としていたためである。この課題を解決するため,アジャイル開発方式を適用した開発プロセスの改善に取り組むことになった。アジャイル開発方式のプラクティスであるタイムボックスやテストファーストの適用により,早期に問題を把握し改善することが可能となり,製品の品質を向上できた。また,プログラムの振る舞いを変更せずにプログラム構造だけを修正するリファクタリングにより,生産性を向上できた。更に,ユーザーストーリーを使った計画ゲームにより,商談の獲得率も向上できた。
本稿では,パッケージソフトウェア開発におけるアジャイル開発方式の適用について述べる。
市場のニーズに対応するICTインフラサービス「AZSERVICEシリーズ」 (798 KB)
本橋 太一, p.25-31
AZSERVICE(アズサービス)とは,株式会社富士通マーケティング(以下,富士通マーケティング)が提供する中堅市場向けICTインフラサービス群の総称である。2010年10月に富士通マーケティングが発足した際に,前身の富士通ビジネスシステムが行ってきた直販事業に加え,パートナー事業,商品企画・開発事業が追加された。その際に,富士通マーケティングの得意分野であるICTサービスをより分かりやすく,高品質かつ低価格で提供するための商品化計画が立案された。そこで開発されたサービスが,ハードウェア,ソフトウェア,構築作業を一体化したAZBOX(アズボックス)である。AZBOXのコンセプトは市場のニーズに対応できるように,AZSUPPORT(アズサポート),AZCLOUD(アズクラウド),AZNETWORK(アズネットワーク),AZSECURITY(アズセキュリティ),AZOFFICE(アズオフィス)などの形で他分野へ展開・細分化されていった。これらのブランドを総括したのがAZSERVICEであり,早期導入・高品質・低コストのコンセプトに基づいたサービスを提供している。
本稿では,市場のニーズに対応するAZSERVICEの各ブランドが提供するサービスの概要について述べる。
中堅・中小企業向けネットワークセキュリティソリューション (694 KB)
高橋 晃, 三浦 崇久, p.32-37
標的型攻撃などのサイバー攻撃は日々巧妙化しており,情報漏えいが社会問題化して久しい。しかし,株式会社富士通マーケティング(以下,富士通マーケティング)の主要なお客様である中堅・中小企業においては,主にICT投資予算の不足やICT専任者の不在により,セキュリティ対策の導入が進んでいないのが実情である。富士通マーケティングはこの状況を改善するため,富士通製品のみならず広く他社製品を組み合わせ,お客様の規模や商談パターン別に費用対効果を最適化したセキュリティソリューションを提案してきた。それらは,中堅・中小企業の商談ケースに応じてスモールスタートから始めることができるセキュリティ対策が主な特徴となっている。
本稿では,中堅・中小企業に向けたネットワークセキュリティ対策について,富士通マーケティングの取り組みを紹介する。
クラウド時代の業種業務アプリケーション (739 KB)
大串 吉正, p.38-43
現在では一般的な用語となった「クラウドコンピューティング」は,2006年にGoogleのエリック・シュミットが最初に使ってから10年が経過した。これ以前からインターネットを利用したサービスは提供されていたが,お客様が意識してこうしたサービスをシステム導入時の選択肢として挙げるようになったのはこの頃からであった。株式会社富士通マーケティングは,お客様のニーズの変化を察知し,1997年から富士通グループの各社と連携しながらクラウドサービスを提供してきた。現在は,業務アプリケーションである「GLOVIA きらら」,業種アプリケーションである「AZCLOUD SaaS」,セキュリティサービスの「AZSECURITY BSTS」など,様々なクラウドサービスを提供している。
本稿では,様々なクラウドサービスの中から,業種業務アプリケーションサービスに焦点を当て,提供する意義や取り組むべき課題について,具体的な例を交えて紹介する。
ハイブリッドクラウド環境をサポートする統合監視システム (944 KB)
松本 信博, 山田 脩, 松林 章博, 丸山 宏, p.44-50
企業内のICTシステムは,従来のオンプレミス型に加えてクラウドサービスを活用したハイブリッドクラウド環境化が進み,複数の場所に存在することが当たり前になった。同時に,企業のICTシステム管理者には,より複雑さを増すICTシステムのインフラを包括的に管理することが求められている。このような背景から,株式会社富士通マーケティングは,クラウド統合監視システムを開発し,クラウドとオンプレミス双方の資産を統合的に管理・監視するクラウドサービスの提供を開始した。本サービスは,高度なスキルや複雑な設定作業を不要とし,運用を効率化するための仕組みや機能を提供することでICTシステム管理者の負荷軽減を実現する。
本稿では,オープンソースソフトウェアを組み合わせたシステム開発,多様なネットワークシステムから監視データを収集するためのセキュアな接続を提供する仕組み,更にパソコン,スマートフォン,タブレットなど,マルチデバイスに対応した統合監視ポータル機能について紹介する。
福祉システム「楽園」シリーズのマイナンバー制度対応 (867 KB)
川崎 元泰, 平田 和也, 今村 英次, 坂口 一郎, 田中 良和, p.51-57
マイナンバー制度が開始され,マイナンバーの取り扱いが必要となる業務運用においては,収集・保管・申告の新たなプロセスの構築が必要である。同時に,マイナンバーの取り扱いに際しては強固なセキュリティ対策が求められている。特に,中堅・中小企業においてはその対応は大きな負担となる。株式会社熊本計算センター(以下,熊本計算センター)の主要顧客である福祉施設においても,マイナンバーの取り扱いへの不安を抱えているお客様が多く存在した。このような状況の中,熊本計算センターのアプリケーションパッケージである「楽園」シリーズと株式会社富士通マーケティングの提供するマイナンバー対応ソリューションとを組み合わせてマイナンバー対応セキュリティソリューションとして提供している。本ソリューションによって,「楽園」シリーズを導入しているお客様のマイナンバー制度対応を迅速かつ確実に実現するソリューションを提供している。
本稿では,福祉施設向けマイナンバー対応セキュリティソリューションについて述べる。
EMSとTSSの活用による共創型環境先進ビルの実現 (935 KB)
浅倉 亮, 宮本 晃明, 大島 伊雄, p.58-65
全世界で低炭素化社会実現に向けた温室効果ガスの排出量削減が叫ばれている中,莫大なエネルギーを消費する大型ビルにおける省エネルギー化(以下,省エネ)の推進は,地球環境保護に大きく貢献すると考えられる。また企業活動において,エネルギーコストの高騰は利益を押し下げる要因である。そのため,エネルギー消費量の削減が経営に必須の課題となっている。株式会社富士通マーケティングでは,ICTを活用したEMS(Energy Management System)によって施設のエネルギー消費量を見える化し,TSS(Tenant Service System)によってテナントビルに入居する企業の省エネへの参加を促している。更に,エネルギー消費量の分析・検証・最適化といったPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルをサポートするサービスによって,全ての施設関係者とともに省エネを推進していく共創型環境先進ビルを実現する。
本稿では,EMSとTSSの活用による省エネ効果について事例を基に解説するとともに,今後の展望と構想について紹介する。
サービスロボットを活用したデジタルサイネージソリューション (803 KB)
宮原 信哉, 上村 朋彦, p.66-70
FUJITSU Software ChaMEO(シャミオ)は,株式会社富士通マーケティングが提供しているデジタルサイネージコンテンツの制作・運用ソフトウェアである。お客様側でのサイネージシステムの簡単な運用と,業種・業務ソリューションと連携したシステムの構築を可能とする。このChaMEOとヒューマノイド型ロボットを連携させることで,商業施設などで集客や声掛けなどエンターテインメント性を備えた来場者とのコミュニケーションが可能となる。例えば,ロボットが来場者と対話したり,ロボットに備え付けのタッチパネルの操作を音声で案内したりして,来場者が知りたい情報をデジタルサイネージのディスプレイに表示できる。また,多国語による入出力機能を搭載することにより,訪日外国人へのおもてなしにも貢献できる。更には,来場者との会話から得られた情報(性別,年齢,アンケート回答)を分析し,マーケティングに活用することも可能である。
本稿では,ChaMEOとロボットを連携したデジタルサイネージソリューションへの取り組みを紹介する。

カスタマーリレーション

中堅市場におけるコンサルティングサービスの推進 (694 KB)
田中 克利, 稲葉 実, p.71-76
近年,情報社会の変化や経営課題に対応したICTソリューションの提案が重要になってきている。株式会社富士通マーケティング(以下,富士通マーケティング)では,真のビジネスパートナーを目指して,お客様企業の情報システム部門におけるICT導入の企画立案に上流工程からアプローチするコンサルティングビジネスを積極的に展開している。富士通マーケティングが提供するコンサルティングサービスの特徴は二つあり,一つはシステム投資に向けた関係者間の合意形成を目的に,ICT導入の企画立案や投資効果測定を無償で支援すること(フリーコンサルティングサービス)である。もう一つは,イノベーション・アドバイザーが現場業務の実態を可視化することで課題を明確化することである。
本稿では,富士通マーケティングが2003年から実践しているフリーコンサルティングサービス,2015年度から取り組んでいるイノベーション・アドバイザーによる支援サービス,および今後のビジネス展望について紹介する。
BtoBデジタルマーケティングの社内実践 (783 KB)
桜井 浩, p.77-83
マーケティング部門が商談確度の高い優良なお客様情報を営業部門に提供する仕組みを効果的にサポートするシステムが,マーケティングオートメーションである。株式会社富士通マーケティングでは,事例や製品・サービス情報を発信することで,コーポレートサイトに集客してお問い合わせまでつなげるWebマーケティングを実施してきた。マーケティングサイト「ICTのmikata(ミカタ)」の公開によって,富士通マーケティングのファン獲得から製品・サービスのプロモーション,更にeコマースのサイトに誘導して購入を促すことが可能となった。これまで独立していたマーケティング施策は,マーケティングオートメーションの構築で連動性を高めることができた。更に,中堅・中小企業のビジネスの課題解決に役立つ事例や調査レポート,コラムなど多くのコンテンツをWebサイトに掲載し,定期的なメールマガジンを配信することで訪問数も大きく増加した。
本稿では,ICTのmikataの特長およびマーケティングオートメーション導入までのプロセスと,運用に不可欠なデータベースの収集・管理方法や効率的なコンテンツの制作事例について述べる。

イノベーション

産学連携による人材育成への取り組み (670 KB)
渡部 亜由美, 佐山 幸嗣, p.84-89
株式会社富士通マーケティングでは,国内外の大学と連携しながら,ミドルマネージャーやリーダークラスのキャリアアップのための特別強化教育の拡充を2008年から進めている。ミドルマネージャーを対象としたマネジメント研修「Coaching Ourselves」は,カナダ・マギル大学のヘンリー・ミンツバーグ教授,一橋大学の野中郁次郎教授,伊丹敬之教授が中心となって1996年に立ち上げたIMPM(International Masters Program in Practicing Management:国際マネジメント実務修士課程)をベースとして,マネジメント力向上と組織間交流の促進を目的とするプログラムである。また,リーダークラスを対象とした「社内ビジネススクール」は,横浜国立大学ビジネススクールと連携した経営管理知識の習得を目的とするプログラムである。更に「社内ゼミナール」は,社内ビジネススクールで習得した知識を実ビジネスで応用するための手法を身に付けていくプログラムである。
本稿では,各プログラムの導入経緯や内容,効果,および今後の展開について述べる。
自社実践によるワークスタイル変革 (855 KB)
高橋 正浩, 長谷川 諭, p.90-96
株式会社富士通マーケティング(以下,富士通マーケティング)は,2014年10月に本社を港区に移転した。併せて東京都内の3拠点も統合した。この移転・統合は,2,000名規模,期間は半年という条件の中,総務部門がプロジェクトを管理し,設計から施工に至るまでを全て自社リソースで行い,堅牢なセキュリティかつ自由度の高いオフィスの構築に取り組んだ。実施に当たっては,五つの変革ワーキンググループ(ワーキングスペース・ICT・ファシリティ・職場環境・ワークスタイル)を編成した。このうちワークスタイルの変革は,今回のオフィス移転に合わせて設置したもので,社員の働き方と働く場の改善を自社実践によりノウハウを蓄積し,新たなリファレンスモデルの活用を図るものである。
本稿では,富士通マーケティングのオフィス構築におけるワークスタイルの変革の実施事例を紹介する。