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Fujitsu

Japan

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注:このページはアーカイブ化さたコンテンツです。各論文の記載内容は、掲載開始時の最新情報です。

雑誌FUJITSU

2006-11月号 (VOL.57, NO.6)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


雑誌FUJITSU 2006-11

特集:「SOA」

富士通は,変化に強いアーキテクチャであるSOA(Service Oriented Architecture)の考え方に基づき,ビジネスコンサルティング,業種別SOA開発ソリューション,SOA開発技術,実行基盤を「富士通のSOA」として体系化し,お客様に提供しています。

本特集号では,SOAで実現するITシステムの新しいかたちを紹介いたします。


経営執行役
生産革新本部長

宮田 一雄

経営執行役 生産革新本部長 宮田 一雄 写真

SOA特集に寄せて(PDF)

富士通は,変化に強いアーキテクチャである“SOA”の考え方に基づき,フィールド・イノベーションを実現するためのいろいろな技術を開発し,業種別のSOA開発ソリューション,既存資産やパッケージを利用しながらのSOA適用など,業務をIT化するサービスインテグレーションを提供しています。本特集号が皆様のシステム開発のご参考になれば幸いです。

特集:SOA 目次〕

概要

  • 富士通が提唱するSOAの概要

変化に強い業務プロセスの策定

  • 自治体におけるSOAの取組み

SOA実現に向けた分析・設計方法

  • 業務の本質を見極めサービスを切り出す -要のものこと分析-
  • SOA実現に向けた分析・設計の事例 -要のものこと分析事例-

お客様の特徴に合わせた業種別SOA開発ソリューションモデル

  • FUTURITY実践事例
  • 経営・業務・ITの可視化ソリューション:Valuevision
  • 金融SOAソリューション体系:EVOLUO
  • “EVOLUOBUSSOLA”による金融システムへのSOAの導入

迅速かつ容易なシステム構築のためのパッケージサービス素材

  • 中堅企業向け新ERPソリューションGLOVIA smartにおけるSOAへの取組み

特集:SOA


概要

近年,多くの企業では急激なグローバル化や企業合併など,ビジネスを取り巻く様々な環境の変化に直面している。この環境変化に追随していくためにスピード経営が叫ばれており,変化にいかに迅速に対応するかが重要な課題となっている。これを可能にするシステム構築の考え方としてSOA(Service Oriented Architecture)が注目を浴びている。富士通は,高まるSOAニーズに応えるため,ビジネスコンサルティング,業種別SOA開発ソリューション,SOA開発技術,実行基盤を「富士通のSOA」として体系化しお客様に提供している。
本稿では,SOAの基本的な考え方と富士通のSOA体系を総括して紹介する。

藪田 和夫,津金 成年

変化に強い業務プロセスの策定

政府が2006年1月に発表した「IT新改革戦略」ではITを「いつでも,どこでも,何でも,誰でも」使えるユビキタスなネットワーク社会の実現を目標としている。この実現に向けて総務省は,「地域情報プラットフォーム事業」を推進し,レガシーシステムの改革,電子自治体化の更なる推進を図っている。
地域情報プラットフォームはSOAに準拠したシステム基盤である。自治体を中心としたSOAサービスを自治体間や民間企業と連携することによって高付加価値なサービスが実現できる。
本稿では,地域情報プラットフォームの導入に向けた,自治体業務や業務間のデータインタフェースの標準化など,自治体のSOAへの取組みについて紹介する。

中山 雅彦

SOA実現に向けた分析・設計方法

SOA(Service Oriented Architecture)とは,変化に強いシステム構造を構築していくコンセプトである。SOAを実現するプロダクト(サービスバスなど)は,徐々に整備されてきているが,プロダクトだけ導入してもSOAは実現できない。変化に強いシステム構造をどのように設計していくかのプロセスを明確にする必要があり,さらに「サービス」の単位をどのように設定していくかが大きな課題である。富士通は,この課題を解決すべく業務の分析から変化の単位である「サービス」を見つけ出し,変化に強いシステム構造を設計していく“SDAS/Service Modeling”という方法論を提供する。
本稿では,SDAS/Service Modelingの中の業務の本質から変化に強いサービスを見つけ出す「要のものこと分析」の考え方と実施手順を説明し,実践に基づく評価を示す。

森田 功,朝倉 健雄

SOA実現に当たり,上流工程で最大の課題の一つとなるのは,サービス単位を決定するサービスアーキテクチャの設計である。富士通が提唱するSDAS/Service Modelingの「要のものこと分析」では,サービスアーキテクチャ設計の方法を具体的に提示しており,多数の適用実績がある。
本稿では,要のものこと分析について製造業および金融業における分析・設計事例を紹介し,ビジネス変化に迅速に対応できるアーキテクチャがどのように設計されるかを示す。また,その過程で,業務モデルが重要な役割を果たしていることを見ていく。さらに,本分析手法がお客様から高い評価をいただいていることを紹介し,その成功要因を考察する。

森田 功,沖山 智

お客様の特徴に合わせた業種別SOA開発ソリューションモデル

現在,富士通の業種SOAソリューションであるFUTURITYは,すでにいくつかのプロジェクトに適用されて成果をあげている。本稿ではその代表的なものを紹介する。
まず,FUTURITY-TBの事例として,合併統合により現行システムが乱立し,どのように整理してよいのか分からないという悩みがあった某通信事業者様の販売工程管理システムの事例を紹介する。つぎにFUTURITY-AI,MPの事例として,To-Beモデルは書いたけれども,どのような手順で再構築すればよいか,また,再構築後の費用対効果をどのようにして表現するかという悩みがあった某電力会社様の営業システムの事例を紹介する。最後にFUTURITY-SIの事例として,現在管理できていない工事業者の作業管理をするために,携帯電話連携を含めた管理システムの構築を望まれた某通信事業者様の工事管理システムの事例を紹介する。

奥川 彰一

企業では,新たな法規制や合併などの激しい環境変化に対し,業態や業務を変えながら迅速に対応し発展を続けなければならない。しかし,変化への対応に際して経営として「やるべきこと」,現場として「やりたいこと」,情報システムで「できること」には観点の違いから生じるギャップがあることも事実である。
本稿で紹介するValuevisionは,上記のギャップを解消するため,経営・業務・ITの3レイヤの「現状」を可視化し,それぞれのレイヤの情報を連携させることにより,企業全体として整合性の取れた形で改善していく仕組みである。本ソリューションは,お客様が日常業務に使われている各種情報システムをマネジメントの道具として活用することにより,継続的な改善を行うことを目的としている。

加藤 知倫

近年,金融業界では,自由化の波を受け,銀行,証券,保険の業態の壁がなくなる「総合金融サービス化」が進むとともに,規制緩和などにより,スーパー,コンビニエンスストアといった異業種も参入するなど,ビジネス環境が急速に変化しつつある。企業競争力強化のためには,このような変化にITシステムが俊敏かつ柔軟に対応していく必要がある。
このような状況の中,富士通は,多種多様な金融システムやサービス間の連携を可能とし,「つなぐ」「束ねる」「拡げる」をコンセプトに,変化に強く継続的に発展する次世代ITシステムを実現するべく,金融SOAソリューション体系“EVOLUO”を確立した。
本稿では,金融ITシステムにおけるSOA適用の意義と“EVOLUO”の特長を述べる。

佐藤 和英,高祖 幸代

金融業界では,インターネット・携帯電話・電子決済など変化の激しい戦略的な分野に対して,新しいサービスを競合他社より早く提供することが,競争上の優位性を確保するための条件になっている。その実現には,変化に即応し継続的に発展する柔軟なITシステムの構築が求められる。このような流れの中,多様化する顧客チャネルや業務システムおよび提携先企業との間を有機的に連携する基盤としてのESB(Enterprise Service Bus)に注目が集まっている。金融SOAソリューション体系“EVOLUO”では,商品化の第一弾として,金融ビジネスバスソリューション“EVOLUOBUSSOLA”を発表した。EVOLUOBUSSOLAは,一般的なESBの機能に加えて,金融システムに求められる要件を考慮して機能拡張したソリューションである。
本稿では,現在の金融システムがSOAの考え方を取り入れる際の導入パターンとその課題について説明した後,その課題解決に向け商品化したEVOLUOBUSSOLAの強化ポイントと導入事例について述べる。

中谷 好宏

迅速かつ容易なシステム構築のためのパッケージサービス素材

年商規模が30億円から100億円クラスのお客様は,必要な機能を持つパッケージをそのときの状況に合わせて導入(ガートナー調査資料2005年11月)される傾向があり,このプロセスを意識したシステム構築が求められる。そこで,富士通は,経営環境の変化に合わせてパッケージを入れ替えられる仕組み,つまり増改築型でパッケージを導入できる仕組みであるGLOVIA smart SOAを提供する。
このGLOVIA smart SOAは,.NET FrameworkをベースにSQL Server 2005を用い,XMLをデータ交換の基本としたXML-DBからできている。さらにパッケージ間を接続できるようにしたデータ交換Webサービス(データ交換属性,項目の意味なども含めた標準レイアウトも用意)を提供し,人の介在を減らすとともに,データの正確性,網羅性,妥当性の向上を図っている。
本稿では,パッケージ間の新たな連携の仕組みとしてGLOVIA smart SOAの概要と連携の仕組みについて述べる。

堀 学

システムを安定かつ高信頼性を保持したまま運用する実行基盤

企業が「攻めの経営」を行い「社会的責任」を果たすためには,「柔軟で透明なITシステム」が求められており,そのためのアーキテクチャとしてSOAが注目されている。
本稿では,SOA化に取り組む先進的な様々なケースをミドルウェアの視点から分析することで,柔軟なシステムとするためにサービスをどのように活用するか,既存業務・情報を再活用するためにどのようにサービス化するか,通常の業務サービスの開発に加えどのような新規サービスを考慮すべきか,透明なシステムを追求しシステムにまたがった可視化にどう取り組むかを,また,そこで考慮すべき特徴とミドルウェアの役割を明らかにする。さらに,SOAを支えるミドルウェアは,サービスを活用するためのベンダを越えた相互活用の標準基盤(ESB)だけではなく,SOAによるシステムの柔軟さと透明さを支える各種ミドルウェアもあることを上記ケースの分析の過程で明らかにする。

小菅 健,森野 幸司


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