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株式会社富士通ゼネラル 事例

株式会社富士通ゼネラル

より快適な生活環境のためにエアコンにAIを導入
各ユーザーの好みに合った快適性を実現

家庭用エアコン「nocria(ノクリア)」シリーズを展開している富士通ゼネラルでは、空間のさらなる快適性を目指し、新製品のエアコンにAIを搭載することを決定。課題設定の段階から富士通および富士通研究所とディスカッションを重ね、実証実験や本番導入において、富士通のAIに関する知見や、システム化に関するトータルサポートを受けてAIモデルの構築、実装・運用を行い、新製品へのAI機能搭載を実現した。

課題と効果

  • 快適な温度設定は人によって異なるため、センサーの制御だけではユーザーの好みに合わせた細やかな運転はできない
    AIを利用して各ユーザーの使用方法を学習、快適な空間を実現
  • AIの適用方法が分からない
    富士通および富士通研究所がAI活用方法の検討から、データ分析、システム設計、実装に至るまでをフルサポート

背景

エアコンへのAI導入による
さらなる快適性の追求

株式会社富士通ゼネラルは、エアコンなどの空調機事業を主力として、情報通信システム事業、電子デバイス事業を展開する電気機器メーカーだ。「私たちは革新的なモノづくりを通じて、世界中のお客様と社会のために、安らぎに満ちた、今日にない明日を届けます。」を企業理念に掲げ、世界初・業界初の技術で実用化した数多くの製品を生み出している。

同社の主力製品であるエアコンについて、株式会社富士通ゼネラル 空調機事業統括本部 主席部長の平 律志氏は「エアコンの本質は快適性です。空間の快適さを追求し、自然な送風や清潔機能にこだわった製品を開発しています」と語る。

富士通ゼネラルの家庭用エアコンは「nocria(ノクリア)」ブランドとして多くの家庭で使われている。ノクリアはこれまでも、独自の技術で室温気流と暖・冷房気流を制御する「デュアルブラスター」や、カビ菌や細菌を除去する「熱交換器加熱除菌」などさまざまな独自機能を搭載することで快適性を追求してきた。そして2018年12月、さらなる快適性の向上を目指し、AI搭載の次世代「ノクリア Xシリーズ」を発表した。

ノクリア Xシリーズは、運転中に部屋の暖まりやすさ・冷えやすさをAIが学習。気象データなどをもとに起床時刻や帰宅時刻に快適な室温となるようなタイマー予約の提案をスマートフォンに通知する。AIで学習した部屋の特徴に合わせ、指定した時間に設定温度になるように運転開始時間を判断し、ムダを抑えた快適な室温設定が可能だ。また、運転中に温度を変更する操作も学習し、室内温湿度や気象データなどをもとにあらかじめ設定温度を変更して、気づかないうちに快適な空間を実現する。

「AIの導入については、2年ほど前からプロジェクトチームをつくり、検討を始めました。しかし、AIをエアコンに導入することで、どのようなメリットが得られるのか、またどうやってAIを適用すれば良いかも分かりませんでした。そこで、グループ企業である富士通および富士通研究所に相談することにしました」と話すのは、同社 空調機商品開発本部 空調機商品技術部 第三技術部 部長の河合 智文氏だ。

  • 株式会社富士通ゼネラル
    空調機事業統括本部
    主席部長
    平 律志 氏

  • 株式会社富士通ゼネラル
    空調機商品開発本部
    空調機商品技術部 第三技術部 部長
    AI技術開発部 部員
    河合 智文 氏

  • 富士通株式会社
    AIサービス事業本部
    プラットフォーム事業部
    事業部長
    山本 英雄

経緯

富士通および富士通研究所との
ディスカッションにより実現可能性を確認

AIの導入にあたり河合氏は、「私たちが最終的に目指しているのは、お客様が設定や操作など何もしなくても自動的に快適な環境をつくれるエアコンです。これまでの技術ではなかなか実現できなかったのですが、AIを活用することで可能性が見えました」と語る。

快適な温度というのは、その人の体感温度によっても、季節や時間によっても違うため、たとえ室内の条件が同じでも、ユーザーによって設定温度はさまざま。単純にエアコンにセンサーを搭載して制御するだけでは、細やかな対応ができなかったという。「AIを利用して各家庭での使用方法を学習できれば、その人その時で快適な温度を設定することができるのではと考えました」(河合氏)。

富士通および富士通研究所ではAIの黎明期から研究・開発を続けており、ディープラーニングや最先端のコンピューティング技術、そしてこれらを業務に実装するナレッジにより、継続的に成長するAIを提供している。

「お客様から相談を受けた私たち富士通では、エアコンから収集した大量データの処理や可視化分析を行うことで、AIモデルの実現可能性を示し、AI導入までのサポートを行うことになりました」と話すのは、富士通株式会社 AIサービス事業本部 プラットフォーム事業部 事業部長の山本 英雄だ。

エアコンにAIを導入することで何ができるのか。全く白紙の状態からディスカッションが始まった。「データの収集・分析から、機能的なアルゴリズム構築など、ポイントとなる点は多くありましたが、富士通のデータサイエンティストは、粘り強くディスカッションに応じてくれました。アイデアに対してそれをどこまで実現できるか、実現に向けて何が必要なのかを可視化し、提案してくれました」と河合氏は振り返る。

ポイント

相談から設計、実装に至るまで。
AIにとどまらない富士通のフルサポート

議論を深め、AIにより実現する機能や実装方法なども徐々に固まっていった。

ノクリア XシリーズのAIは、富士通のAIプラットフォーム「FUJITSU Cloud Service for OSS Zinraiプラットフォームサービス」の「エッジ連携 for 生活機器API」を活用し、データの蓄積と学習済みモデルの作成を実施して、各家庭のエアコンに配信する。エアコンに内蔵されたマイコンでリアルタイムな使用環境の監視・収集と学習済みモデルに基づいた予測制御を行う。こうして役割を分担することで、高精度の学習と高速レスポンスの予測制御を可能としている。さらに、運転中にも各種データを監視・収集、学習することで、家庭により異なるさまざまな生活パターンに応じてAIが成長していく。

「ノクリア XシリーズでZinraiが担う仕事は大きく2つです。一つは、指定した時間に設定温度にするためのデータ蓄積・学習。もう一つは、利用者が設定温度を変更することを予測するためのデータ蓄積・学習です」と河合氏は説明する。

導入までのフェーズを振り返って平氏は、「AIを活用する上で、どのタイミングで情報を収集してどういった制御を行うかなど、すり合わせなければならないことが多く、苦労しました」と話す。AI自体の規模感や情報収集・学習のタイミングなどによりシステムの設計も大きく変わってくる。そのため、適正値をどこに置いて設定するかが苦労したと語る。

河合氏は、「システムの構築にあたっては、エアコンから収集する大量のデータをどのように蓄積し、学習させるかがポイントでした。そうしたAI以外の部分、データ処理やネットワーク設計なども含めてトータルに富士通は手厚くサポートしてくれました」と評価する。

効果と今後の展望

まだスタート台にたったばかり
これからもシナジーを生かしていく

エッジ&クラウドAIを搭載した次世代「ノクリア Xシリーズ」は2018年12月に正式発表され、2019年1月下旬より販売が開始される。今回のAI導入について河合氏は、「初めてのAI機能を搭載したエアコンができました。痒いところまで手が届くエアコンに近付いたと思います」と評価する。

今回の案件において富士通ゼネラルが活用したZinraiプラットフォームサービスのAPIは、すでにさまざまな業務用途において導入実績を持っているが、生活機器における活用としては今回が初の事例となる。富士通ではこれを「Zinraiプラットフォームサービス エッジ連携 for 生活機器」として今後他の顧客にも展開していく。「エッジ連携 for 生活機器」は、生活機器ごとに学習モデルを自動生成・配信し、各ユーザーに合った効率化・最適化制御により、快適な生活環境を提供します。エッジ連携for 生活機器APIを利用することでエアコンはもとより、身の回りのあらゆる機器とAIを結び、より快適な生活を実現することが可能となります」と富士通の山本は語る。

今後の展望として、平氏は「AIの活用はまだスタート台にたったばかりです。今回の導入では富士通および富士通研究所とともにグループのシナジーを発揮して開発を進めましたが、今後もこれまで以上にシナジーを発揮して、より人に寄り添った快適な製品を生み出していきます」と力強く語った。

株式会社富士通ゼネラル
本社 神奈川県川崎市高津区末長3丁目3番17号
代表者 代表取締役社長 経営執行役社長 斎藤 悦郎
ホームページ https://www.fujitsu-general.com/jp/ Open a new window
概要 1936年創立。業務用から家庭用まで各種空調機器を主力に、消防・防災、外食事業、医療機関向けなどの情報通信システム、車載カメラ、ユニット製造をはじめとする電子デバイスを展開している。現在の主力事業である空調機は1960年より事業を開始。1971年より、中東向けにエアコンの海外輸出を開始して以来、世界各地に販売網を拡大している。

[2019年1月掲載]

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